若き新星ネルーカーが「小倉城クリテリウム」制覇!|マイナビ ツール・ド・九州2024
Bicycle Club編集部
- 2024年10月11日
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10月11日(金)、UCI1クラスで日本最高峰のステージレース「マイナビ ツール・ド・九州 2024」の前哨戦として、エキシビジョンレース「小倉城クリテリウム」が福岡県北九州市の小倉城周辺で行われた。レースは、ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト、イギリス)が、3人によるスプリント勝負を制し、優勝を飾った。
周回賞狙いのアタックが続出
レースは1周1.8kmのフラットなコースを25周、計45kmで争われた。エキシビジョンレースのため、翌日から始まるステージレースの総合成績には関係なく、UCIポイントも付与されない。しかし、5周、10周、15周、20周回目に設定された周回賞に200ユーロ、最終的な優勝者には3,000ユーロ、2位には1,500ユーロ、3位にも800ユーロなど、高額賞金が用意されているため、選手たちにとってもモチベーションの高いレースだ。
レースは13時にスタート。序盤は大きな動きはなく、集団1つの展開が続いた。5周回目の周回賞は、集団から抜け出したイェロン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング、オランダ)と石原悠希(シマノレーシング)による争いになった。先日の「おおいたアーバンクラシック」の覇者であるメイヤースが、ここでも力強い走りを見せ、先頭で通過し最初の周回賞を獲得。
10周回目の周回賞は、織田聖(マトリックスパワータグ)が先行するも、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)がスプリント力で上回り獲得した。
エース級3人の逃げが決まる!
レースが大きく動いたのは、レースが折り返し地点となる12周目だった。ネルーカー、ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー、フランス)、小石祐馬(JCLチームUKYO)といった、各チームの総合エース級の選手たちがアタック。強力な3名による逃げとなり、集団とのタイム差は徐々に広がっていった。
13周目、小石は先頭集団から脱落。しかし、ネルーカーとジュガットはペースを落とさずに逃げ続け、ジュガットが15周目と20周目の周回賞を獲得する。
16周目、集団からアントン・チャーム(アスタナ・カザクスタンチーム、デンマーク)が単独で猛然と追走し、見事に先頭集団に追いつくことに成功する。大会有力チームであるEFエデュケーション・イージーポスト、トタルエナジー、アスタナ・カザクスタンのエース級3名による逃げとなり、タイム差は50秒近くまで広がり、逃げ切りが濃厚となった。
若き才能 ネルーカーが貫禄のスプリント勝利!
最後は、3人でのスプリント勝負にもつれ込んだ。3人の中で最もスプリント力に定評があるネルーカーが、その実力を遺憾なく発揮。他2人を寄せ付けず、見事な勝利を飾った。2位にはジュガット、3位にはチャームが入った。
優勝したネルーカーは、トリニティレーシングから移籍してきたプロ1年目の20歳。ワールドツアーレースである「エシュボルン・フランクフルト」での4位入賞を含め、今シーズンすでに9回もトップ10入りを果たしている、今後の活躍が期待される若手だ。平均年齢22歳と、今回出場チームの中で最も平均年齢が若いEFエデュケーション・イージーポストにおいては、チーム最年少ながら今大会の総合エースと目されている存在だ。
ネルーカーはレース後、「集団スプリントに持ち込みたくなかったので、逃げを狙って走りました。3人になってからも多くを話したわけではないけれど、それぞれが何をすべきかわかっていたと思います。他の2人のスプリント力が分からなかったので早めに自分のスプリントを開始して、勝つことができ嬉しく思います。」とコメントした。
4位以降は集団スプリントとなり、集団の先頭をとったエミリアン・ジャニエール(トタルエナジー、フランス)が4位、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が日本人最上位の5位、イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタンチーム、ロシア)が6位に入った。3人とも、今後のステージレースでの活躍が期待される注目スプリンターだ。
明日からいよいよ本戦へ! 初日から目が離せない
「マイナビ ツール・ド・九州 2024」は、明日からいよいよ本戦を迎える。初日の第1ステージは、別府市から日田市までの137.7km。山岳地帯を走るタフなコースだ。別府市の立命館アジア太平洋大学をスタートし、湯布院温泉地を通過すると、日本屈指のワインディングロードとして知られるやまなみハイウェイへ。ここには長者原スプリントポイントが設置されており、雄大な景色をバックに選手たちの駆け引きが展開されるだろう。レース中盤には3箇所の山岳ポイント(KOM)が設定されており、登坂を力強く駆け上がる選手たちの姿を間近で見ることができる。日田市街地に入ると、大宮八幡宮を起点とする周回コースを2周回。最後は、逃げ切りか、集団スプリントか、白熱の展開に注目だ。レースは10時スタート。YouTubeでのライブ配信もあるので、見逃せない!
リザルト
1位 ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト、イギリス) 59m59s
2位 ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー、フランス)
3位 アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタンチーム、デンマーク)
4位 エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー、フランス) +31s
5位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
6位 イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタンチーム、ロシア)
7位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
8位 イェロン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング、オランダ) +34s
9位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン、台湾)
10位 岡篤志(JCLチームUKYO)
周回賞
5周目 イェロン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング、オランダ)
10周目 孫崎大樹(キナンレーシングチーム)
15周目 ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー、フランス)
20周目 ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー、フランス)
ベストジャパニーズ賞
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 文:相原晴一朗 写真:三井至
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