北九州が誇る酒文化「角打ち」を体感せよ。福岡・堀川町『高橋酒店』
buono 編集部
- 2016年10月27日
角打ち伝道師に聞く、その作法と魅力
かつて日本を代表する工業地帯だった福岡・北九州に脈々と続く文化がある。呑ん兵衛のオアシス、角打ちだ。聞くところによると、市内には200軒以上も集まるという。角打ち初心者ながら、天性の酒好きのアンテナが反応し、堀川沿いに佇む老舗『高橋酒店』へと吸い込まれていった――。
「酒屋なので、飲食店のサービスは求めず、呑ん兵衛に徹することが大事ですよ」
角打ちの愉しみ方をご指南いただいた隣客、聞けば「北九州角打ち文化研究会」会長とな。須藤輝勝さんがこれまで訪れた市内の角打ちは120軒以上。北九州の角打ち文化を伝道すべく日々活動しているという。
「肩肘張らず肩書きも年齢も忘れて呑ん兵衛に徹すれば、お店の方も常連客も心を開いてくれるんです。そこで見て欲しいのが、どの店にでもある魚肉ソーセージ。そのままか調理して皿に盛るのか、その提供の仕方で店の肴が分かる。そして気に入ったお店は通って常連になるとより楽しく呑めるのは明白です」
庶民の文化、角打ちへ飛び込めば、そこには酒好きの浪漫が広がっている。
レトロな建物で呑める年中無休の名店
創業は大正7年。『高橋酒店』は目野酒造の小売り部として始まった。以来「盆や正月に休んでいたらご先祖様が心配する」と、一年中休まず店を開け、呑ん兵衛たちの止まり木として愛され続けている。趣深い日本家屋の中、歴代のお客の軌跡が刻まれた煉瓦の上で味わう一杯は、何ものにも代え難い。
日本酒は創業以来、柳川の「國の寿」一本。コシが強く芳醇な甘さで呑みやすい。計量コップから移しての提供が粋。ツマミは紙の上、が流儀。「サバの塩焼き」と「ブラックペッパーフランク」。角打ちの定番、乾き物や缶詰だけでなく、フライや焼き鳥などの惣菜も豊富だ。冬には七輪で炙る肴を是非いただきたい。
DATA
高橋酒店
住所/福岡県北九州市八幡西区堀川町2-10
TEL/093-602-1818
営業/9:30~21:00、日曜~19:00、祝日~20:00
休み/なし
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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