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秒で売り切れるレジェンド肉まんの作り方を完全公開!

レジェンドが叩き出す挽き肉の真髄

「調理には科学的な根拠が必要だと思う。“もっと美味しくなる”根拠を辿っていった結果、この作業になりました」

そう語るのは、浅草にある中国料理の名店『龍圓』の栖原一之シェフだ。

食感、旨味、やわらかさ、ぎゅっと詰まった弾力など、挽き肉の仕上がりは料理で異なる。だが、すべての基本となるのは肉を酸化させないこと。肉のたんぱく質を操り、最も美味しいと感じる食感を保つ。また、食感が失われないよう、肉の繊維質を潰さないことも重要。切れ味の良い包丁は必修道具だ。

捏ねる作業では、製パン用のパン捏ね機を使っているが、これも酸化を防ぐため。ただ、単純に機械まかせというのではなく、肉の状態を常に観察する。また、塩は肉のたんぱく質を結着させる効果がある。焼売のようにぎゅっと詰まった弾力を求める場合は、まず塩を加える。一方、肉まんや餃子の場合はその逆。肉を結着させない成分である砂糖をまず、まとわせる。こうすることで、加熱しても肉がぎゅっと縮まることはない。

「常にもっと美味しくなる調理法はないか、探求し続けることが大切。それも科学的な根拠、理由付けがないといけない。料理はとても科学的なものです」

そんな栖原さんが限定で作る肉まん、実は大人気で告知されるやいなやすぐに売り切れてしまうほどなのである。本記事では、その秘密を追っていこうと思う。

レジェンド肉まんは挽き肉を作るところから始まる

挽き肉を作るということは肉を叩くということ。「叩く」の基本は「潰す」のではなく、包丁で「スパッと切る」のが重要。龍園では切れ味抜群な洋包丁用の刃を、特注で中華包丁用に作ってもらっている。

肉を叩き、挽く。その全工程

1 豚肉は2種類用意する

挽肉を作る場合、豚モモ肉と背脂を使用するのが一般的なレシピである。『龍圓』では、背脂の代用として旨味のある豚バラ肉を抜擢。材料の段階から栖原理論が炸裂する。

2 切れる包丁を持たずして舞台には上がれない

最初に脂の少ない豚モモ肉から、ザクザクと粗みじんに切る。バラ肉を先に切ると包丁やまな板へ脂が回ってしまうので、モモ肉→バラ肉の順に作業していく。

3 肉に触らずに叩くことで手からの熱を移さない

包丁は切れ味の良いものをセレクト。包丁の幅に合わせて肉を広げ、極力肉に触らないよう注意しながら叩いていく。包丁の切れ味が良いと、肉の角が立つ状態になる。

4 丁寧且つ素早い叩き作業であらゆる繊維を切る

肉をひっくり返し、縦、横、斜め、斜めの順に包丁を入れ叩いていく。どこの繊維もしっかり切れているように、確実且つスピーディーな作業が求められる。

5 モモ肉を叩き終えたらすぐさま、捏ね機へ

モモ肉を十分に叩き終えたら、すぐにパン捏ね機に移し、時を置かずに捏ね始める。時間を置いてしまうと、肉質が締まり、硬くなってしまう原因に。

6 バラ肉は2cm角の角切りが基本スタイル

一旦、包丁を洗って脂をよく洗い流してから、豚バラ肉を2㎝角くらいのざく切りにする。脂の多いバラ肉は、捏ねている時に自然とほどけるので、小さくしすぎない。

次は肉と具材を捏ねてタネを作る

熱をもたせると肉は劣化していく。それを食い止めるため、人の手ではなく、パン捏ね機を駆使するのが栖原流。

タネ作りは素早い作業が最重要ポイント

1 肉まん・餃子は砂糖から! 入れる調味料の順番がカギ

先に回し始めた豚モモ肉に、まず砂糖をまとわせる。砂糖はたんぱく質をコーティングする力があるので、こうすると、肉まんや餃子は火が入った時に硬くならない。

2 ここで豚バラ肉を投入し、調味料も一緒に加える

次に、角切りにしておいた豚バラ肉を入れる。捏ねているうちに、バラ肉が徐々にバラけていくのがわかる。さらに醤油、ごま油、オイスターソースを加える。

3 機械まかせは、失敗のもとなので常に肉の状態を観察する

さらに戻した干し椎茸、マコモダケを入れる。最初はシャバシャバの状態だが、捏ね機の回転速度を調整しながら、肉が調味料をまとってしっとりする状態まで捏ね続ける。

4 ラストに加えるのは水気の出やすい野菜類

水気の出やすい野菜は最後に合わせるのが鉄則。長ネギ、生姜、ボイルして水気を切った白菜(オレンジ白菜)を入れ、コショウを振り、全体をざっくり混ぜてタネの完成。

お待たせしました! ついにレシピの公開!

以上の工程をしっかりと理解したならば、このレシピを託すことができるでしょう。そうそう簡単に作れるものではないけれど、このレシピを参考に、自分だけの肉まんを極めていってほしい。

材料(作りやすい分量)

豚モモ肉( 叩き)…150g
豚バラ肉(粗みじん切り)…150g
マコモダケ(粗みじん切り)…100g
干し椎茸(戻して粗みじん切り)…100g
白菜…350g(ボイルしてカット。軽く水を切り200gに仕上げる)
長ネギ(みじん切り)…15g

A
生姜汁…5g
日本酒…15g
醤油…40g
オイスターソース…30g
ごま油…20g

砂糖…30g
肉まんの皮…適量

作り方

1

豚モモ肉、マコモダケ、椎茸を合わせる。

2

調味料Aを加え、さらによく混ぜ合わせる。

3

砂糖を加え、長ネギ、豚バラ肉を入れ、ざっくりと混ぜ合わせる。

4

水分をしっかり切った白菜を加え、水分が出ないように合わせる。

5

最後にコショウ少々(分量外)を入れ、ざっくり混ぜてタネの完成。

6

肉まんの皮で⑤のタネを包み、15 ~ 20分蒸かす。

教えてくれたのはこの人!

栖原一之さん

21歳で料理の道へ入り、都内の上海料理店で修行を積む。28歳で出身地・浅草に『中国小菜 龍圓』をオープン。上海料理をベースに、自由な発想と和洋のエッセンスを取り入れた創作料理に定評がある。創業20年以上、卓越した味覚と高い技術力で、今なお進化を続ける。

龍圓
住所/東京都台東区西浅草3-1-9
TEL/03-3844-2581
https://ryuen1993.gorp.jp/

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PROFILE

buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

buono 編集部の記事一覧

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