まんが家のサイクルファッション事情|夏福のゆるポタコミックエッセイ vol.9番外編
Bicycle Club編集部
- 2024年12月28日
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「ロードバイクと出会ったことで、在宅ワークのひきこもりから解放された」というまんが家・夏福さん。人気コーナー「夏福のゆるポタコミックエッセイ」を連載するほどだ。ここではロードバイクを購入したばかりのころに起きる悩みや気付きを、夏福さんの実体験をもとにお届けする。
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サイクルウェアを模索
ロードバイクでの服装といえば上下ピタピタのレーシーなウェアですよね。
誰もが初心者の頃に抵抗があるあの服です。
サドルが硬いスポーツバイクに乗る時には股部分にクッションがついているレーサーパンツ、通称「レーパン」が必要なことは知っていたため、ロードバイク購入が決まった段階でネットで激安レーパンを購入しておきました。
快適な「わんぱくスタイル」
ただ、それ1枚で乗るにはあまりにも抵抗があったのでハーフパンツも購入し重ね着、上半身は手持ちのパーカーを着ることに。
ハーフパンツを履いているとはいえ下半身がより太い私はこれまで足が出ないゆったりとした服装以外考えられなかったので最初はモジモジしたものの、その動きやすさにハマりました。今ではすっかり慣れ、自転車やウォーキングといった体を動かす時にはもちろん、買い物やちょっとしたお出かけだったらハーフパンツ+スパッツで行動するようになっちゃいました。
我が家ではそれを「わんぱくスタイル」と呼んでいるのですが、日常生活がそれで快適に過ごせてしまうためわんぱくスタイルの服ばかりが増えていき、予定が入るたびに「どうしよう、わんぱくスタイルの服しかない!!!」「服を買いに行く服がない!」と焦ることになりそこだけは困っています。
専用ウェアが必須と思い込んでいた……
上半身に関しては初期からずっとサイクルジャージは着ていませんが(1枚だけ持ってはいます)、自転車に乗っている時の汗問題で何度か失敗し試行錯誤した結果、夏も冬もまずは速乾性重視になりました。
夏の不快感はもちろん、冬の汗冷えのなんと辛いことか。スポーツ用インナー、スポーツウェアや速乾シャツを着用。私は早く走ることを目的としてはいないので空気抵抗とかは問題ないです。
とはいえ一時期「ロードバイクに乗っているのだから自転車専門のものを着ていなければならないのではないか」と思い込んでサイクルジャージを着ていない自分は初心者から脱せていない奴…と思っていたこともあったんですよ。ロードバイクの情報をほぼネットで得ていたので、SNSとかネットを見てると「そうあるべき」みたいに思い込んじゃうことってあるじゃないですか。そんな感じで。
それの流れでウィンドブレーカーやダウンといったアウターも専用じゃなきゃダメだよね…なんて思っていた時にたまたま、尊敬している先輩ローディーにどのメーカーのアウターを着ているのか聞く機会があって「私?〇〇〇〇だよ!(有名量販店)」とあっさり返され〝なければならない〟に縛られていた私は「専用じゃなくてもいいんだ…!!!!!」と目から鱗が落ちました。細かいことを気にしすぎなんですよね私。
風でバタバタするのでフードがついていないもの、脱いだ時にサドルバッグに収まる嵩張らないものなど条件はありますがこちらも問題なく使用しています。
”人それぞれ”に落ち着いた
余談ですが、この〝なければならない〟という思い込みで服装以外でも悩んだことがあって、それは「ロードバイクに乗っているのだから〝もっと早く走れるようにならなければならない〟〝もっと遠くに行けるようにならなければならない〟〝もっと高く登れるようにならなければならない〟」と、最初はどんどん距離や獲得標高が伸びて行くたびに嬉しくなって楽しんで走っていたはずが、数年経った頃に「もっと頑張らないと」と勝手に自分で自分を追い込んで苦しくなったことがあったんですよね。まあ色々あって、人それぞれの楽しみ方がある。に落ち着いたんですが。楽しまなくてどうする~。
アイウェアに悩む
