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ラム酒は世界を旅するように楽しみたい。製造方法・分類・おすすめ銘柄など基本を確認

コロンブスが新大陸を発見し、カリブ諸国に持ち込まれたサトウキビ栽培の副産物として生まれ、世界中に広まったラム酒。その基礎知識と魅力を日本におけるラム酒の第一人者に教えてもらった。

自由でミステリアス。ロマン溢れるラムの魅力

一般的にラムといえば中南米やビーチ、レゲエなど南国の陽気なイメージが強い酒だ。「それはラムの一側面の“光”の部分。もっと奥深い酒なんです」と教えてくれたのは、日本におけるラム普及の第一人者で ある『スクリュー・ドライバー』代表の海老沢氏。

「奴隷制度に深く関わりながら発展してきた“影”の部分があり、新大陸発見や産業革命といった歴史の重要な出来事にも登場する。知的好奇心をくすぐるストーリーがあるんです」

その物語性の面白さもさることながら、多様性と自由さが何よりの魅力だという。

「ラムはバーボンやスコッチのような法的な規制ができる前に世界中に飛び火し、驚くほど多種多彩な味ができました。生産地や蒸留所、製造方法で味わいは変わり、重厚でヘヴィなダークラムがあれば、甘くメロウな味もある。『これがラムの味』というのがないミステリアスな自由さは他にはありません」

さらに、ウイスキーの価格が高騰した今、アメリカ西海岸ではクラフトラムのムーブメントが起こり、これまでラムを造ってこなかったドイツやベルギー等の欧州諸国がラム生産に参入し、世界で注目されている。「これからますます盛り上がりますよ」と語る海老沢氏。

ラムを探求する旅は、男のロマンが詰まっている。

ラム酒の製造方法

砂糖作りによって出る糖蜜を使い、発酵・蒸留させるシンプルな製造方法だからこそ、ラム生産は世界各地に広まった。

工程1:圧搾

サトウキビを刈り取り、圧搾してジュースを搾る。サトウキビは刈り取り後、すぐに糖度が落ちるので、畑の近くに蒸留所が多い。

工程2:濾過〜発酵

サトウキビジュースを加熱・濃縮し、遠心分離機で砂糖の原料の粗糖と糖蜜に分ける。糖蜜に水と酵母を加え24〜36時間発酵させる。

工程3:蒸留

連続式蒸留器や単式蒸留器で液体を気化し、コンデンサーを通して液化する。一般的な蒸留後のアルコール度数は70度前後。

工程4:熟成〜瓶詰め

ホワイトラムは加水調整した原酒をステンレスタンクで3ヵ月〜1年、他は木樽で長期熟成し、濾過後にブ レンドして瓶詰めする。

覚えておきたいラムの3大分類

多種多様なラムは生産国の旧宗主国であるイギリス、フランス、スペインの3系統に分かれる。それぞれの個性を知れば、ラムの世界が広がる!

RUM(イギリス)

イギリス系は、モルトウイスキーの単式蒸留器とグレーンウイスキーの連続式蒸留器の両方を使ってブレンドするスコッチの手法で造られる。「骨太で重厚感があり、スモーキーな香りで芳ばしい甘みのあるタイプ。ウイスキーフリークに好まれるラムです」。主な生産国はジャマイカやガイアナ共和国、バルバドスなど。

海老沢さんおすすめの銘柄

「ジャマイカンラムのアプリトンエステートは、黒糖のような甘みで酒質が太い。お湯割りやコーヒー割りにしても美味しく飲めます」

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RHUM(フランス)

「コニャックの技法を用いるフランス系は、サトウキビそのものを感じる豊かな香りが魅力。味わいは繊細で高貴なパリジェンヌ的なイメージです。ラベルデザインもシャンパンやブランデーを思わせる瀟洒なものが多い」。主な生産国はマルティニーク、グアドループ、ハイチ共和国、モーリシャス共和国、レユニオンなど。

海老沢さんおすすめの銘柄

「マルティニークのデパズVSOPは華やかな香り。口に含むと徐々に変化していくフルーティーな甘みが楽しめます」

RON(スペイン)

「バカルディが顕著ですが、スペイン系は口当たりがやわらかく、マイルドで飲みやすい。シェリー酒のような濃厚な甘みが特徴で、ソレラシステムというシェリー酒独自の熟成法で造るものが多い。初心者の方でも入りやすいラムです」。主な生産国はキューバ共和国やドミニカ共和国、プエルトリコ、パナマ共和国、ペルー共和国など。

海老沢さんおすすめの銘柄

「グアテマラのロンサカパは口当たりが優しく、メロウな甘みで大ヒットしました。ラム好きも満足できる奥深さも◎」

熟成による違いで見分ける

熟成期間によってもラムの味わいは異なる。色で飲み比べてその奥深さを知るべし。

ホワイトラム

蒸留後に樽熟成させず、ステンレスタンクで3ヵ月から1年未満寝かせた無色透明のラム。すべてのタイプのラムの中で生産量が最も多く、カクテルベースに向いている。

ゴールドラム

オークの大樽やバーボン樽などで3年未満熟成させた琥珀色のラム。フレッシュ感と木の香りがバランス良く融合し、カクテルでもロックでも楽しめるミドルポジション。

ダークラム

古樽のバーボン樽などで3年以上熟成させた焦茶色のラム。20年以上長期熟成させたものもある。深い樽香や濃醇なコク、重厚な味わいはストレートやロックで楽しみたい。

世界各国で作られているラムの注目銘柄

カリブ海から始まり、世界中に広がるラム酒生産。中南米から東南アジア、インド洋まで代表的な国と注目したい銘柄をピックアップ!

