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発酵を味方にしてワンランク上の味に!中東俊文シェフの料理術

我々の食生活を、もはや発酵調味料や発酵食品なくして語ることはできない。健康にいい、自然に旨みを増すことができる……など、なんとなく捉えていた発酵という化学反応への理解を深め、料理の腕を一段上に引き上げたい。料理のプロは、発酵食品をどのように料理に取り入れているのだろうか。イタリアンに様々な手法を取り入れるクリエイティブ料理人・中東俊文氏が考える、発酵料理のテクニックとは。

食材にも調味料にもなる発酵食品の魅力

もともと保存食として用いられてきた発酵食品。目に見えない微生物の働きで食材が発酵し熟成が進むと、旨味成分が増して深い味わいを生む。中東シェフも、旨味成分をたっぷり含んだ発酵食材を、メニューにふんだんに取り入れている。シェフ曰く、“発酵食品は食材でもあり調味料でもある” という。イタリアの発酵食品はアンチョビやブラックオリーブ、生ハムなど、塩漬けのものが多い。これらを食材として使うのはもちろんだが、強い塩味と発酵による旨味を利用して、調味料として使うこともできるのだ。なかでもブラックオリーブは発酵臭が少なく使い勝手が良い。例えばブラックオリーブをオリーブオイルで炒め、潰しながら塩味をオイルに移してオイルソースにしたり、野菜とともにミキサーにかけてベジタブルソースにしたりと、味付けの幅も広がる。

さらに、発酵食品同士を組み合わせることも、美味しさアップのキーワードだ。日本では納豆に醤油をかけて食べるが、これも発酵食品同士。ここで紹介する自家製発酵の手法を取り入れれば、新たな発酵食品との出会いとともに、さまざまな食材との相乗効果が期待できる。めくるめく味の広がりが実感できることうけあいだ。

自家製編レシピ

なじみの食材を熟成させたり、いつもの料理に発酵食品を取り入れることで、味わいが格段にバージョンアップ。プロのレシピに即トライ!

酒粕と玉露のグリッシーニ

生地に酒粕を練り込むことで発酵が進み、よりカリッとした食感に。さらに旨味も強くなり、麦本来の甘みも際した食感に。さらに旨味も強くなり、麦本来の甘みも際立つ。玉露の色と香りが華やかさをプラス。

材料(約50本分)

中力粉……200g
インスタントドライイースト……1g
塩……5g
グラニュー糖……5g
オリーブオイル……30g
水……90cc
玉露の茶葉(出がらし)……7g(茶葉約2g分)
酒粕……3g
打ち粉……適量
玉露の茶葉(出がらし乾燥)ふりかけ用……適量

作り方

1 ボウルに中力粉とドライイーストを入れ、手でサックリとむらなく混ぜる。そこへ塩、グラニュー糖、オリーブオイル、水、玉露、酒粕を加える。

2 すべての材料が均一になるように、しっかりと手で混ぜ合わせる。ボウルの底や壁に押し当てるように、こねながら、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。

3 生地をボウルから取り出し、手でこねる。このとき小麦粉からグルテンが出るよう、しっかりとこねるのが、食感と風味をアップさせるポイント。

4 3を冷蔵庫へ入れて24時間寝かす。写真の右側は、こねたばかりで冷蔵庫へ入れる前の生地。左が冷蔵庫で24時間寝かせて、発酵が進んだもの。

5 冷蔵庫で発酵させた生地に打ち粉をしてパスタマシンにかけ、2〜3mmの薄さになるまで伸ばす。家にパスタマシンがない場合は、麺棒で伸ばしても良い。

6 しっかりと伸ばした生地を、キタッラ(木枠に弦が張がれた、パスタをカットするための製麺器具)の形とサイズに合わせて包丁でカットする。

7 5mm間隔で弦を張ったキタッラに生地をのせ、上から麺棒で押しながら細長くカット。家庭ではピザカッターや、刃が長めの包丁を使って切っても良い。

8 細くカットした生地に、茶葉の出がらしを乾燥させた粉末を表面にまぶす。オーブンの天板に並べ、天板からはみ出した部分はカットする。

9 130°Cに熱しておいたオーブンで、30〜40分程度焼く。焼き上がった後は湿気はこないように、十分に乾燥させておく。あれば乾燥機などを使うと良い。

アンチョビ&コラトゥーラ ディアリーチ

常温保存(18〜20°C)で3週間、冷蔵庫なら2カ月程で発酵する。常温の方が短期間でまろやかに仕上がるが、温度管理が難しいため失敗のリスクが高い。時間はかかるが冷蔵保存が安心。

材料(作りやすい分量)

