自宅でカンタンにできるおいしい干物の作り方|基本の干物・一夜干し・味醂干し
buono 編集部
- 2020年04月03日
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日本人の食卓には、昔から欠かせない存在の干物。干物が一枚あれば、何はなくともご飯のおかずとして重宝する。魚を干すだけで旨味が凝縮される干物、今回は自宅で出来る干物の作り方を紹介しよう。
知ってますか?旨味の秘密
実は生魚を焼いた時と、干物を焼いた時に魚の水分量を比べると、なんと干物の方が多いのだという。これは、塩をして干すことによって、旨味が身の中に閉じ込められるからだ。さらに、塩によって魚に含まれるタンパク質が溶解し、再び結合しようとするために、身にムチムチとした弾力が生まれるのだ。
干物といっても、丸干し、開き干し、味醂干しなどその種類は様々。丸干しとは、新鮮なサンマやイワシなどの内臓を抜かず、丸のまま干したもの。ほろ苦いワタごとそのまま食べられる。開き干しは、魚を開いて内臓やエラを取り除いてから干したもの。味醂干しは、味醂の漬け汁を塗って干したもので、甘みと旨味があって万人受けする味に仕上がる。
いちからはじめる干物作りのポイント
では、美味なる干物を作るためのポイントを紹介しよう。
専用の干し網または洗濯用の小物干しを使おう!
専用の干し網は、虫や鳥よけが考えられているのでぜひ活用したい。一度に多くの魚を干せたり、魚を出し入れするドアが付いている便利なものも。洗濯用小物干しも使える。
金網をのせて、綺麗に仕上げよう!
魚は乾燥するにしたがって身が反ってくるので、何か重石になるもので押さえると良い。専用の道具もあるが、金網など風通しが良く、適度な重さのある物で代用も可能。風や太陽光が当たるように、網目になっているものを選んでみよう。
重ね塗りで味醂干しはさらに美味しくなる!
片面がしっかり乾いたら裏返して、逆の面にも漬け汁を塗ってさらに干す。漬け汁を塗るときには刷毛を使うと具合が良い。漬け汁が下に滴りやすいので、新聞紙などを敷こう。
酒塩があれば干物はもっと美味くなる!
干物を作る際、塩水に浸けるだけでもいいが、酒と塩を混ぜた「酒塩」を振りかけると味わい深く仕上がる。塩は天然塩、酒は焼酎や日本酒ならなんでも良い。殺菌効果も期待できる。
干物の王様『アジの干物』
では、自宅でできる美味しい干物の作り方を紹介しよう。
まず干物といえば、アジ。魚さばきが不慣れでも問題なし。天日干しにしたアジは、いつもの焼魚を凌駕する旨味だ。
【材料】4人分
アジ……4尾
水……400ml
塩……大さじ1
酒塩……塩大さじ1 + 酒適量
【道具】
ボウル
干し網
【作り方】
1.頭に包丁を入れる。
アジの背を手前にして魚を置き、頭の後ろから背骨まで包丁を入れていく。
2.尾ビレに向かって開く。
尾ビレの方向に向かって包丁を引く。包丁を寝かせ、背骨に沿って浅く切り込み、次に深く包丁を入れる。この時腹側まで貫通させないように。
3.内臓を取り除く。
エラを取り内臓をキレイに取り除き、流水でよく洗う。取り残しがあると生臭さが出てしまうので念入りに。
4.塩水に浸す。
塩と水をボウルに入れ、海水程度(約3%)の塩水を作り、下処理をしたアジを30分程度浸けておく。
5.酒塩を振る。
アジを塩水から取り出し、酒と塩を混ぜた酒塩をまんべんなく振りかける。
6.干す。
干し網やザルなどに並べ、天日で1日干す。
晩酌の肴にピッタリ!『イカの一夜干し』
イカの旨味がぎゅっと凝縮した一夜干しは、柔らかさもほどよく残って晩酌の肴にぴったり。
【材料】
イカ……4杯
約3%の塩水……塩適量 + 水適量
酒塩……塩小さじ1/3~1 + 酒大さじ2
【道具】
盆ザル
虫よけネット
【作り方】
1.イカを約3%の塩水でよく洗った後、タテに包丁を入れて割り広げ、ワタと軟骨を取り除く。
2.再度、塩水の中でしっかりと洗う。洗う代わりに、塩水に30分ほど浸けておく方法でも良い。
3.1の水気をふき取り、酒塩を加え、盆ザルに広げて陰干しにする。一晩干したら出来上がり。
万人に愛される味わい!『サンマの味醂干し』
魚の臭みを抑えてくれる味醂干しは、子供から大人まで万人に愛される味わい。
【材料】4人分
サンマ……8尾
塩水……塩大さじ3 + 水2カップ
漬け汁……味醂2/3カップ + 水あめ大さじ2 + 醤油1/4カップ~1/3カップ + 白ゴマ大さじ1
【道具】
干し網
刷毛
【作り方】
1.サンマの頭を包丁で切り落とし、内臓を取り除く。腹を手で開き、背骨中骨を指で取り出し、水で洗い三枚におろす。
2.1を塩水に浸けて30分くらい置く。
3.2を風通しの良いところで半日~1日干す。
4.漬け汁の材料を煮冷まし、3のサンマを漬けて白ゴマを振る。干し網の中に並べて3~4時間干し、残った漬け汁を表面に塗り、さらに3時間干す(表面が乾いたら裏返し、もう片面に漬け汁を塗る)。
干物は旬の新鮮な魚で作るからこそ美味いといえる。鮮度の良い魚が手に入ったら、思い切って自家製の干物に挑戦してみよう。きっと、刺身や焼き魚とは、また違った旨味が楽しめること間違いなしだ。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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