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酒呑み垂涎 至福の珍味ベスト20

京 泰山木の至高のつまみ20をご紹介

『♪酒は飲むべし、百薬の長
女は抱くべし、これまた人生無上の快楽なり♪』

とは、京都のとある大学に伝わる小唄の前口上の一説だが、良くできた酒の肴の旨さというのは、酒飲みにしか分からないようなものな気がする。

旨味だったり、苦味だったり、辛味だったり、歯応えだったり、舌触りだったり、薫りだったりが、絶妙に組み合わさって味蕾を刺激しているところに薫り豊かな酒を流し込み、満腔で味わう。これぞ酒呑みの至福。

なんて、能書きはさておき、酒呑み垂涎の泣ける珍味ベスト20を紹介しよう。

呑兵衛は閲覧注意! 確実に飲みたくなってくる。ちなみに、このメニューは京都の『京 泰山木』で撮影させていただいたものなので、同店に行けば味わえる。

干しこのこ

_MG_3669 まずは『干しこのこ』。糸状のナマコの卵巣に塩をあて、つるして乾燥させた能登の珍味。泰山木では瀬戸内海や小豆島産を使用。

うに醤

_MG_3713 次なるは『うに醤』。雲丹とコチュジャンを合わせた北海道のもの。隠し味のコチュジャンが雲丹の旨味を引き立てるそうだ。

ほたるいかの沖漬け

_MG_3721 富山産のほたるいかの沖漬けで、生きたまま船上で漬けることで、鮮度が保たれ中までしっかり風味が浸透する。熟成するとより濃厚に。

にがうるか

_MG_3768 うるかとは鮎の内臓を塩辛に仕立てた発酵食品。クセの強い苦味が特徴だが、泰山木では食べやすいように白子と真子を和えて提供するという。

ほやこのわた

_MG_3780 このわたにほやを漬け込んだ『ほやこのわた』は東北の珍味。ほやの形が機雷に似ており、爆発を想起して『莫久来(ばくらい)』と呼ばれるという。

山雲丹豆腐

_MG_3903 豆腐をもろみに半年間漬け込み、発酵・熟成させた九州の山間部に伝わる珍味『山雲丹豆腐』。濃厚な風味と触感からそう呼ばれるようになったという。

ふな寿司

_MG_3941 関西の珍味といえば、『ふな寿司』琵琶湖産の『にごろぶな』を米と塩と酒に漬け込んで乳酸発酵させた珍味中の珍味。強烈な匂いを嫌う人も多いが、酒呑みにとっては至高のつまみ。

真子白子

_MG_3811 濃厚なタラの白子にニシンの真子(卵巣)を和えたもの。塩味を抑えて上品かつまろやかに仕上がっているので、珍味に慣れない人でも美味しく食べられる。

あぶりへしこ

_MG_3840 鯖に塩を振って、かす漬けにした福井県の郷土料理『へしこ』を炙った『あぶりへしこ』。炙ることで旨味が増し、薫りが引き立ち味わいが濃くなる。

たたみいわし

_MG_3877 『たたみいわし』は、カタクチイワシの稚魚を水洗いして、木枠に張った目の細かい網で天日干しして、薄い板状に仕立てた珍味。相模湾の特産品で、軽く炙って提供されるので、醤油でいただく。

からすみチーズ

_MG_3981 クリームチーズをサイコロ状にカットし、煎ったからすみをほぐしてまぶした『からすみチーズ』。気品あふれる薫りと、八光間にあふれた味わいは日本酒はもちろんワインにも合う。

いわしの鈍刀煮

_MG_4095 『鈍刀煮』は『どんとうに』と読む保存食。鰯の頭と内蔵を取り除き、醤油とみりんで炊いて干すを繰り返してできる佃煮のこと。旨口の日本酒やご飯が欲しくなる味わい。

さばなれ寿司

_MG_4059 『なれ寿司』とは発酵させた寿司のこと。エラと内蔵を取り除いた鯖を飯と塩に漬け込み、発酵させた和歌山の郷土料理が『さばなれ寿司』。引き立てられた鯖本来の旨味と酸味に酒が止まらない。香ばしく炙った飯とともに。

えいひれの甘塩干し

_MG_4048 肉厚のエイヒレを甘塩で一夜干しに仕立てたのが『えいひれの甘塩干し』。軟骨も入っているのでコリコリの食感とソフトな口当たりの異なる表情が同時に楽しめる。マヨネーズ醤油で。

いなだの塩干し

_MG_3997 いなだを半身にして塩を当て、一カ月かけて天日干しした『いなだの塩干し』。金沢で寒ブリを夏に美味しく食べる保存法として始まり、薄くスライスして完成する。

しゃけとば

_MG_4124 『とば』は漢字で『冬葉』。秋鮭を半身におろして皮付きのまま縦に細く切り、海水で洗って潮風にあてながら干したものが『しゃけとば』。『泰山木』では、さっと炙った柔らか仕立て。

からすみ

_MG_4164 ボラの卵巣を塩漬けにし、さらに塩抜きしたあと板に挟んで天日で乾燥させた『からすみ』。酒の肴には最高の珍味のひとつ。『泰山木』では、軽く炙り、塩分を和らげる餅を添えて提供する。

このわた

_MG_4267

『このわた』も酒呑みには欠かせない酒肴のひとつ。ナマコの腸をていねいに洗い、塩漬けにしたもの。古くより三河湾や伊勢湾が名産地で、徳川将軍家も愛したと伝わる味は日本酒が抜群に合う。

鰹の酒盗の東寺和え

_MG_4196 汲み上げ湯葉に鰹の酒盗と茎わさびを載せた『鰹の酒盗の東寺和え』。東寺和えとは湯葉で仕上げた料理のこと。大豆の薫り、酒盗の熟成香、そして茎わさびの辛味が絶妙に合う。

鯛の身と塩辛の山椒和え

_MG_4232

鯛の身を短冊状に切り、鯛の塩辛と京都美山の香り高い完熟山椒を和えた珍味が『鯛の身と塩辛の山椒和え』淡泊な鯛の身に、まろやかな塩辛と鼻腔をくすぐる山椒が加わり独得の味わいに。

 

これで全20品。食べたことのある酒肴はいくつあっただろうか?

こうやって列挙されると分かるのだが、匂いの強い発酵食品であったり、干したり焼いたりして旨味成分を増したものであったり、魚卵など栄養化の極端に高いものであったり、少量でも舌に強く響く味のものが多い。それを舌に乗せながら、薫り馥郁たる酒を呑むことを幸せに感じるのだろう。

酒呑みならまずはひと通り食べながら、一献傾けたいものだ。

 

取材協力:
京 泰山木
京都市中京区西洞院六角下ル池須町424-2
TEL/075-231-3736
営業時間/17:30〜23:15(L.O.)
休み/不定休

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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