ドゥカティ パニガーレ V4 衝撃のデビュー  その➂デザイン編

ドゥカティ パニガーレ V4 衝撃のデビュー その➂デザイン編

DUCATI SPECIAL ISSUE : PANIGALE V4 第3回/全4回シリーズ

ドゥカティの歴史を語る上で、2018年は後世まで語り継がれることになるだろう。新生パニガーレに搭載されたV 4エンジンには、それほど強烈なインパクトがあった。そこで改めて、パニガーレV4の「凄さ」を紐解いていく。

第3回となる今回はデザイン編。ドゥカティならではのイタリアンスタイルを踏襲しつつもV4となりデザインは「ドゥカティらしさ」をどこまで維持できれるか、ではなく、さらに進化していたのだ。当時の最新技術をスペイン・ヴァレンシアサーキットで開催されたワールドローンチ試乗で『ドゥカティマガジン』誌編集長の小川とライターの伊丹とで交わされたマシン・インプレッションの最終談話とともに振り返っていこう。

『パニガーレV4 インプレッション・トーク第3回』

 

小川:電子制御だけじゃなく、パーツ単体にもいろいろなチャレンジが見られますね。既存のどのモデルにも似ていないフロントフレームは独創的ですし、エンジンにボルトマウントされているリヤサスペンションの設計にも驚かされました。こうした部分はハンドリングにかなり影響を及ぼしそうですが、乗っていてまったく気にならないどころか、むしろしなやか印象でした。このモデルのためにピレリと共同開発した200 /60サイズのリヤタイヤもいいですね。ギャップの吸収性が高いことはすぐに体感できましたし、そのしなやかさがグリップ感とコントロール性の高さに繋がっています。

伊丹:そう、フル加速の凶暴さ以外はなにからなにまで「しなやか」なんだよね。V4Sの低速トルクは「ドゥルルルル」と穏やかで、場合によってはやや薄いんだけど、1299の「ダンダンッ」っていうトゲはない。車体もV4Sは「グゥゥゥ」とゆっくりとしなるような手応えがある一方、1299は「カツンカツン」と硬質。好みや相性は人それぞれだけど、V4Sの方が優しいのは間違いない。

小川:でも、それでドゥカティらしさがなくなったかと言えばそんなことはないんですよね。自分たちがやりたいことやる、作りたいモノを作るという姿勢はこれまでのドゥカティそのものですし、例えばサウンドはどこか2気筒的。ひと口にV4エンジンと言っても、アプリリアやホンダのそれとはまったく違う印象です。

伊丹:正直スタイリングの印象は1299とそれほど変わらなかったから保守的だな、なんて思っていた。でも知れば知るほど作り込まれていて、感心することばかり。一刻も早く、日本でも体感したい。

 

『デザイン編』複雑なようで無駄がない グラフィックに頼らない美学がある

ドゥカティには他メーカーにはない魅力がいくつもあるがバイクに詳しい人じゃなくても伝わるのがデザイン力だ。若きデザイナーが作り上げた新しいスーパーバイク像とは?

 

衝撃!スリムに見せるダブルパネル

今回、新しく採用されたカウルのデザインが「デュアル・レイヤー」と呼ばれる手法だ。これはインナーカウルをエンジンやフレームに添うように装着してエアアウトレットの役割を持たせ、そこにもう1枚のメインカウルを組み合わせるという凝った構造である。同じことを一体成型のパーツでしようとするとむしろ幅が広がってしまうが、この2枚方式によってカウルをギリギリまで内側に追い込むことに成功しているのだ。(※2気筒から4気筒になったものの、カウルの張り出しは必要最小限。アイデンティティのひとつでもあるスリムさはV4になっても変わらず踏襲されている)

衝撃!デザイナーは若干29歳!

パニガーレV4のチーフデザイナーはフランス出身のジュリアン・クレメンさんだ。ドゥカティには’11年に入社し、スクランブラーやスーパースポーツのプロジェクトチームに参加。このモデルの開発が始まる時、5人の社内コンペを勝ち抜き、デザイン部門のリーダーに抜擢された。単にカウルの形状を決めるだけでなく、エンジン部門や車体部門、そしてレース部門であるドゥカティコルセとも綿密に連携を取りながらプロジェクトを推進。ハンドリングやエアロダイナミクスの向上にも寄与している(※クレメンさんが考えていた初期のクレイモデル。マフラーやサスペンションの取り回しなど外装以外のセクションとも深く関わり、カタチが決まっていった)

衝撃!イメージソースは往年の名車「916」

もっとMotoGPマシンに近づければいいのに」というこちらの投げかけに対し、クレメンさんは「916をリスペクトしているため、そこにインスピレーションを求めた」と答えてくれた。中でも強く影響を受けたのが916独特のクリーンなサイドカウルで、デュアル・レイヤーカウルによってそれを現代的に解釈したとのこと。フレームやエンジンをラッピングするようなイメージでカウルを装着し、916の無駄を廃したスリムさを再現。軽量化の他、空力や運動性の向上にも配慮されている。登場からすでに四半世紀が経過しているが、やはり916とマッシモ・タンブリーニが残したインパクトは大きい

衝撃!EICMAで「もっとも美しいバイク」を受賞

17年11月、イタリアで開催されたEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)において、発表されたばかりのパニガーレV4が「世界で最も美しいバイク」アワードを受賞した。これはショーの来場者の得票によって選出されるため、人気の高さがそのまま結果につながった格好だ。受賞式には前出のチーフデザイナー、ジュリアン・クレメンが出席し、感謝のコメントを残している。(※第75回EICMAには過去最多となる60万人以上の来場者が詰めかけた。パニガーレV4は全投票者のうち、61.17%もの人に支持され1位を獲得するなど、圧倒的な人気を誇った)

衝撃!美しさはテールの先まで抜かりない!

テールカウルに設けられたエアスクープは初代パニガーレから踏襲されているものの、形状そのものに共通点はなく、まったく新しく意匠が与えられている。またその美しさにもこだわり、カウルを取り外した時にはウイングに見えるなど、細部まで抜かりなくデザイン。もちろん実際にスポイラーとしての機能も果たし、空力の向上が図られている。大きく湾曲した一体型LEDライトも見事だ

衝撃!捕えられると目が離せなくなる魅力はもはや魔力

LツインにもV4にも同じパニガーレという名称が与えられていることからも分かる通り、確かに一見しただけではスタイルは大きく変わっていないように見える。しかしながら、なにひとつ共通パーツはなく、それなのにこれまでのパニガーレのイメージはしっかり踏襲されるという非常にきめ細やかな、そして高度なデザインが随所に見て取れる。そのため、眺める角度によって表情はさまざま。グラフィックはほぼないに等しいにもかかわらず、面とエッジで力強さや繊細さが表現されている

 

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趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

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