プローンスタイルからスタンドアップへ|元日本チャンピオンに教わるSUPの基本
BLADES(ブレード) 編集部
- 2019年11月25日
INDEX
腹這いで漕いでみよう(プローンスタイル)
SUPはスタンドアップパドルの頭文字をとったもの。その名が示すとおり、立ち上がってパドルで漕ぐスポーツだ。
けれども最初に覚えたい移動方法は、寝そべって手で漕ぐ、プローンスタイルのパドリングである。水面が荒れていたり、風が強すぎて立っていられないような時に、このパドリング方法で移動する。またパドルを流してしまった緊急事態においても、プローンスタイルで岸に戻ってくる必要があるので必ずマスターしておこう。
胸を反って進行方向を見る
パドルは胸に挟んで両手を空ける。胸を反って頭はなるべく下を向かないようにして、進行方向を見る。そうすることで、腕が回しやすくなる。手の平は開きすぎず閉じすぎず、力を入れずに自然と開いた状態がベスト。
ボードの中心で腹這いになる
ボードの上に腹這いになって手でパドリングするプローンスタイル。ちょうどハンドキャリーが付いているボードの中心に、おへそがくるように合わせると、バランスが取りやすい。ボードに沿って左右交互に漕いでいく。
足は閉じて力を抜いてリラックス
足は閉じる。足を開くとボードが左右に揺れて推進力が分散されてしまう。どうしても開いてしまう場合は、足首を組んでもOK。なるべく力を抜いてリラックスした状態で行おう。
肩が揺れないよう注意しながら、左右交互に漕ぐ
ボードに沿って左右交互に漕いでいく。手は前に伸ばして自然と届く辺りから入れて、お尻の横辺りまでしっかりと漕ぎきる。その際、左右の肩が上下動しないように注意。上体が左右に揺れると、スピードロスになってしまう。胸を反り、全身の力を抜いて漕ぐようにする。
座って漕いでみよう
プローンスタイルをマスターしたら、今度は座って漕いでみよう。プローンスタイルと同様に、座って漕ぐ場合も水面が荒れている時や、風が強い時に有効なテクニックとなる。またパドルを短く持つ分、細かな動きに対応しやすいというメリットもある。
岩礁等の入り組んだ所では、座って漕いだ方がボードを岩にぶつけてしまうといったトラブルを回避しやすいこともある。正座と膝立ち、両方のやり方をしっかりマスターしておこう。
正座で漕ぐときは、パドルはなるべく短く持つ
膝をハンドキャリーの位置に合わせて正座する。パドルはブレードと呼ばれる板状の部分を水に沈めて漕ぐ。そのため柄の先のグリップではなくシャフトを握り、短く持った方が漕ぎやすい。
ボードに沿って静かに漕ぐ
腕を前に出して、無理せず届く所にパドルを入れる。そのままボード際に沿って後ろに漕ぐ。しぶきを上げないようにゆっくりと漕ぐのがコツ。
膝立ちで漕ぐ際、パドルはその分少し長めに持つ
膝立ちすると、正座よりもバランスが取り難くなるものの、ストロークが大きくなり、力も込めやすくなるので、スピードがつく。膝立ちする分、パドルも少し長めに持つようにしよう。
上半身の体重を乗せて力強く漕ぐ
膝立ちした分、正座よりも前から漕ぐことができる。また腕だけではなく上半身を使って漕げるため、力強いストロークになる。
ボードの上に立ち上がろう(スタンドアップ)
いよいよスタンドアップのためのテクニック。成功のポイントは、ボードの上は不安定なため、バランスを崩さないように注意すること、それにパドルが邪魔にならないようにすること。
座った状態から両手を肩幅くらいに開いて着き、片足ずつゆっくりと落ち着いて立ち上がる。パドルは横にして両手の平で挟み、落としたり、足にぶつけたりしないようにする。最もバランスが取れやすいキャリーハンドル付近で立ち上がるようにしよう。
正しいスタンス幅はブレードの幅を目安にしよう
立つ位置はハンドキャリー付近。スタンス幅は肩幅くらい。ブレードを足の間に入れたくらいの幅が、目安となるので試してみよう。
パドルは両手の平で挟む
パドルを横にして、両手の平に挟んで固定する。そうすると立ち上がった時、すぐに正しい位置でパドルを持てる。
片足ずつ落ち着いて立ち上がる
立てない、落ちてしまう人に多いスタンス例
狭いと力が伝わらない
スタンスが狭いと踏ん張りが効きづらく、少しの揺れでバランスを崩しやすい。漕いだ力もボードに伝わりにくい。
広すぎるとグラつく
逆にスタンスが広すぎると、左右の体重移動がボードに伝わり過ぎて、ボードのグラつきの原因になってしまう。
先がそろっていない
ボードの重心が取りにくくなり、バランスを崩しやすい。またパドリングもしづらくなってしまう。
もしもボードから落ちてしまったら?
ボードから落ちてしまっても、決して慌てないこと。むしろボードから落ちることを厭わず、何度でもトライ&エラーを繰り返す方が上達も早いというものだ。
ボードから落ちた際、まず気をつけたいのはパドルを流してしまわないこと。パドルは流れ止めが付いていないため、手から離さないようにする。またボードに這い上がる時は、幅が狭くて腕を回しやすい後ろ付近から行う。慣れてきたらボードの真ん中から這い上がる練習もしよう。
焦らず落ち着いてボードに上がろう
ボードから落ちたら、まずパドルを流さないように注意する。そのうえでリーシュコードを引っ張り、ボードを手繰り寄せる。その際、勢いよくリーシュコードを引っ張ると、ボードと接触してケガをする恐れがあるので注意しよう。
パドルをボードの上に載せて、ボード後方に腕を回す。ボード中央だと腕が回らず這い上がりにくい。けれども中級者以上はボード中央から勢いを付けてよじ登る人がほとんど。慣れてきたらチャレンジしてみよう。
足で水を掻きながらヒジを曲げて勢いをつけて上半身をボードに乗せる。
上半身が乗ったらボード後方にカラダを回して両手でボード側面を挟むようにして持つ。
さらに足で水を掻いて徐々にカラダをボードに乗せていく。
ちょうどプローンスタイルのパドリングと同じ位置である、ボードの中心までカラダを持っていく。
正座の状態になる。後は立ち上がる動作を行う。
【監修】釜口“TAKA”貴晴さん
TAKA SLIDEオーナー
湘南・江ノ島の海が目の前のSUP専門店。元日本チャンピオンの経験を生かしたレッスンは初心者〜上級者まで幅広く、安全で楽しくわかり易いと好評!
TAKA SLIDE
住所:神奈川県鎌倉市腰越3-5-26
電話:0467-32-2012
URL:http://takaslide.com
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PROFILE
BLADES(ブレード) 編集部
『NALU』の連載から単独発行となった、 SUP専門の定期刊行マガジン。フィールドを選ばないSUPの楽しみ方から、カルチャーにいたるまで、充実したコンテンツを発信する。
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