
富士山を背景に熱戦の初日、女子レースと予選が開催|富士山サイクルロードレース

せいちゃん
- 2025年03月02日
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3月1日(土)、静岡県静岡市清水区の静岡県航空協会富士川滑空場において「富士山サイクルロードレース2025」の初日が開催された。女子レースと富士クリテリウムチャンピオンシップの予選が行われ、国内トップクラスの選手たちが富士山を望む特設コースで熱戦を繰り広げた。
富士川滑空場が舞台の特設コース

3月1日と2日の2日間にわたって開催される「富士山サイクルロードレース2025」の初日となる1日は、静岡県静岡市清水区の富士川河川敷にある静岡県航空協会富士川滑空場を舞台に実施された。富士川滑空場は日本国内でも有数のグライダー飛行場として知られており、南に駿河湾、北に富士山が見える雄大な景色に囲まれた場所に位置している。
最高気温19℃の晴れで天候にも恵まれたこの日は富士山をはっきりと望むことができた。コースは全長850mの滑走路を利用した1周1.5kmの特設周回コースとなっている。周囲に建物がなく吹きさらしの環境であるため、海からの強風が吹くと選手たちは大きな影響を受けるコースレイアウトとなっている。
チーム楽天Kドリームスが女子レースを席巻

この大会の最初のレースとなる女子レースは10時30分にスタートした。1周1.5kmのコースを12周する全長18kmで競われた。女子レースは2日間のポイントの合計により順位を決定する方式となっており、合計ポイントが同点の場合には2日目の順位により決定される。13名のエントリーがあったものの、この日は大学生やガールズ競輪の選手など10名の選手がスタートラインに並んだ。


レースはスタート直後からトラックのアジア選手権から帰国したばかりのチーム楽天Kドリームス勢がレースを支配する展開となり、4周目に池田瑞紀と水谷彩奈が2人で抜け出し、後続との差をどんどんと広げていった。


最終局面は2人の勝負となり、最終周で水谷を引き離した池田が優勝。2位には水谷が入った。3位争いは3人の後続集団での争いとなり、濱口夕海(法政大学)が11周目に遅れると、岡本美咲(チーム楽天Kドリームス)と田中杏奈(順天堂大学)の勝負となり、岡本が先着。初日のトップ3はチーム楽天Kドリームスが独占する形となった。
富士クリテリウムチャンピオンシップ予選はサバイバルレースに
女子レースが終了すると、富士クリテリウムチャンピオンシップの予選が3組に分かれて順次行われた。各組1周1.5kmのコースを30周する45kmで争われた。富士クリテリウムチャンピオンシップは国内のUCIコンチネンタルチームとJプロツアーチーム、JICF(日本学生自転車競技連盟)の加盟校に所属する選手が出場できる。各予選組の上位25名が翌日の決勝に進出し、26位から45位の選手が翌日の交流戦と呼ばれるレースに出場できる形式となっている。
昨年までは、UCIコンチネンタルチームとJプロツアーチームがチームごとにそれぞれ1組目と2組目に分かれ、3組目がJICFの加盟校の選手たちによるレースという構成だった。しかし今年からはそれぞれの選手がシャッフルされる形式に変更され、チームプレイが行いにくくなり、より個々の選手の力が問われる展開となった。




1組目は序盤にチームブリヂストンサイクリングの選手が飛び出すと、それを追いかける形で最終的に10名の先頭集団が形成された。大きな争いもなくその10名は予選を通過。後続には6名の追走集団が続き、集団は残り9枠をかけたスプリントとなった。45位までが交流戦に出場できるものの、この組の完走人数は36名となった。



2組目は石原悠希(シマノレーシング)らを中心に序盤からハイペースなレースとなり、集団から大量の選手が脱落。あっという間に集団は15名にまで絞られた。コース上の選手が25名にまで減少したため、予定より早く22周で終了となった。最終的には先頭集団の15名に加え、後続で遅れた選手は必死にローテーションを回した4名と6名の集団が完走というサバイバルレースとなった。




3組目も最終的に集団は19名にまで絞り込まれ、後続は11名の集団となった。先頭が後続集団に追いつきそうになり、モトコミセールからペースを抑えるようなジェスチャーが送られる場面もあった。この組も完走者は30名とサバイバルなレースとなった。
予選を終えた時点で交流戦の出場予定者が16名と非常に少なかったこともあり、山本元喜(キナンレーシングチーム)が中心となりUCIコンチネンタルチーム、Jプロツアー、JICF加盟校の代表と大会運営側で協議が行われた。その結果、初日のレースに出場した選手は途中棄権となった選手も翌日の交流戦に出場できることが決定した。
大会2日目は富士市役所前での市街地クリテリウム
大会2日目(最終日)となる3月2日は、舞台を富士市役所前に移し市街地でのクリテリウムが行われる。大会日程と出場選手は大会公式ホームページより確認することができる。
また、YouTubeでのライブ配信も予定されており、公式YouTubeチャンネルから視聴することが可能だ。
激戦の初日を終え、最終日のクリテリウムでは更なる熱い戦いが期待される。
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PROFILE

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている