生姜焼きファン垂涎の名店5皿の秘伝レシピを大公開!
buono 編集部
- 2022年12月30日
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甘辛でちょっぴりスパイシーな豚肉の生姜焼きは、外食でも家庭料理でも定番中の定番。それだけに、味付けや食べ方、好きなお店にちょっとこだわりのある人も多いのではないだろうか? しょうが焼きブロガーのジンジャーさんに生姜焼きの魅力やおすすめのお店を聞いてみた。「生姜焼きマニアなら、ここは外せない!」という名店の秘伝レシピも紹介。生姜焼き好きならば、見逃すべからず!
教えてくれた人
ジンジャー
自身のブログ「しょうが焼きに恋してる」にて8年で2000食のしょうが焼きを食破。グルメブロガーのオールスター集団「たべあるキング」のしょうが焼き担当。
http://www. shogayaki.com/
地味だけど、間違いない! 安定感が生姜焼きの魅力
「そもそも生姜焼きって、好きなメニュー1位に挙げられたり、スポットが当たるような料理じゃなく、地味な部類ですよ」
ご謙遜か、はたまた弱気なのか。日本で唯一の生姜焼きブログを開設し、生姜焼きなる日々を綴っているジンジャーさん。8年で2000食を食べ歩き、現在も記録更新中だ。
「生姜焼きって、お母さんが献立に困った時に食卓に出てきたり、お店の場合はメニューの一番下に書いてあることが概して多い。ランチタイムには『日替わり今日は何?』『あー、今日は売り切れ』『じゃあ、生姜焼きでいいや』みたいな会話が店ではよくある。その“じゃあ”には、生姜焼きの安定感というのが表れている気がするのです」
では、生姜焼きの潮流みたいなものはあるのだろうか。
「ニンニク風味の強いニンニク系というジャンルがあります。 肉に粉を振って焼き、タレはニンニク、生姜、醤油のみ。ニンニクが隠し味になって旨い。自分でも真似して家で作ってみましたが、なかなかでしたよ」
生姜焼きも一期一会。明日はどんなひと皿に出逢えるだろうか。
しょうが焼きブロガー ジンジャーさんに聞く!生姜焼きの基礎知識
Q.生姜焼きって、いつ生まれたの?
A.そもそも生姜焼きは家庭料理。店のメニューになったのは1950年代で、銀座の『銭形』という店が醤油に絡めた豚肉を出し、世に広まったと言われています。(ジンジャー)
Q.生姜焼きの定義って何?
A.今は「焼肉定食」といえば牛肉でニンニク味、豚肉は「生姜焼き」ですが、まだ焼肉店が普及していない昭和の頃は、どっちも「焼肉」だったようです。とどのつまり、生姜醤油で味付けした豚肉!(ジンジャー)
Q.生姜焼きってどこに行けば食べられる?
A.主要は、定食屋・喫茶店・洋食屋・中華・とんかつ屋。希少なのは、ダイニングバー・カレースタンド・イタリアン・スーパー銭湯・ラブホルームサービス。ちなみに絶滅種は、旅館・ちゃんこ鍋・ふぐ割烹です。(ジンジャー)
Q.どういうものが旨い生姜焼き?
A.生姜焼きって失敗も少ないけど、 抜群に旨く作るのも意外と難しい料理。美味しいと思う店では、肉、ソースの下ごしらえに手間暇かけているところが多いです。生姜・醤油・小麦粉(片栗粉)・ニンニクが命!(ジンジャー)
究極の生姜焼き5皿は“こってり”から“あっさり”まで個性豊か
2000皿を食してきたジンジャーさんによれば、生姜焼きは、厚切りロースからこまバラまで肉の部位や厚みも様々。そして粉を振るかどうかなどでも大きく差が出るこってり感も多様だ。
そんな中からジンジャーさん自らが厳選した5店の必食生姜焼きを、お店に特別に見せてもらった究極のレシピとともに紹介していこう。自分のお気に入りのひと皿を探訪し、自作するときの参考にもしたいところだ。
老舗が守りぬく古き良き生姜焼き
「新川 津々井」
創業1949年の老舗洋食店。ホテルオークラなどでフレンチの修行を重ねた二代目オーナーシェフの越田健夫さんが腕を振るう。手間を惜しまない伝統的な調理法を頑なに守りぬき、シンプルながら奥深い味わいは秀逸。生姜焼きは創業以来のレシピを受け継ぐ辛めの「ポーク生姜焼き」と、甘めの「ポークジンジャー」の2種がある。
新川 津々井「ポーク生姜焼き」のレシピを拝見!
