宇都宮ブリッツェンに小野寺・岡が復帰! 2025年は地元回帰と新監督
Bicycle Club編集部
- 2024年12月13日
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宇都宮ブリッツェンは12月12日(木)、2025年シーズンのチーム体制を発表した。創設17年目となる来シーズンは、元ブリッツェン選手の鈴木真理氏が新監督に就任。岡篤志、小野寺玲ら“ブリッツェンファミリー”の復帰に加え、下部組織ブラウブリッツェン出身の秋元碧が加入するなど、12名体制で「ONE TEAM ONE DREAM」という新たなスローガンのもと、悲願の全日本選手権ロードレース制覇と地元開催の宇都宮ジャパンカップでの勝利を目指す。
大所帯となったブリッツェンファミリー
2025年シーズンはチーム創設17年目を迎え、過去最多となる12名体制で戦う。新加入選手は岡篤志(JCLチームUKYO)、小野寺玲(ヴィクトワール広島)、秋元碧(京都府立北桑田高校)の3名。
継続選手は谷順成(キャプテン)、フォン・チュンカイ(台湾)、沢田時、坂井洋、ルーベン・アコスタ(コロンビア)、武山晃輔、貝原涼太、花田聖誠、菅野蒼羅の9名。
また先日発表があった、イェシッド・シエラ(コロンビア)と本田晴飛が他チームへ移籍。2年間監督を務めた西村大輝氏もほかのチームへと移籍し、今シーズンさいたま佐渡サンブレイブで監督を務めていた鈴木真理氏が新たに監督に就任した。
新加入選手、それぞれの決意
新加入選手については、岡は今年ツール・ド・熊野で総合2連覇を果たすなど「日本のトップ選手の一人」(廣瀬GM)として、チームのエースとして勝利に貢献することが期待されている。日本のトップチームであるJCLチームUKYOからの移籍は、廣瀬GM曰く「簡単な交渉ではなかった」とのことだが、ブリッツェン側からの熱烈なオファーと、岡自身もエースとして活躍できる環境を求めていたことが合致し、実現に至った。
秋元については、廣瀬GMが「自分の息子みたいな感覚」と語るほど思い入れが強く、地元出身の若手選手を育成し、トップチームに昇格させるという、ブリッツェンの地域密着型のチーム運営を象徴する存在として期待されている。今年のインターハイ団体優勝、近畿ロードレース優勝など輝かしい実績を持つ秋元は、チーム最年少としてフレッシュな風を吹き込むとともに、地元への貢献にも意欲を見せている。
小野寺の復帰は、廣瀬GMが当初は想定していなかったという。しかし、小野寺が難病を患い苦しんでいることを知り、「彼を放っておけない」という思いから、チームとして支えていくことを決断。小野寺は「選手としてはほぼ無価値に近いような状態」としながらも、チーム復帰への感謝と、再びレースで活躍する姿をファンに見せたいという強い決意を表明した。
継続選手、チームの中核を担うベテランと若手の融合
継続選手の谷は「この2年間で感じたことは、チームの選手たちに力があっても、一つにまとまらないとなかなか勝利に結びつかないということです。新加入選手は皆、宇都宮にゆかりのある選手なので、すぐにチームに馴染み、レーススタートからしっかりと結果を出していけると思っています。来季もキャプテンとして、チームをまとめて勝利に導きます。そして、全日本選手権と宇都宮ジャパンカップのタイトル獲得を目指します」とキャプテンとしてチームをまとめ、結束力を高める重要性を強調。
沢田は「今年は30歳という節目の年でしたが、マウンテンバイクとロードレースの両方で良いシーズンを過ごすことができました。特に新城ロードレースでの優勝は、チーム一丸となって掴み取った勝利だったので、とても印象に残っています。来年も全日本とアジア選手権の連覇、そしてロードレースでもさらに勝利を重ね、三刀流選手として活躍していきたいです。海外のグラベルレースにも挑戦したい」とロードレースの全日本選手権優勝を目標に掲げた。