セグロイワシ(カタクチイワシ)……2kg
塩……1kg
薄塩……10g
粗塩……990g

作り方

1 イワシはヒレを取り、頭と胴の境目の腹から指を入れ、内臓を取り除く。そのまま中骨に沿って身を剥がし、骨と頭を取り除く。

2 開いたイワシは水洗いせず、そのまま開いた状態でトレイなどに平らに並べる。薄塩が全体に行き渡るよう、まんべんなく振る。

 

3 煮沸した瓶の底に粗塩を敷き、その上にイワシを敷く。さらに塩→イワシ→塩→イワシとミルフィーユ状に重ねて保存する。

冷蔵の場合

常温の場合

糠漬け豚のソテー

イタリア米の糠やスパークリングワインを使った糠床で包み、豚の旨味を最大限に引き出す。糠床で熟成された肉はしっとりやわらかく、塩や香辛料を足さずともおいしく味わえる。

材料(1〜2人分)

カルナローリ米の糠……80g
塩……10g
スプマンテ……30g
水……100cc
豚ロース……100g
糠床……100g
はっさくの皮……少々
ローズマリー……少々
オリーブオイル……適量

A
はっさくの実……2切れ
グリーンリーフ……適量

作り方

1 まずは糠床作りから。カルナローリ米の糠をボウルに入れ、塩、スプマンテ、水を加え、手でしっかりと混ぜ合わせる。

2 容器に移し、好みの食材を入れて保存。常温の場合、浅漬なら数時間で食べ頃に。常温保存は毎日混ぜ、冷蔵庫なら週1回でも可。

3 肉の表面にはっさくの皮をすり下ろし、ローズマリーをのせる。香り付けの柑橘類は、グレープフルーツや橙の皮を使ってもOK。

4 発酵した糠床を、肉の表面が見えなくなる程度に塗る。味や熟成にむらが出ないよう、まんべんなく塗るのがポイント。

5 糠床を肉に密着させるようにラップで包み、冷蔵庫に入れて24時間寝かせる。写真は24時間たって、冷蔵庫から出したもの。

6 糠床を手で取り除き、さらに水洗いしてしっかり糠を洗い流す。洗い終えたらキッチンペーパーで水分を拭き取る。

7 食感を良くし、肉の縮みを防ぐため、肉の筋を切る。赤身と脂身の境目あたりから数カ所、脂身部分に包丁を入れる。

8 フライパンにオリーブオイルを引き、強火で焦げ目が付くまで片面を焼く。裏返し中火で4〜5分焼く。Aをあしらったら完成。

ロビオラチーズの追発酵

チーズ表面のカビを赤ワインと醤油で洗い流しながら、発酵を促し熟成させる。時間とともに旨味が増し、味わいもマイルドに。赤ワインのチーズは熟成した赤ワインと、醤油の方は日本酒の熟成酒とよく合う。

材料(作りやすい分量)

(赤ワイン)
ロビオラチーズ……250g
赤ワイン……適量

(醤油)
ロビオラチーズ……250g
濃口醤油……適量

作り方

1 ロビオラチーズ(牛と羊のチーズを使用)の表面に、チーズ全体に行き渡るくらいの量の赤ワインをかける。

2 赤ワインをチーズ全体に伸ばし、手ですり込むようにしてなじませる。刷毛などは使わず、手でしっかりすり込むのがポイント。

3 2とは別のロビオラチーズ(牛と羊と山羊のチーズを使用)の表面に、チーズ全体に行き渡るくらいの量の醤油をかける。

4 赤ワインと同様に、醤油をチーズ全体に伸ばし、手ですり込むようにしてなじませる。塗りムラが出ないよう、しっかり塗る。

5 ラップをかけずに冷蔵庫で保存。2と4の作業を12時間ごとに繰り返す。10日を過ぎる頃には、中はとろりとした食感に変化。

旨味成分を把握して発酵食材同士を合わせる

旨味成分の代表として、グルタミン酸とイノシン酸がある。日本とイタリアの発酵食品を比較してみると、それぞれこの種類に当てはまる食材がたくさんある。例えば和食の場合、鰹節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が掛け合わさって旨味を増す。一方イタリアは、イノシン酸のアンチョビ+グルタミン酸のチーズなどの組み合わせがあげられる。伊と和の比較でいえば、グルタミン酸同士の昆布はパルメザンチーズに当てはまり、醤油がブラックオリーブ、鰹節や塩辛がアンチョビなどに当てはまる。伊のグルタミン酸食材と和のイノシン酸食材、あるはその逆の組み合わせで素材を選べば、間違いなくおいしい料理が生まれるのだ。

イタリアン×和のW発酵編

イタリアと日本の食材は違っても、美味しさを生むテクの共通点は多い。伊+和2国の発酵食品を組み合わせれば、最強の旨味が誕生する。

烏賊の塩辛とブラックオリーブ、人参のオレキエッテ

まろやかな塩味のブラックオリーブと、濃厚な味わいの烏賊の塩辛が、ともに具材と調味料の両方の役割を果たしている。もっちりとし茹で上げたオレキエッテによく絡む。

材料(4人分)

