
ユニークなローカルたちに会いに行く!国東半島の自転車旅(前編)

Bicycle Club編集部
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大分県北東部の国東半島には、魅力的な営みやユニークな人がいっぱい!
観光から一歩踏み込んだローカルフッドという旅スタイルで、国東半島のコミュニティを訪ねてみよう。
▼「国東半島の自転車旅(後編)」はこちらから
自転車でコミュニティを巡り、地域とのつながりを体感する
大分県といえば、温泉の聖地!
そんな大分県が今、自転車フィールドとして脚光を浴びているのはご存知だろうか。県内の各エリアにユニークなサイクルガイドが存在し、それぞれの地域や得意のフィールドで独自の体験を提供しているのだ。別府や湯布院といった温泉エリアを巡るのは鉄板だけれど、今回は「観光地をなぞるだけでは物足りない」というサイクリストたちに向け、大分県北東部に位置する国東半島を巡る。
国東市、豊後高田市、杵築市、日ひ出じ町まちで構成される国東半島には、1300年の歴史を誇る六郷満山という独自の神仏習合文化が存在する。半島最高峰の両子山を中心に6つの郷(来縄、田染、伊美、安岐、武蔵、国東)が点在し、それぞれの郷にさまざまな寺院が築かれている。それらを総称して六郷満山といい、国東半島独自の文化遺産として名高いが、今回の旅の主役は山岳信仰でも寺院でも石仏でもなく、集落に暮らすユニークな人々。ナビゲーターを務めるのは、国東半島在住のフォトグラファー、谷知英さんだ。国東半島を旅するなら、自転車が最適のツールと言う谷さんは、「クルマでは通り過ぎてしまう小さな集落にこそ、面白い人や営みがある。自転車を使ってここにしかない出会いを作っていきたい」。国東に生まれ、育ったローカルとして、地元の歴史や文化、ユニークなコミュニティと、県外から訪れる人をつなぐツアーやイベントを企画している谷さんは、地元に眠っている価値を掘り起こすインタープリターの役割を担っているといえそうだ。それではさっそく、谷さんのとっておきの人と、コミュニティを案内してもらおう。

郷土を知り、暮らしに触れる、ローカルが語る物語に耳を傾けて
今回の旅では、大分空港を起点として半島を時計回りに周回するルートを1泊2日で走る。初日、国東市サイクリングターミナル(道の駅くにさき内)を経て向かったのは、大分のサイクルコミュニティのキーパーソンで、サイクルガイドとして活躍する藤野昌宏さん。自転車を通して大分の魅力を国内外に発信したいと、生まれ故郷の日出町で、サイクルツアーおよびレンタサイクルを提供する「オオイタサイクルツアー・リング(輪)」を営む。藤野さんに案内してもらったのは、城下町の風情をいまに伝える日出町中心部の街並み。二の丸館、藩校時代の名残をそのまま留める致道館、立派な石垣に囲まれた日出城址……のんびりと自転車で巡りながら、地域への想いやサイクルツーリズムの可能性について語ってもらった。

自転車という身近なツールを通じてさまざまな人とつながり、世界が広がった体験から、「気が付けばどっぷり、自転車の世界にハマっていた」という藤野さん。自身の経験を踏まえ、訪れる人の世界が広がり、好奇心を刺激し、新たな発見をもたらすようなツアーを意識しているそう。キラキラとした海を眺めながらのんびり走る海岸線、山岳信仰の濃密な気配を感じさせる両子山周辺の険しい山道……、国東エリア全域を走り込んでいるからこその知識と経験で、他では味わえない風景やルートを選定。サイクリストの走力やリクエストに応じて案内している。「自転車の旅には、より長い距離をより速く走るという楽しみ方とは別に、人や知られざる風景との出会いを楽しむという魅力があります。国東では、他の町では味わえないディープなひとときをサドルの上で味わえるはずです」


本と緑茶と古民家と
藤野さんに別れを告げ、日出町から一路、杵築市の山間へ向かう。目指すは、山香という町にあるゲストハウス「山香文庫」だ。営むのは、首都圏から移住してきた鯨井結理さんと牧野史和さんのカップルで、谷さん曰く「移住者の視点でエリアの魅力を切り取り、その良さを日常の暮らしの中で表現している」。案内されたのは、築150年の古民家をリノベした建物で、居心地良くしつらえた邸内では、名前の通り、膨大な書籍に囲まれて非日常のひとときを過ごせるとか。ウェルカムドリンクとして提供されたのは、茶農家でもある牧野さんが自ら栽培したという緑茶。お茶をいただきながら、二人の話に耳を傾ける。


山歩きが好きな鯨井さんは天然酵母のベーカリー「ヒビノ」で働きながら屋外ライフを満喫し、東京でコンテンポラリーダンサーとして活躍していた牧野さんは、自然農の茶栽培に携わりながらダンスを教え、茶染めのアート作品を制作し……と、二人ともが国東らしいライフスタイルを満喫中だ。山香というネーミングに惹かれてここでの暮らしを始めた二人、国東に来た背景はそれぞれながら、この集落での暮らしの魅力を「山々に囲まれた集落の風景と、人と生き物の営みの近さ、地に足のついた暮らし」と語る。「山香文庫」での滞在は、そんな二人の日常に友人として招き入れられたような錯覚を覚えるから不思議だ。

国東半島の自転車旅にまつわる情報はこちらから
Cycling OITA
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集:Bicycleclub 文:倉石綾子 写真:小金丸和晃
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