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一度は行ってみたい、ウイスキーの聖地スコットランドへ

ウイスキーの聖地で、スコッチと叫ぶ。

街並みが世界遺産に登録されているエジンバラや、ネス川の沿う美しい街インヴァネスなど、スコットランドはただただ旅情を感じながら歩くのももちろんいい。でも、buonoに興味のある御仁が「スコットランドへ行きたい」などとのたまっている場合、その目的はひとつしかない。そう、もちろんウイスキー。そうだ、街並みなんて写真で見れば十分、俺達はとにかく聖地でウイスキーが飲みたいんだ。

そもそもスコッチウイスキーとは、イギリス北部のスコットランドで造られるものを指す。その面積・人口ともに北海道ほどでありながら、蒸留所の数はなんと130! それらがハイランド、スペイサイド、アイランド、アイラ、キャンベルタウン、ローランドという6つの地域にひしめき合っている。

スコットランドへの道中、ロンドンにあるスコッチバーの店主に聞いた話では、スコットランドのモルトは、地域や蒸留所の特色によって千差万別の味わいや香りがあるらしい。なんともはや。そこにどんな物語と麗しい酔いが待っているのか、ワクワクが止まらないじゃないの~。

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スコッチの秘密をグレンモーレンジィに見た

さて、ハイランド地方の小さな町、ティンである。なぜここへ来たのかというと、グレンモーレンジィなのである。ウイスキー好きなら腕利きの職人が集まる蒸留所として記憶にもあるのではないだろうか。北海と向き合う海岸沿いの蒸留所では、潮風がモルトの香りを運んでいく。うーん、これこそスコッチだよねぇ。グレンモーレンジィとはゲール語で「静寂の谷」を意味する言葉で、創業者のウィリアム・マサソンが肥沃な大地に敬意を表して名付けたものだという。

1849年よりウイスキーの生産をスタートしたグレンモーレンジィでは、当時オニオン型のポットスチルを使用するのが常識であったが、既成概念を打ち破る首長のポットスチルを使用したことで独特の口当たりを生み出したのである。形容するならばフレッシュでピュア。ほら、聞くだけで飲みたくなるでしょう?

グレンモーレンジィでは、スコットランド産の大麦とターロギー泉から湧き出るミネラル豊富な硬水を主原料に、イースト菌を加えて発酵させ、さらにスコットランドで一番背が高いと言われるポットスチルで蒸留。それをバーボン樽を主体に、シェリー樽、ポート樽、ワイン樽などで熟成を行うウッドフィニッシュする。銘柄によっては、オロロソシェリーやソーテルヌワインの樽を使うものもあるとか! いやー、鼻に立ち昇る香りへの妄想が止まらない……。
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DATA
グレンモーレンジィ蒸留所(Glenmorangie Distillery)

住所/Glenmorangie Distillery Tain, Ross-shire
TEL/01862-892-477
営業(ビジターセンター)/9:00~17:00、土曜10:00~16:00、日曜12:00~16:00
休み/クリスマス、年末年始
入場料/3ポンド
http://www.glenmorangie.com

ボトラーズの先駆者、ゴードン&マクファイルへゴー!

ボトラーズと聞いてピンとこない人もいるかもしれないので、まずは解説を。ウイスキーの販売には2つのパターンが存在する。蒸留所が販売も行う「オフィシャル」と、蒸留所をもたずにウイスキーの原酒を瓶詰めして販売する「ボトラーズ」だ。その中で最も有名と言ってもいいのが、1895年に高級食料品店として創業し、スぺイサイドのインディペンデントボトラーとしてウイスキービジネスが始まったゴードン&マクファイル社である。

ゴードン&マクファイル社では、世界各地より独自に入手した樽で熟成させ、ピークを迎えたものをボトリングしている。蒸留所から仕入れた原酒の樽を保管する熟成庫には、なんと15000以上の樽を貯蔵。ぜ、全部飲みたい! と、心の声はさておき、マッカランやロングモーン、モートラック、グレンリベット、ストラスアイラなどの貴重なヴィンテージも眠っているという。鑑定家を意味する「コニッサーズ・チョイス」シリーズが有名で、ハイランド、スペイサイド、アイランド、アイラ、ローランドにおいて約50の蒸留所から仕入れた原酒を独自に熟成もさせている。シリーズの中には、既に蒸留所が閉鎖されてしまったバンフやポートエレンなど、レアなシングルモルトも…。せ、先生、やっぱり飲みたいです!

ちなみに、エルギン市の中心にある本社の1階には、オリジナルを含む多数のウイスキーや食料品を販売するショップも。ぜひ立ち寄ってみてほしい。

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DATA
ゴードン&マクファイル社(Gordon and MacPhail)

住所/58-60 South Street Elgin, Moray
TEL/01343-545-110
営業/9:00~17:00
休み/クリスマス、年末年始
https://www.gordonandmacphail.com/

世界中のウイスキーファンがヨダレ全開なのであります。

最大のウイスキー産地と言われるスペイサイド地区の中で、人口500人程度の小さな村がウイスキーファンから注目を集めている。というのも、そこには「クレイゲラヒー・ホテル」があるから。ホテルに何の用が? と思われるかもしれないが、ココのバーである「クエイク・バー」が凄いのである。1893年にオープンしたホテルは、まさにスペイサイドのシングルモルトとともに歩んできたと言っても過言ではない。難しい話は割愛するとして、まずはバーの壁面をよーっく御覧じろ。そのコレクションに圧倒されること間違いなし! 例えばマッカランだけでも、年代別に蒸留所のオリジナル、ボトラーズと20以上が並んでいる。

クエイク・バーを訪れたウイスキー愛好家たちが書き記したテイスティングノートも必見。1940年代前後のマッカランは、現行のものとは違ってピート独特の味わいがあり、いい意味でマッカランの世界感を裏切ってくれる、とか、そうそう知ることができない情報がぎっしり。もうね、ここで飲むためにスコットランドへ行ってもいいです。否、ウイスキーファンなら行かねばならないと申し上げておこう。

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DATA
クエイク・バー(クレイゲラヒー・ホテル内)(Quaich Bar)

住所/Victoria Street, Craigellachie Aberlour
TEL/01340-881-204
営業/15:00~23:00
休み/不定休
http://www.craigellachiehotel.co.uk/the-quaich/

スコットランドネタ、いかがでしたか? 肌感覚までお伝えできないのが残念でならないが、聖地で飲むウイスキーは日本で飲むよりも3倍は旨いと断じつつ、お別れするとしよう。そのウイスキー、もうスコッチ頂戴! では失礼。

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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