材料(1人前)
豚ロース 薄切り……3枚
醤油……30cc
酒……90cc
生姜……1かけ
バター……適宜
〈付け合わせ〉
ブロッコリー……適宜
カリフラワー……適宜
人参……適宜
アスパラガス……適宜
じゃがいものクリーム和え……適宜
作り方
1 肉は純国産種のやまと豚を使用。厚さ4mmにカットし、仕上がったときに縮まらないよう筋切りを行う。
2 タレは醤油、酒、生姜のみとシンプル。全体に風味をつけるため、生姜はフードプロセッサーで粉砕する。
3 タレが出来上がったら、ザルで漉す。なめらかな舌触りにするため、生姜の繊維はあえて残さない。
4 肉のやわらかさと素材の味わいを保つため、肉をカットするのもタレを絡めるのも調理直前に行う。
5 ラードとバターで焼くのがここのスタイル。酒のアルコール分を飛ばすため、強火で焼き上げていく。
6 焼きながら、ソースを肉になじませていく。強火で手早く行うことで、香ばしさがプラスされる。
7 焼き上げた肉を皿に移したあと、ソースを煮詰めてさらに香りとコクを生み出していく。
8 最後にソースを適量かけてできあがり。醤油とほのかな生姜の香りが、豚肉の味わいを引き立てている。
【DATA】
新川 津々井(しんかわ つつい)
住所/東京都中央区新川1-7-11
TEL/03-3551-4759
営業/11:00〜13:30(L.O.)、17:00〜21:00(L.O.)、土曜 11:00〜13:30(L.O.)、17:00〜19:30(L.O.)
休み/日・祝日
行列ができる定食屋。これぞ理想の生姜焼き
「菱田屋」
メニュー黒板に生姜焼きの文字はないが、それこそが名物の証。わざわざ書かなくても菱田屋に生姜焼きあり、そう知れ渡っているのである。学生街ということもありボリュームは大。肩ロースの中でも脂がほどよくからんだやわらかい部位のみを使用し、250gで750円とは恐れ入る。「値上げしたいよ」と五代目店主の菱田アキラさんは苦笑いだ。
菱田屋「生姜焼き」のレシピを拝見!
材料(1人前)
生姜……ひとかけ
にんにく……生姜と同量
醤油……大さじ1
砂糖……大さじ1
豚肉(肩ローススライス)……250g
玉ねぎ……適量
【 付け合わせ 】
スパゲティサラダ……適宜
キャベツ(千切り)……適宜
プチトマト……適宜
パセリ……適宜
作り方
1 すりおろした生姜とにんにくに醤油と砂糖を加え、タレを作る。荒めのおろし金で食感を残すのがポイント。
2 サラダ油大さじ1(分量外)をフライパンにしき、強火で加熱。油がなじんだら豚肉を1枚ずつ入れる。
3 肉を入れた直後に玉ねぎを入れ、同時に焼いていく。玉ねぎは繊維にそって薄切りにしておいたもの。
4 焦げ付かないよう、フライパンを揺らしながらも、とにかく強火で焼き続けることが最大のポイント。
5 焼きムラなくふっくらと仕上げるために、3秒ほど蓋をしては開けを繰り返す。この時も火は強火のまま。
6 鍋肌で焼き上げると肉が固くなるため、随時トング等で肉を動かすこと。火が通ってないようならまた蓋を。
7 1で作ったタレをフライパンに入れ、一気にからめる。中華の料理人になった気分で豪快に!
8 タレがからんだらすぐ火を止める。たれが焦げるほど焼くのは失敗のもと。とにかく素早く、が基本だ。
9 付け合わせとともに盛り付けて完成! 焼き上げるのにかかった時間は3分程度。焼き上がりはふっくら!
【DATA】
菱田屋(ひしだや)
住所/東京都目黒区駒場1-27-12
TEL/03-3466-8371
営業/11:30〜14:00、18:00〜22:00 ※土曜は夜のみ営業
休み/日・祝日
蒲田の胃袋を支える重量級の生姜焼き
「ぐりるスズコウ」
1964年創業。体温を感じる昭和の家族経営を地でいく老舗洋食屋の名物は特大生姜焼きだ。ステーキ並の極厚切りで約250gというサイズだけでなく、ナイフがスっと入るやわらかさに驚かされる。初代が考案し、元九重部屋の力士で、引退後に和食で修行を積んだ二代目に受け継がれた逸品は、今も変わらず蒲田の胃袋を支え続けている。
ぐりるスズコウ「特大生姜焼き」のレシピを拝見!
