大山『丸鶴』しっとりチャーハンのレシピを大公開
buono 編集部
- 2023年10月05日
パラパラとしたチャーハンへのアンチテーゼを唱え、本当に旨いしっとりチャーハンを提供する銘店『丸鶴』。
丸鶴のチャーハンについてはこちら
店主・岡山実氏が数年前までは絶対に公開することがなかった秘伝のレシピを「後世のために」と、今回特別にbuono編集部に教えてくれたので紹介しよう。
まずは、材料選びと下ごしらえ。
岡山氏がしきりに口にするのが材料の大切さだ。
「見ればわかるからね。うちはものが悪ければ、業者に突き返します。それくらい材料にはこだわっています。 その代わり、業者に値段のことは言わないよ」
チャーハンに使う材料はシンプルだが、仕込から考えれば、材料は多い。さらに店で提供している料理全体で見れば、仕入れる品数は膨大だ。そのいずれにも、岡山氏は目を光らせ、こだわりを持っている。すべては美味しい料理を提供するために他ならない。
煮込んじゃいけない。縛っちゃいけない。チャーシューへのこだわり
最強チャーハンに必要不可欠なもの、それがチャーシューだ。このチャーシューの美味しさ、人気は、通常のチャーハンと比べチャーシューを倍量したチャーシューチャーハン(850円)を求める客が絶えないことからもうかがえる。
このチャーシューは毎朝仕込んでいるというから美味しさにもうなずける。固くパサついたチャーシューにならない秘訣は、豚の肩ロースは煮込むのではなく、漬け汁が完成したうえで3時間漬けていること。そして、紐で縛らないのもやわらかくするコツなのだ。
食感と味にこだわったチャーシューは、 チャーハン全体の味を左右する重要な要素だ。特に塩味はチャーシューが大きく影響するため、倍量を入れるチャーシューチャーハンでは、チャーハンを作る際と比較して塩を減らしている。
オイスターソース
オイスターソースは岡山氏がチャーハンに合うと判断した蔡李記の『特選蠣油』を使っている。チャーハンだけで1日に150杯前後を提供するというだけあって、オイスターソースは業務用の缶詰を使用している。
ラード
ラードは一斗缶で仕入れている。「火入れしておらず、固形であることが必須」と岡山氏は語る。丸鶴のしっとりとした旨いチャーハンには欠かせない油分はラードなのだ。とはいえ、入れ過ぎには注意が必要である。
手間はかかるが不可欠! 門外不出のジャンユー
チャーシューと同様、毎朝仕込まれるのが『ジャンユー』だ。ラーメン醤油といったほうがわかりやすだろうか。チャーハンをはじめ、ラーメンなど丸鶴の様々な料理の味付けに欠かせないこの調味料も岡山氏が編み出したレシピで作られている。
細かな分量は秘密とのことだが、今回、ジャンユー作りの使用材料を余すことなく教えていただいた。チャーハンにおける投入量は少々だが、このジャンユーなくして丸鶴のチャーハンは仕上がらない。配合を調整しながら、ぜひ自分好みのジャンユーに辿り着いていただきたい。
秘伝のリスト
- 牛スジ
- だし昆布
- 削り節
- 煮干し
- 塩
- 酒
- みりん
- シイタケの足
- 旨味調味料
- ニンニク
- ショウガ
- 醤油
- 水
- カラメル
チャーハンのパートナーといえば、ラーメンスープだ。ジャンユーを自作することで、このラーメンスープも自作できるようになる。ジャンユーに豚と鶏を炊いたスープを注ぎ入れ、ネギを散らせば完成だ。
レタス
岡山氏が並々ならぬこだわりを見せる材料のひとつがレタスチャーハンに用いるレタスだ。仕入れにこだわっていることはもちろんのこと、そのまま使わないのが丸鶴の流儀だ。丸鶴では天然性ミネラルウォーターが引ける蛇口を設備しており、大き目に千切ったレタスにその水を吸わせたうえで、冷蔵庫で冷却する。こうした手間を経たレタスは驚くほどにシャキッとした食感となる。美味しさのために費用と手間暇を惜しまないのが岡山氏の信条だ。
いよいよ特別公開! パラパラと決別するためのレシピ
岡山氏が編み出した本当に旨い“しっとりした”チャーハン。
手間抜き、簡単、失敗知らず……、そんな言葉とは無縁の経験と勘がものを言う、少々“不親切”な有り難いレシピをどうぞ。
材料(1人分)
・ラード……鍋肌を覆う程度
・玉子……1個
・白飯……1杯分
・チャーシュー……茶碗1杯分
・オイスターソース……小さじ1
・コショウ……6振り
・ジャンユー……少々
・塩……少々
・旨味調味料……少々
作り方
1
溶き卵を作る。空き缶に卵を落とし、箸で溶く。
2
中華鍋でラードを溶かす。
3
ラードが溶けた後、1の溶き卵を流し入れる。
4
ラードと卵が混ざり合うよう、お玉でかき混ぜる。この工程は半熟を目指す。
5
白飯を加える。
6
賽の目切りにしたチャーシューを加える。
7
卵、白飯、チャーシューが混ざり合うよう、そして白飯のまとまりができぬよう、お玉の重さを利用して全体を軽く押していく。
8
全体が馴染んできたら、加熱の偏りをなくすべく、鍋をあおる。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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