マルティニーク Martinique

フランス海外県の美しい島。製造はアグリコール・ラムがほとんどで「ディロン トレヴュー」はAOC認定された最初の銘柄のひとつ。

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ガイアナ共和国 Republic of Guyana

20世紀に独立するまでイギリス植民地で、イギリス系のラムが主流。15年熟成の「エル ドラド 15」はデメララ・ラムの代表銘柄。

コロンビア共和国 Colombia Republic

スペインの植民地だった名残で甘いラムが主流。「ディクタドール」は100年の歴史を持つ同国最古の蒸留所。写真は20年熟成もの。

パナマ共和国 Panama Republic

南米大陸を結ぶ同国はスペイン系のラムが主流。その中でも甘さとコクを引き出す特殊な製法を使う老舗蒸留所『ロンアブエロ 12』。

キューバ共和国 Cuba Republic

カリブ海最大の島。400年のスペイン支配から独立し、社会主義国に。代表的な「ハバナ クラブ」をはじめ飲み口の良いラムが多い。

メキシコ Mexico

テキーラ発祥の地であり、ラムの歴史も古い。ホワイトオーク樽で20年熟成した「モカンボ 20年」は、深みのあるまろやかな味わい。

日本 Japan

1943年の「南興ラム」 から和製ラムの歴史が始まり、現在の製造元は8社。「イエラム」は沖縄の離島・伊江島産の原料だけで造る地酒。

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フィリピン Philippines

サトウキビの産地であり、19世紀よりラム製造が開始。「ドンパパ」はネグロス島初のプレミアムラム。写真は10年熟成もの。

レユニオン Réunion

インド洋のフランス海外県。サトウキビ栽培が盛んで近年ラムが注目を集める。「ヴーベル 10」は10年熟成した豊かな味わいが特徴。

イギリス England

17 世紀から海軍でラムが支給されていた。「パッサーズラム」は350年以上前に海軍専用で造られたクラシックなネイビーラム。

注目のクラフトラム銘柄もチェック

ラムの歴史をリスペクトしながら、既成概念をぶち壊す大胆な発想で造るクラフトラムが、ムーブメントを巻き起こしている。

「セント・ジョージ・スピリッツ」は南カリフォルニアのサトウキビでアグリコール・ラムを造るオークランドの蒸留所。「魅せることを意識した広大な蒸留所の設備、物語のあるラベルやネーミングのセンスに新しい感性を感じます」

有機栽培の原材料にこだわるソルトレイクシティの「アンテロープ アイランドラム」。こちらも注目。

モントレーの「ロスト スピリッツ」はDNAを操作し、ヴィンテージラムを“創作”する新技術が話題に。
「神への冒涜とも言える挑戦はまさに新世代の発想です」。

独自アレンジのボトラーズラム

瓶詰業者が蒸留所から樽ごと原酒を買い取り、自社で熟成・瓶詰して発売する“ボトラーズラム”は独自のアレンジが魅力。

産地感を際立たせたビギナー向けボトラーズ
「RUM NATION(ラムネイション)」

「ラムネイション」はイタリアのインディペンデントカンパニー。「このメーカーは、飲みやすさと親しみのある甘み、分かりやすい産地感がコンセプト。これはトリニダード・トバゴのカロニー蒸留所の樽から造った一本です」

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ミステリアスで華やかな和テイストが世界を魅了
「SHINOBU」

海老沢氏の名前「SHINOBU」を冠したボトラーズラム。「カロニー蒸留所の樽をピックアップし、ラベルも含めて華やか、かつミステリアスな “和” を感じさせるイメージで造りました」。230本がわずか7時間で即日完売したとか。

「ヴィンテージラム」との一期一会は大人の嗜み

海老沢氏は3000本以上のヴィンテージラムを所有。写真は、1950年代にキューバで造られていたバカルディのオールドボトル。

ラムの楽しさを案内する“ラム・コンシェルジュ”

2日間の講座を受講し、最終日の試験に合格すればラムの水先案内人ラム・コンシェルジュになれる。詳し くは日本ラム協会のweb(http://rum-japan.jp)へ。

教えてくれた人

『SCREW DRIVER』代表 海老沢 忍
日本ラム協会会長。ラム酒専門店『SCREW DRIVER』やアウトドアイベントを通じ、ラムの楽しさを普及する伝道師であり、世界有数のヴィンテージラムコレクター。「ラムは意外性のある贈り物としても喜ばれますよ」

SCREW DRIVER(スクリュードライバー)
住所/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-15 東永ビル4F
TEL/0422-20-5112
営業/19:00〜翌4:00
休み/なし
http://www.screw-driver.com/

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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