材料(1人前)
豚ロース肉……1枚(250g)
小麦粉……適量
生姜(すりおろし)……30g
生姜焼きソース……適量
〈付け合わせ〉
フライドポテト……適量
人参……適宜
ほうれん草……適宜
作り方
1 熱したフライパンにサラダ油を引いて全体になじませていく。
2 約2cmにカットした豚肉の筋を切り、塩コショウで下味を付け、小麦粉を全体にまぶす。
3 温まったフライパンに豚肉を入れる。
4 強火で片面を焼く。
5 きつね色に焼き目がついたら裏返し、軽く火を通す。
6 180°Cで余熱をしたオーブンに入れる。付け合せのポテトを揚げ、人参とほうれん草をソテーする。
7 10〜12分、箸がスっと通るぐらいを目安に、オーブンから出し、予め熱していた鉄板に移す。
8 すりおろした生姜を片面の全体にぬる。
9 肉全体にお好みのソースをかけて完成。
【DATA】
ぐりるスズコウ
住所/東京都大田区蒲田5-16-8
TEL/03-3731-5029
営業/17:00〜23:00、月・水・金はランチ営業11:30〜13:30
休み/土曜
毎日でも食べたい、ほっとする味わい
「ボーイズカレー」
飲食店激戦区・神保町のカレー屋、だが一番人気は生姜焼きという不思議な洋食屋だが、食べるととその理由が分かる。厚切りのロース肉を使用し、強火で一気に焼き上げながら、少し甘めのソースで仕立てた味は、派手さはないが、毎日でも食べたくなる安心の美味しさに溢れている。玉ねぎをたっぷり使ったほっとする味わいのカレーとともにぜひ。
ボーイズカレー「しょうが焼き」のレシピを拝見!
材料(1人前)
豚ロース肉 厚切り……2枚(100g)
薄力粉……適量
生姜(すりおろし)……1片
醤油……15ml
酒……18ml
みりん……18ml
水……18ml
〈付け合わせ〉
スパゲティナポリタン……適宜
キャベツ……適量
レタス……適量
作り方
1 フライパンにサラダ油をなじませ、茹でたスパゲッティをケチャップと絡めながらナポリタンを作る。
2 皿に千切りキャベツ、レタス、ナポリタンを盛り付け豚ロース肉全体に薄力粉をまぶす。
3 たっぷりのサラダ油で熱したフライパンに、火の通りにくい油の部分を外側にして豚肉を入れ強火にかける。
4 きつね色に焼き目が付いたら裏返し、強 火で全体をまんべんなく焼く。表7割、裏3割の火入れが目安。
5 油を切って、醤油、酒、みりん、水をあわせたタレをかける。
6 全体に馴染んだら、皿に移し、フライパンに残ったタレをかけて完成。
【DATA】
ボーイズカレー
住所/東京都千代田区神田神保町2-4
TEL/03-3263-1898
営業/11:00〜20:00、土曜〜15:00頃
休み/日・祝日
特製生姜ソースが豚肉と絶妙にマッチ
「Blue Garden」
原宿の喧騒から一本中に入った路地にある、ウェディングパーティーでも大人気の『ブルーガーデン』。こんな瀟洒な店に生姜焼きが?と思うが、オープン以来のランチの看板メニューだ。その生姜焼きは、豚肉を焼いた後、フライパンの中でからめる特製生姜ソースが決め手。豆板醤を隠し味に使ったピリ辛の味が絶妙で、思わずご飯が進んでしまう。
Blue Garden「生姜焼き」のレシピを拝見!
材料(1人前)
豚肩ロース肉……適量
小麦粉……適量
特製生姜ソース……適量
〈付け合わせ〉
キャベツ……適量
マヨネーズ……適量
作り方
1 豚肩ロース肉3枚を小麦粉が入ったバットに入れて、両面に小麦粉をつけ、軽くはたいて余分な粉を落とす。
2 フライパンに油を熱し、豚肉を並べて、強火で片面を焼く。焼き色をつけたいのでフライパンは揺すらない。
3 豚肉を裏返し、焦げつかないよう火を弱めて、反対の面から中まで火が通るように焼く。
4 醤油、ごま油、ごま、長ネギ、ニンニク、生姜、隠し味に豆板醤を使った特製生姜ソースを入れる。
5 フライパンを動かして、豚肉に特製生姜ソースをからめる。豚肉を裏返して、両面にしっかりからむように。
6 豚肉にソースが絡んだら出来上がり。器に豚肉を盛り上からフライパンの中のソースをかけて提供する。
【DATA】
Blue Garden(ブルーガーデン)
住所/東京都渋谷区神宮前1-15-4
TEL/03-5772-3770
営業/11:00 ~ 23:00(L.O.22:30)
休み/なし
出典
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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