【郷土フレンチってナンだ?】ノルマンディ料理に舌鼓 麹町『Aux provencaux』
buono 編集部
- 2017年01月02日
料理界の王者にして、至宝といえば、フランス料理を挙げる人も多いのではないだろうか。
アミューズに始まり、メインを経てデザートに至るまで、一連のコースに現れる皿たちが味覚、嗅覚、視覚に訴える力は、圧倒的な伝統とセンスを感じさせる。
さて、そんなフランス料理であるが、考えてもみれば当然のことながら、フランスの国土は広く、日本でいうところの地方の特徴が現れた料理、つまり郷土料理が存在する。今回は、そんな郷土料理のひとつ、ノルマンディ料理に注目してみるとしよう。
麹町の実力派フレンチによるノルマンディ料理とは?
今回、ノルマンディ料理を作ってくれたのは、東京・麹町でフレンチファンを唸らせ続けている『Aux provencaux(オープロバンソー)』の中野寿雄シェフだ。
「都市部とは異なり、フランスの地方には、それぞれの特産品があり、その食材を巧みに取り入れた料理が受け継がれています。ノルマンディ地方でいえば、リンゴや、ポンレヴェックと呼ばれるチーズが特産物であり、これらを用いたノルマンディ料理があります」(中野シェフ)
特産物が活かされる郷土料理。発想は、日本もフランスも変わりはないようだ。では、ノルマンディ料理を実際にみていこう。
これがノルマンディ料理の全貌だ!
麹町の巨匠によるノルマンディ料理を、シェフ自らのコメントとともにみていくとしよう。
ホタテのポワレとカマンベールのクランブル、シードルのジュレ
ノルマンディ流のコース料理の口火を切るのはホタテを使ったアントレである。
「リンゴを使った発泡酒であるシードルをジュレにして添えた前菜です。シードルの酸味と炭酸、そしてカマンベールの塩味がホタテの旨味を引き立てます」。
ポタージュクレシー ポンレヴェックの香り
「ニンジンの甘みを感じるポタージュに、白カビチーズ・ポンレヴェックを乗せた薄切りのバゲットがアクセントとしてリズムを与えます」。
スズキのエスカロープ バターパン粉焼き シードルソース
「スズキのパン粉焼きを爽やかに仕上げるために、柑橘系の酸味を感じるシードルソースが活躍しています」。
雄若鶏のヴァレドージュ風
ポワソンに続いては、お待ちかねの肉料理!
「マッシュルームをレモンで煮る手法はノルマンディ地方の伝統的な技法です。その酸味と、ノルマンディの特産品であるリンゴ蒸留酒、カルヴァドスの甘み、シードルの酸味が融合し、若鶏を引き立てます」。
りんごのカルヴァドス煮 オモニエール仕立て
「オモニエールとは”小銭入れ”という意味です。カルヴァドスで煮込んだリンゴをクレープで茶巾状にし、アイスを添えたデザートです」。
伝統的でありながら、日本人のわれわれには新鮮にすら感じられるノルマンディ料理の数々。
今回の料理は、リンゴの蒸留酒・カルヴァドスに合わせることをテーマに中野シェフが腕を振るったコースでだ。”お決まり”のフレンチに変化を求めるならば、カルヴァドスとともに楽しむノルマンディ料理という選択肢もアリだろう!
ノルマンディ料理を語る上で欠かすことのできないカルヴァドスの魅力をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめ!▼
DATA
オー・プロヴァンソー
住所/東京都千代田区平河町1-3-9 ブルービル別館 1F
TEL/03-3239-0818
営業時間/11:30~14:00(L.O.)/17:30~22:00(L.O.)
休み/日曜(祝日不定休)
http://www.aux-provencaux.co.jp/
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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