熱戦再び! 沢田時と小林あかりが圧巻の走りで東北シクロクロスわたりを制す
Bicycle Club編集部
- 2024年10月29日
10月27日(日)、宮城県亘理郡亘理町の鳥の海公園にて、「東北シクロクロスシリーズ2024 第1戦 ”亘理町長杯”わたりラウンド」が開催された。2024-25 JCFシクロクロスシリーズ、そしてJCXシリーズの第2戦となる今大会。メインレースのエリート男子は沢田時(宇都宮ブリッツェン)が、エリート女子は小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)が制した。
東日本大震災の教訓を活かした鳥の海公園を舞台に熱戦が繰り広げられる
会場の鳥の海公園は、東日本大震災の教訓を活かした防災公園としての機能も備えている。コースには、芝生の広い平地や、海沿いに長く続く高い防潮堤の土手が組み込まれている点が特徴だ。
特に、土手を活用したロングキャンバーセクションは難所として知られ、選手たちを苦しめた。そこから斜面をS字に下る「アドバンスキャンバー」は2箇所設けられ、ほぼ360度ターンとなる下りの進入時には、スピードを落とさなければ転倒は必至。多くの選手が重点的に試走を重ねる姿が見られた。
また、土手に上るロング階段セクションも、わたりラウンドの名物セクションだ。選手たちは、テクニックだけでなく、フィジカルの強さも試される。
大会当日は、シクロクロスレースとしては気温が高く、海沿いの風は徐々に強まるコンディション。路面は完全にドライで、踏み固められた路面からは土埃が舞い上がるほどだった。
エリート女子:小林あかりが圧倒的な強さで勝利
13時、エリート女子のレースがスタート。全日本チャンピオンで現在ポイントリーダーの小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)をはじめ、15名の選手が出場した。
スタート直後から小林が圧倒的な力の差を見せつけ、後続を引き離す展開に。ファーストラップを終えた時点で、2位との差は45秒以上と大きく開いた。
小林を追うのは、大蔵こころ(早稲田大学)、竹村舞葉(SHIDO-WORKS)の順。小林はその後も後続との差を広げ続け、圧勝でレースを制した。2位には大蔵、3位には竹村が入り、フルラップ完走者は3名という結果となった。
エリート男子:沢田時が独走で今季3競技目となる優勝
14時、エリート男子のレースがスタート。初戦の土浦ステージで優勝した副島達海(大阪産業大学)は関西シクロクロス出場のため、2位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は海外遠征中のため不在となったが、70名の選手が出走した。
スタート直後から、初戦で3位に入っている優勝候補の沢田時(宇都宮ブリッツェン)が積極的にレースをリード。ファーストラップで鈴木来人(OnebyESU-ICV)とともに抜け出し、2位集団に10秒程度の差をつけた。3位には加藤健悟(臼杵レーシング)がつけていく。
3周目、鈴木にメカトラブルが発生。沢田が独走態勢に入ると、「今日は自分を追い込むことに集中したい」と語った言葉通り、脚を緩めることなくリードを広げ続け、独走でフィニッシュ。見事優勝を果たした。
2位争いは、メカトラブルでバイクチェンジを余儀なくされた鈴木と加藤による一騎打ちに。しかし、残り2周で加藤が遅れをとる。その後ろでは、小坂光(Utsunomiya Lux)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、野中秀樹(ホダカファクトリーレーシング)らが追い上げる展開となった。
結果は、2位に鈴木、最終周に加藤をパスした小坂が3位に入った。
沢田時コメント「サポートしてくださる皆様のおかげ」
今回の勝利で沢田は、今季参戦しているロードレース、マウンテンバイク、シクロクロスの全競技で優勝を達成した。
沢田はレース後、「スタート前にも言ったが、今日はレース展開などをあまり考えず、とにかく攻めていこうと思っていった。実際、3周目まで鈴木来人選手がピッタリついてきていたが、その存在もあまり気にせずに攻めていき、結果的に独走になってからも自分を追い込むことができた。いい走りができたと思う。全日本選手権に向けて大事なステップと思って臨み、シケインもバニーホップでクリアできていたと思う。これで2024年は、ロードレース、マウンテンバイク、シクロクロスと、3つ競技のシリーズで優勝をすることができ、それはひとえにサポートしてくださっている方々のお陰。恵まれた環境にいるということを実感する。11月に入って大事なレースが続くので、これを弾みに優勝し続けて、全日本選手権に繋げていきたい。」とコメントした。
リザルト
エリート女子(WE1) 3km×6周
1位 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) 52m04s
2位 大蔵こころ(早稲田大学) +5m14s
3位 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) +6m25s
4位 小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK Trading・ラバネロ) -2Laps
5位 林口幸恵(Gufo cycleworks)
6位 須藤むつみ(Ready Go JAPAN) -3Laps
7位 山崎裕子(Champion System Japan Test Team)
8位 安藤沙弥(SHIDO-WORKS)
9位 原睦(Team CHAINRING)
10位 小林慧美(SUBARU Cycling Team) -4Laps
エリート男子(ME1) 3km×9周
1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) 1h00m31s
2位 鈴木来人(OnebyESU-ICV) +1m36s
3位 小坂光(Utsunomiya Lux) +1m56s
4位 加藤健悟(臼杵レーシング) +2m05s
5位 野中秀樹(ホダカファクトリーレーシング) +2m14s
6位 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) +2m23s
7位 宇賀隆貴(SHIDO-WORKS) +3m02s
8位 千田尚孝(自転車村R) +3m16s
9位 兼子博昭(スワコレーシングチーム) +3m24s
10位 三宗広歩(TEAM TAMAGAWA) +3m42s
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- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ編集部 文:相原晴一朗 写真:宇都宮ブリッツェン
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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