ロードバイクのウェア問題ともうひとつ、乗りたての頃に悩んだのがアイウェア。ローディーといえばビシッとスポーツ用のアイウェアをつけているイメージが強いですよね。私は近視なので普段はメガネ、出かけるときなどはコンタクトをしています。
ロードバイクに乗り始めた頃は毎朝練習をしていたので、そのたびにコンタクト(使い捨て)を入れるのは勿体無いとメガネで走っていたのですが、朝日が目に差し込んで辛い。そこでアイウェアが必要だなと調べるも、度入りのものはとんでもなくお高くとても手が出ません。
レンズが湾曲しているとお値段がグンと上がるようで、それならば比較的安価なカラー入りレンズのスポーツ用メガネにしようかとも思ったのですが、ずっとカラーが入りっぱなしだとトンネルや夜間に問題が出るのでは…それならばたまにおじさんがつけているような既存のメガネに取り付けられる跳ね上げタイプのサングラスか?それはちょっと、いやだいぶ嫌だ。
悶々と悩みながら調べていたら、メガネの上からカポッと重ねて装着するオーバーサングラスなるものがあると知りました。メガネフレームのサイズや材質によって制限があるものの、ギリギリ私のメガネでも使えるものを発見し即ネットで購入。しばらくは毎朝の練習にはオーバーサングラス、週末の遠出には安物のアイウェアとコンタクトと使い分けていました。ただオーバーサングラスも見た目はいいとはいえませんし、サイドが見づらいのと毎朝乗らなくなったため使わなくなりましたが…。
シールド付きヘルメットで悩み解決!
アイウェアも鼻が低いため合うものがなかったり、まつ毛の汗やマスカラがレンズに付いて汚れるなど問題がありいまいちだったんですが、ヘルメット買い替えの時にシールド付きのものにしたところこれがまあ快適で悩みも解決。鼻当てのところが汗やメイクでズルズルしないので、それでお困りの女性にオススメです。メガネをしたまま使えるのもポイントが高い。
スマホが使いづらい!
上はスポーツウエア、下はレーパンにハーフパンツ。この形で数年落ち着いていたロードバイク生活にひとつ問題が出てきてしまいました。それは「頻繁にスマホを使用する」ことでした。
ロードバイクで出かけた先で風景や自転車を写真に撮ることはそれまでもあったのですが、お仕事でロードバイクのエッセイ漫画を描くようになると資料としての写真が必要になり、走っては止まり、走っては止まりと頻繁にスマホを取り出すようになったんです。最初はスマホをステムポーチに入れていたんですが、取り出す際に引っかかり落としそうになったり取り出す回数が多くポーチの口を開けるのすら億劫に…。
そんな時サイクルTシャツを初めて着る機会があり「体にフィットせずバックポケットがついていて便利」を体感した私はすっかり気に入り数枚購入。スマホは取り落とさないように首からストラップを装着。夏はこれでいけたのですが問題は冬で、長袖のサイクルTシャツやジャケットがなかなか無く、あっても高額。スポーツウエアで代用しようにもバックポケットが付いているものなんてまず無い。ウエストのあたりに普通のポケットはあってもスマホを入れると漕いだ時に足に当たったり、そもそもスマホを入れるゆとりが無かったり。せめて胸ポケットが付いているスポーツウエアがあれば…ポケット縫い付けちゃう?それともベルト状のスマホホルダーを作る?無理があるか…やはり冬はサイクルジャージにするしかないのかな…と悩んで数年、いいものを見つけました。
スマホのためにベストな解決策は・・・ベスト!
工事の現場仕事などで見かける多機能ベスト!(トレランベストでも可)あのポケットがたくさんついているやつです。ものによってはバックポケット付きのものもあります。その中でも夏用の全面メッシュで通気性がよく軽いものがとてもいい。冬のスポーツウエアの上にも、なんなら夏でも普通のTシャツで使えます。これが私の自転車スタイルにピッタリだったんです。
ただとにかく見た目がダサい。どんどんスポーティーから遠ざかっていきますが、この辺りで「私は早く走るローディーではないのだからいっか」とだいぶ吹っ切れました。自転車自体も軽くすることよりいかに荷物を積めるかの方が興味があるので、旅系というにはおこがましいにしてもゆるポタうろちょろ系ローディーとして楽しくやってます。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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