フォン・チュンカイは「今年は怪我で大変な時期もありましたが、ジャパンカップで初完走を果たし、台湾選手権で2冠を達成するなど、後半戦は良い形で締めくくることができました。来年は岡選手が加入し、鈴木監督が就任するなど、チームとしてさらに強くなれると期待しています。チームに貢献できるよう頑張ります」とコメント。
菅野は「今年は初めてのプロチームで、はじめは集団走行の強度やスピードに慣れず、チームに貢献できる走りができませんでした。しかし、佐木島ロードレースでは集団前方で走り、チームオーダーもこなすなど選手として成長することができた。全日本選手権アンダー23では優勝という目標でしたが、タイムトライアルで4位とはとても悔しい思いをしました。来年も全日本選手権アンダー23での優勝を目指し、チームの勝利に貢献できるよう頑張ります」と語った。
武山は「今年は地元を離れての生活で最初はストレスを感じましたが、レース活動だけでなく地域貢献活動にも参加することで、人間的にも成長することができました。来年は全日本選手権、そしてツール・ド・九州、ジャパンカップなどのUCIレースで結果を残したいです。地域の方々に応援してもらえるような活動も積極的に行っていきます」と抱負を述べた。
花田は「今シーズンは落車による怪我もあり、Jプロツアーで表彰台を逃したり、UCIレースであと一歩のところでポイントを獲得できなかったりと、不本意なシーズンでした。来シーズンは肉体改造にも取り組み、チームのムードメーカーとして、変わった花田聖誠を見せられるように頑張ります」と決意を新たにした。
坂井は「来シーズンはブリッツェンのジャージを着てトラックレースにも挑戦します」と新たな目標を掲げた。
貝原涼太選手は「今年は競輪選手としてデビューし、ブリッツェンでは地域活動やシマノ鈴鹿ロードレースなど多くの経験をさせていただきました。来年もチームに貢献できるよう頑張ります」と語った。
鈴木新監督「日本一魅力あるチームを目指す」
鈴木新監督は、ブラウブリッツェン時代からの教え子である秋元、菅野らと共に戦う喜びを語り、「日本一強いチーム、魅力あるチーム」を作りたいと抱負を述べた。全日本選手権、宇都宮ジャパンカップでの勝利を目標に、選手一人ひとりの能力を最大限に引き出し、チーム一丸となって戦うことを誓った。
柿沼社長「地域密着の理念を改めて共有」
柿沼章社長は挨拶で、「我々はどこまで行ってもローカルのチームであるという認識を改めて共有した」と地域密着の理念を強調。プロチームとしてレースでの勝利を目指す一方で、その活動が社会の中でどのような価値に繋がるのかを選手と共に考え、地域貢献にも力を入れていく姿勢を示した。
廣瀬GM、鈴木新監督への期待と西村前監督への感謝を述べる
廣瀬佳正ゼネラルマネージャー(GM)は、2年間チームを率いた西村監督の尽力に感謝を述べつつ、チームの若返りと強化を図るため、経験豊富な鈴木新監督にバトンタッチすることを説明。鈴木氏の豊富な経験と育成能力が、若手選手の成長とチーム全体のレベルアップに不可欠だと判断したと述べた。
スローガン「ONE TEAM ONE DREAM」に込めた思い
廣瀬GMは、2025年シーズンのスローガン「ONE TEAM ONE DREAM」に込めた思いを説明。選手、スタッフ、スポンサー、そしてファン、地域住民など、チームに関わる全ての人々の思いを一つにし、大きな夢に向かって進んでいきたいという強い決意を示した。
2025年シーズン:東京クリテリウムで開幕、ツール・ド・台湾へ
チームは2月16日の東京クリテリウムでシーズンイン。3月のツール・ド・台湾出場を皮切りに、JBCFの真岡芳賀ロードレース、宇都宮清原クリテリウムなど、地元レースでも活躍が期待される。廣瀬GMは、その他のアジアレースへの出場についても前向きな姿勢を示し、まずはツール・ド・台湾での好成績を目指すとした。
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