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ユニークなローカルたちに会いに行く!国東半島の自転車旅(後編)

大分県北東部の国東半島には、魅力的な営みやユニークな人がいっぱい!
観光から一歩踏み込んだローカルフッドという旅スタイルで、国東半島のコミュニティを訪ねてみよう。

▼「国東半島の自転車旅(前編)」はこちらから

ユニークなローカルたちに会いに行く!国東半島の自転車旅(前編)

ユニークなローカルたちに会いに行く!国東半島の自転車旅(前編)

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国東の恵みを味わう、心温まる「まめのもんや」のひととき

翌日は山香から山道を走って、一路、国東半島北西部を目指す。途中、「国東の食材の良さを体感してほしい」と、谷さんが予約してくれたお弁当を受け取りに「まめのもんや」というカフェに立ち寄った。自家焙煎コーヒーと焼き菓子を提供するカフェで、オーナーの村上しのぶさん、夫で、焙煎担当の淳也さん、看板犬のカマンが出迎えてくれた。予約制のお弁当や食事は、旬の地場食材が自慢で、「近隣に自然栽培や自然農を実践する生産者がいらっしゃるので、彼らの食材を取り入れています」と村上さん。びっくりするほど味の濃いダイコン、歯ごたえの良いオクラなど、食材の滋味深さに舌を巻く。玄米おにぎりに混ぜ込まれている塩漬けは、なんとローゼル!

こちらも近隣で栽培されているものとか。村上さんの言葉の端々から食材や生産者への深い思いが感じられて、何とも豊かな気持ちになる。食にこだわるということは、食べる物へ愛情を注ぐことなのだと、「まめのもんや」のお弁当は教えてくれる。

国東半島が誇る食材に出合えるカフェ「まめのもんや」で、オーナーの村上さん夫妻と。食事・お弁当は予約制で提供。昨年、カフェに隣接する古い納屋を改装した、一棟貸切の宿をオープン
「まめのもんや」のお弁当には、季節ごとの旬の食材が満載! 野菜も玄米も漬物も、噛み締めるほどに滋味深い

夕景スポットとして知られる真玉海岸で落ち合ったのは、サイクリストの黒木宗昭さん。谷さんが主催した自転車イベントに参加して以来、交流が生まれたとか。一昨年の秋、中津市に自身のショップ、「レイジング・ブル」を開いた黒木さんは、ニューヨークの「ブルックリンマシンワークス」でキャリアを積んだメカニック。国東半島にはスポーツバイクのメンテナンスを請け負うスポットがなく、サイクリストは大分市まで出向かなくてはいけなかった。近年、宇佐市、中津市、豊後高田市の高校生サイクリストたちによるコミュニティが盛り上がっており、ピストやBMXの遊び方が次世代に広まりつつある。「レイジング・ブル」は、そうした国東半島周辺のサイクル事情に応えるものだ。

「国東半島には、クリス・キングが主催していた『グルメ・センチュリー・ライド』のような自転車の楽しみ方がフィットすると思っています。ただのロングライドではない、土地の風土や文化を仲間と共に分かち合うような体験です。人と人を繋げ、豊かな遊び方をサポートするサードプレイスとして機能するような、サイクリストの溜まり場として愛されるショップを作っていきたいですね」

絶景に信仰、アートも! 国東半島で見つけた特別な瞬間

国東半島ならではのどこかミステリアスな雰囲気は、アーティストやものづくりの担い手にも注目されている。半島の北端にあって別府や宇佐といった街から遠く、「秘境」とも呼ばれる国見町に、近年、アーティストたちが移り住み始めているらしい。谷さんが案内してくれたのは、中という集落の森の中にある小さなビレッジ。施設内にはアトリエのような小さな建物と屋外アートが点在している。ここは「アトリエジュン」――谷さんのアート活動のパートナーにして良き理解者でもある、メタルアーティストの秋本順子さんが自ら切り開いた、プライベートビレッジである。

中集落のクヌギ林に惚れて何十年も前に移住してきた秋本さんが切り開いた「アトリエ Jun」。今秋、「国東半島芸術文化祭」を開催予定だ

創作を行うアトリエとして、時にギャラリー、あるいはアーティストインレジデンスの拠点として、様々な役割を果たす「アトリエジュン」では、昨年、谷さんとの共催で「ナカノモリ芸術祭」が開催された。10年前に実施された「国東半島芸術祭」では海外著名アーティストによる、大規模な作品が制作されたものだが、秋本さんがここで発信するアートとは、「特別なものでなく、日常の中でふと心を動かされる瞬間や、それをもたらす美しさのこと」という。秋本さんは現在、大切に慈しんできたこの森を通して、暮らしの中にアートが息付く国東の日常を次世代に継承しようと奮闘中だ。こうした会話の後では、目にする風景のすべてがキラキラ輝いて見えるものだが、暮らしとアート、自然がシームレスに共存するのも国東半島らしさと言えるだろう。

道中、国東半島らしい石仏群や修験の舞台を目にしながら、海から山へ、そしてまた海へと走り抜けた1泊2日。早朝、目にする雲海。海の幸、山の恵み。ライド後の温泉、そしてサイクリストを迎えてくれる人々のリアルな物語。ここには誌面では語り尽くせないほどの魅力が眠っている。巡る人の数だけ新たなつながりがもたらされ、発見がある国東へ、自分だけの宝物を探しに出かけよう。

300体以上の仁王像が点在する国東半島。都甲八幡社の仁王像は電話をかけているような阿形、聞き耳を立てている吽形の造形がユーモラス
長岩屋川の中にそびえる巨岩に刻まれているのは不動明王。「川中不動」は高さ3.7mの大迫力! 神仏習合発祥の地である国東らしいスポットが随所に
夕暮れの真玉海岸を、メカニックの黒木さんとライド。愛車はもちろん、「ブルックリン・マシン・ワークス」。「修理、販売からパーツ取り寄せ、イベント開催まで、『地域密着型の自転車なんでも屋』として幅広く展開していきます」という黒木さんは、これからの国東半島の自転車シーンを牽引してくれそう

国東半島の自転車旅にまつわる情報はこちらから
Cycling OITA

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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