
ドゥカティ パニガーレ V4 衝撃のデビュー その②ボディワーク編

小川 勤
- 2019年07月27日
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DUCATI SPECIAL ISSUE : PANIGALE V4 第2回/全4回シリーズ
ドゥカティの歴史を語る上で、2018年は後世まで語り継がれることになるだろう。新生パニガーレに搭載されたV 4エンジンには、それほど強烈なインパクトがあった。そこで改めて、パニガーレV4の「凄さ」を紐解いていく。全4回シリーズの第1回となる今回はエンジン編。
スペイン・ヴァレンシアサーキットで開催されたワールドローンチ試乗に参加した『ドゥカティマガジン』誌編集長の小川と、ライターの伊丹とで交わされたマシン・インプレッションを振り返っていこう。

MotoGPの開催コースが狭く感じられるほどのパフォーマンス
スペイン・ヴァレンシアサーキットで試乗会を開催 V4で見えたドカの真髄 『パニガーレV4 インプレッション・トーク第2回』
小川:新型キャリパーはコントローラブルですし、丸1日レーシングスピードで走ってもフェードする気配はまったくなし。それにダウン側のシフターもスムーズに入って良かったですね。ブレーキングからターンインに至る挙動がとても軽く、それでいてタイヤの接地感はしっかりある。あらゆる電子制御が相互に作用していることに加えて、逆回転クランクも恩恵も大きいと感じました。
伊丹:加速中も減速中も不用意にタイヤがリフトしないのは確かにそうだと思う。理屈で言えば、前後ホイールのジャイロ効果を逆回転クランクが打ち消そうとするため、直進安定性は劣るはずだし、実際そうだった。それ以外のメリットがあまりにも大きいから、それくらいのネガはガマンしろってことだと思う(笑)。
小川:でもそれだけの価値は確かにあります。エンジンは大きく重たくなっているのに、ハンドリングのシャープさは2気筒と遜色なく、強大だったトルクがほど良く軽減されているのでスロットル開け始めのレスポンスはスムーズ。純粋に走行ラインをトレースすることに集中できました。
伊丹:ま、重たくなっていると言ってもエンジン単体での重量増はわずか2・2㎏だし、車体全体でも5㎏。それだけアップしても車重195㎏(STDのV4は198㎏)に留められているから4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツの中では最軽量の部類。214㎰の最高出力の前ではそんな重量増なんてなんの影響もない(笑)。それよりもコーナリング中の振る舞いが洗練されていて、挙動がほとんど乱れないからどこに限界があるのか探りたくなるんだよね。ブレーキングポイントは奥になるし、バンク角も深くなる一方。しかも立ち上がりでスロットルを開けるポイントも早くなる……といった具合にどんどん操作が積極的になり、身体のオフセット量も増えていくので体力の消耗がハンパない。でも、走行中に「今の俺、なんかモトGPライダーっぽくない!?」って思える瞬間が度々あって、それが結構気持ちよく、ライディングの満足度は極めて高い。趣味としてバイクを楽しむわけだから、こういう感覚に浸れるかどうかはとても大切。
『パニガーレ V4 衝撃のデビュー ボディワーク編』
衝撃! 『エンジンはシャーシの一部』 1299パニガーレよりわずか5.5kg増

衝撃!専用キャリパーで軽量かつ耐フェード性を向上

衝撃!専用タイヤでエアボリュームを稼ぐ

衝撃!軽量なリチウムバッテリーを採用

衝撃!サイドスタンドにアシスト”ポチ”がある!!

衝撃!リヤサスペンションをエンジンにマウント!

衝撃!燃料タンクをシート下にしてマスの集中化

衝撃!スイングアームは1299より長い?

衝撃!フレーム剛性に頼らないハンドリング性能作りを一貫

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