ドゥカティ パニガーレ V4 衝撃のデビュー  その④チャレンジ編

ドゥカティ パニガーレ V4 衝撃のデビュー その④チャレンジ編

DUCATI SPECIAL ISSUE : PANIGALE V4 第4回/全4回シリーズ

ドゥカティの歴史を語る上で、2018年は後世まで語り継がれることになるだろう。新生パニガーレに搭載されたV 4エンジンには、それほど強烈なインパクトがあった。そこで改めて、パニガーレV4の「凄さ」を紐解いていく。

第4回の最終回となる今回はチャレンジ編だ。ドゥカティならではの技術やV4開発にいたる歴史など、数々の挑戦をお届けする。貴重な本社工場の製造ラインなども普段なかなか見ることのない内容が満載だ。

『パニガーレV4がいかにして生まれ、今後どうなるのか? パニガーレV4チャレンジ編 第4回』

衝撃!本社併設工場にV4専用ラインを設定
パニガーレV4の生産が開始されるにあたって、ドゥカティは工場の一角に専用のスペースを構築。見学に訪れたのは1月下旬だが、すでにフル稼働していた。作業の多くは手作業で行われているが工程を管理するためのQRコードや組み上がったパーツの測定器などが導入され、クオリティコントロールが徹底されている。また、工員の体格によって作業台がアジャストできるなど快適性と安全性にも配慮。生産効率を高めるための工夫が凝らされている。

新設されたV4エンジンの組み立てスペースは30m四方といったところ。組み付けの順序を間違うと工具が作動しないなど管理が徹底されている

BODY LINE 車体ライン

こちらはフレームやサスペンションの組み付けライン。パーツは専用のトレーで管理され、紛失や作業ミスがひと目で分かるようになっている。最後にエンジンを始動させ、すべてのチェックを行う

ENGINE LINE エンジンライン

ピストン組み込み工程と電動トルクレンチで管理する部分を除けば、エンジンはほぼ手組みによって生産される。クランクケースは横割りだが、これはドゥカティの市販車としては初めてのことだ

衝撃!キット装着で226㎰発揮!!

最高出力214㎰、車体重量195kg(V4 S)というスペックはそれだけで充分なインパクトを放っているが、実は純正パーツでさらに上を目指すことができる。その方法は簡単でアクラポビッチ製のフル・レーシング・チタン・エキゾーストと専用ECUに交換するだけでパワーは226㎰に向上し、6kgの軽量化も達成できるというから驚く。実際に試乗もできたが、STDエンジンに対して回転がよりフラットに上昇。むしろ扱いやすさが増していた。

衝撃!2019年のシナリオは「R」の登場&WSB参戦!?

STDエンジンのレブリミットは1 〜5速までが14500rpm、6速では15000rpm で作動する。今回の実走では確認できなかったが、WSBのベースとなる「R」が登場すればさらに高められている可能性がある!?

パニガーレV4 の排気量は1103ccゆえ、そのままではWSB選手権に出場することができない。しかしながらこのレースはドゥカティの象徴でもあるため、もちろん1000ccバージョンの開発も進行中。これまでの慣例に従って車名に「R」が付くかどうかは不明ながら、すでにサーキットテストを行っているところが公にされている。理想のシナリオとしては、LツインのパニガーレRで’18年シーズンのタイトルを獲得して有終の美を飾り、翌’19年にV4R(?)へとバトンタッチすることが望まれる。

衝撃!脈々と続いてきたV4へのチャレンジ

ドゥカティの量産市販車に搭載されたV4エンジンは今回のパニガーレV4が初だが、レーシングマシンではすでに15年の実績がある。そう、MotoGP マシンに送り込まれているデスモセディチGPシリーズがそれだ。’03年に初代マシン・デスモセディチGP3で参戦を開始し、現在はGP18に進化。レギュレーションに従って排気量こそ990cc、800cc、1000ccと変遷してきたが、一貫して変わらなかったのは90°のバンク角を持つV4エンジンを搭載してきたことだ。そのチャレンジで得たフィードバックがあったからこそパニガーレV4の誕生につながった。

2003デスモセディチ※写真左
ドゥカティは’03年からMotoGP に参戦を開始。ロリス・カピロッシが参戦6戦目で優勝を果たすなど初年度から目覚ましい結果を残した。排気量の上限は990ccだった
2006デスモセディチRR※写真右
量産ではないがパニガーレV4以前にもV4エンジンの市販車があった。それがデスモセディチRRだ。989ccの排気量から200㎰を発生し、当時の価格は787万5000円
2018 GP18 ※写真下
そしてこちらが’18年シーズンを戦う最新マシン。昨年、アンドレア・ドヴィツィオーゾが6勝を挙げたマシンの進化版としてタイトルを狙う。排気量は1000cc

市販化を狙った4気筒モデルがあった!

ドゥカティはパニガーレV4やデスモセディチRRよりも遥か以前に、4気筒エンジンの市販化を模索していた。最初のモデルが’63年にアメリカ向けに試作されたアポロ(※写真左)で、クルーザータイプの車体に1260ccの空冷L型4気筒が搭載された。もうひとつが500ccのパンタエンジンを2基並べた通称ビパンタ(※写真右)だ。市場のニーズやコスト、時代背景など、いくつかの事情が重なって量産化は見送られたが、ひとつの大きなチャレンジだった

衝撃!登場と共にすでに3モデルを発表

日本へ導入が開始されたパニガーレV4には3種のモデルがラインナップした。もっともベーシックなグレードが「パニガーレV4」で、その上級グレードとして「パニガーレV4 S」を用意。そして限定生産のプレミアムモデルが「パニガーレV4スペチアーレ」(導入時期未定)という展開だ。すべてのパーツが刷新され、スペックも大幅に向上したことを思えば大バーゲンプライスと言っても間違いない!

PANIGALE V4 263万9000円
フロントにショーワ、リヤにザックスの機械調整式サスペンションを装備。サス以外の電子制御とエンジンスペックはV4Sと共通のため、コストパフォーマンスに優れる
PANIGALE V4 S 328万
前後サスペンションにオーリンズの電子制御式を装備する他、ホイールが鍛造アルミに、バッテリーがリチウムイオンになるなど、軽量化が図られた上級グレード
PANIGALE V4 SPECIALE 445万〜590万
専用のカーボンパーツや削り出しトップブリッジなど数々のスペシャルパーツを装備するトップグレード。マグネシウムホイール仕様も追加される

SHARE

PROFILE

小川 勤

RIDERS CLUB編集長

小川 勤

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

DUCATI Magazine TOPへ

No more pages to load