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Jプロツアー開幕戦、ベテラン39歳のトリビオが貫禄勝利|鹿屋肝付ロードレース

2024年2月22日(土)、鹿児島県鹿屋市と肝属郡肝属町の鹿児島県立大隅広域公園周辺特設コースで、「かごしま国体開催記念 JBCF 第3回 鹿屋・肝付ロードレース」が開催された。国内最高峰の自転車ロードレースシリーズ「Jプロツアー」の開幕戦を飾るこのレースは、149.5kmの激闘の末、ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)がトマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス)とのマッチスプリントを制し、優勝。プロリーダージャージを獲得した。

風光明媚なコースと、地域一体となった熱狂

レースの舞台となったのは、大隅半島の豊かな自然に囲まれた特設コース。スタート/フィニッシュ地点から選手たちを迎えるのは、地元・鹿屋市の銘酒「大海」で知られる大海酒造株式会社の名を冠した「大海酒造コーナー」。ここを右折し、県道561号(上川内串良線)に入ると、ビニールハウスが点在するのどかな田園風景が広がり、遠くには高隈山系の山並みも望める。

コース中盤には、肝付町の介護施設「スマイルサポート」にちなんだ「スマイルサポートコーナー」から始まる登り区間が待ち受ける。短いながらも最大勾配7~8%の坂は、アタックポイントとなり、選手たちの脚を削る。登り切った先には、大隅半島最大の屋内人工芝コートを備える「大隅アリーナ21」がそびえ立ち、その脇を抜けるヘアピンカーブは、高度なコーナリングテクニックが要求される。

一見平坦基調に見えるこのコースだが、細かなアップダウンが連続し、風の影響も受けやすい。特に、海に近い県道561号線や、大隅アリーナ21付近では、風向きが頻繁に変わり、レース展開を大きく左右した。

今大会は、地元住民の協力なしには実現しなかった。コースの清掃は、公園の職員が2ヶ月間かけて行ったという。沿道には、手作りの応援グッズを持った地元住民や、熱心な自転車ファンが詰めかけ、選手たちに温かい声援を送った。

激しいアタック合戦、そしてスプリント勝負へ

先頭に並んだのは地元チームのシエルブルー鹿屋

Jプロツアーのレースは、チーム発足10周年を迎えた地元チームのシエルブルー鹿屋を先頭に、12時15分にスタート。昨年よりも3周回多い23周回、総距離149.5kmで争われた。

Jプロツアーデビューとなった橋川丈(愛三工業レーシングチーム)

レースは、スタート直後からアタックと吸収が繰り返される、激しい展開となった。シエルブルー鹿屋の選手たちはもちろん、各チームのエース級選手たちが、積極的に前に出てアタックを繰り返し、主導権を握ろうとした。

石原悠希(シマノレーシング)、織田聖(マトリックスパワータグ)、柴田雅之(ヴィクトワール広島)、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)の5名の逃げ集団

8周目には、石原悠希(シマノレーシング)、三浦一真(チームブリヂストンサイクリング)、織田聖(マトリックスパワータグ)、柴田雅之(ヴィクトワール広島)、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)という6名が逃げを形成するが、11周目には集団に吸収。12周目には集団が分断し、13周目には入部正太朗(シマノレーシング)、森田叶夢(京都産業大学)、新城雄大(キナンレーシングチーム)という3名の逃げが形成される。

入部正太朗(シマノレーシング)、森田叶夢(京都産業大学)、新城雄大(キナンレーシングチーム)という3名の逃げが形成

その後、山本元喜(キナンレーシング)の単独追走や、ヴィクトワール広島を中心としたメイン集団のコントロールなど、目まぐるしく展開が変わる。18周目には孫崎大樹(ヴィクトワール広島)、中村圭佑(ヴィクトワール広島)、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス)、渡辺一気(京都産業大学)という4名が先頭集団に合流し、ヴィクトワール広島、キナンレーシングチーム、京都産業大学が有利な状況となる。

単独で逃げへのブリッジを試みる山本元喜(キナンレーシングチーム)
ヴィクトワール広島が中心となって逃げを追走する
追走が合流し先頭集団は6名に

しかし、ここからさらにホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)と山田拓海(シマノレーシング)が先頭に合流し、先頭は8名に。22周目には山田と中村が脱落し、先頭は6名となる。

先頭を追うホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)と山田拓海(シマノレーシング)、香山飛龍(シマノレーシング)
最終周に入ることには先頭は再び6名に

最終周回、牽制が入る中で、ルバが飛び出し、トリビオが合流。勝負はこの二人のマッチスプリントへ。残り200mでスプリントを開始したトリビオが、ルバを寄せ付けず、力強くフィニッシュラインを駆け抜けた。

先行するホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)
優勝したホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)

39歳のベテラン、トリビオが貫禄の勝利

監督のおかげだと安原昌弘監督の腕を指差すホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)

 

昨年の12月に39歳の誕生日を迎えたJプロツアー13年目のトリビオは、昨年の真岡芳賀ロードレース以来の勝利。過去3度のJプロツアー年間総合優勝を誇るベテランが、再びプロツアーリーダージャージに袖を通すこととなった。

プロツアーリーダーのホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)とネクストリーダーの渡辺一気(京都産業大学)

23歳未満の個人総合首位に送られるネクストリーダージャージは渡辺一気(京都産業大学)が獲得した。

敢闘賞を獲得した森田叶夢(京都産業大学)

敢闘賞には森田叶夢(京都産業大学)、鹿児島県にゆかりある選手の最上位に贈られる鹿児島賞は南大隅高校・鹿屋体育大学出身で12位に入った冨尾大地(シマノレーシング)が獲得。特別賞(鹿屋市長賞)は積極的なレースを見せたヴィクトワール広島が獲得した。

鹿児島賞を獲得した冨尾大地(シマノレーシング)
特別賞(鹿屋市長賞)は積極的なレースを見せたヴィクトワール広島

リザルト

1位 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン) 3h27m32s
2位 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム) +01s
3位 渡辺一気(京都産業大学) +15s
4位 新城雄大(キナンレーシングチーム) +17s
5位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島)
6位 入部正太朗(シマノレーシング) +19s
7位 山田拓海(シマノレーシング) +56s
8位 内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム) +1m58s
9位 日野泰静(ヴェロリアン松山) +1m59s
10位 安原大貴(マトリックスパワータグ) +2m04s

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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