スルメ烏賊……1杯
塩……適量
日本酒……適量
ブラックオリーブ……50g
葉付き人参……1本
オレキエッテ……240g
ニンニク……1片
ピュアオイル……30g
EXVオリーブオイル……30g

作り方

1 烏賊の肝を塩を敷いたペーパーで包み一晩漬け、身は一夜干しに。

2 1の肝を裏ごして煮切り日本酒でのばし、身を切って混ぜ、1週間おいて塩辛を作る。

3 ブラックオリーブは半分に、人参はイチョウ切りに。

4 フライパンにオイルを引き、潰したニンニクを入れ3を炒め、パスタの茹で汁を加える。

5 固めに茹でたオレキエッテと塩辛を加え、EXVオイルをかけて完成。

ポイント

ブラックオリーブは潰して塩気を出す
ブラックオリーブを炒める際に、途中でパスタの茹で汁を少々加える。オリーブの実はやや潰し気味にしながら炒めて塩分を茹で汁に移し、ソースを作る感覚で炒める。

塩辛はいったん火を止めてから入れる
パスタと塩辛を和える際は、フライパンの火を止めてから入れて混ぜる。塩辛に火が通ってしまうと、風味が損なわれてしまい、臭みも出る。最後に素早く混ぜるのがコツ。

ホウキハタ、アンチョビ風味の蕪蒸し

熟成した甘みの黒ニンニクが入ったタプナードソースが、魚の旨味を引き出す。さらにアンチョビが香る蕪のソースを敷き、鮮やかな蕪の葉のソースをかけた贅沢な一品。三層のソースが魚をふわりと包み、多彩で複雑な味を生む。

材料(1人分)

ホウキハタ(切り身)……40g
アンチョビ……3g
昆布出汁……適量
蕪……50g
ピュアオイル……2g
コラトゥーラ……少々
水溶き片栗粉……適量
うるい……少々

【タプナード材料】8人分
黒ニンニク……30g
ブラックオリーブ……50g

【蕪の葉のソース】1人分
蕪の葉……前述の蕪を使った分
アンチョビ……少々
ニンニク……1/4片

作り方

1 ブラックオリーブと黒にんにくをミキサーにかけて、ホウキハタの切り身の上にのせ、85°Cのオーブンで2分半焼く。

2 すりおろした蕪を火にかけ、昆布出汁と刻んだアンチョビ、コラトゥーラを入れ、水溶き片栗粉でとろみをつける。

3 蕪の葉とアンチョビ、ニンニクをすり潰し、サルサベルデソースを作る。

4 蕪ソースの上にホウキハタをのせて3のソースをかけ、うるいで彩りを添える。

ポイント

蕪ソースにアンチョビの旨味を
すりおろした蕪に、アンチョビの旨味と塩分をしっかり移す。さらにコラトゥーラが加わって、奥行きにある塩味が生まれる。とろみをつけて風味豊かなソースに。

ソラマメのチーズ風味白和え

チーズのコクと白味噌のまろやかさが、ソラマメによく合う。まったりとした食感は口の中で余韻を残し、発酵食品の醍醐味が味わえる。最後にかけたピンクペッパーが、味と彩りのアクセントに。他の食材で試してみるのもおすすめだ。

材料(1〜2人分)

ソラマメ(茹でて皮をむいたもの)……50g
ペコリーノチーズ……50g
生クリーム……50g
白味噌……50g
ピンクペッパー……適量

作り方

1 ペコリーノチーズを細かくすりおろす。

2 すりおろしたチーズに、白味噌と生クリームを加えてしっかり混ぜる。

3 茹でて皮をむいたソラマメに2を和える。

4 皿に盛り、ピンクペッパーを飾って出来上がり。

ポイント

チーズと味噌はむらなくしっかり混ぜる
すりおろしたペコリーノチーズと白味噌はしっかりと混ぜる。味にむらが出ないよう、生クリームで伸ばしながら、味も食感も全体に均一になるようにしよう。

教えてくれた人

erba da nakahigashi シェフ 中東俊文
10代で単身イタリア・トスカーナへ渡り、数々のミシュラン獲得店で経験を積む。帰国後は「Prinz」の料理長、セントレジスホテル大阪「ラベデュータ」のシェフに。その後自身の店を出し、2店舗目もオープンさせた。

erba da nakahigashi(エルバ ダ ナカヒガシ)
住所/東京都港区西麻布4-4-16 NISHIAZABU4416 B1F
TEL/03-03-5467-0560
営業/要問い合わせ
休み/日曜、毎月最終月曜
https://www.erbadanakahigashi.com/

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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