
【DUCATI モンスター】異端児からスタンダードへ!

DUCATI Magazine 編集部
- 2019年08月20日
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異端児からスタンダードへ!
ときにドゥカティは、バイクをカテゴリーごと創出する。例えば90年代前半に先進性を纏って生まれたモンスターは、ドゥカティになくてはならない“顔”のひとつに昇華している。
登場から25年以上も経過し、今なお大人気のモンスターシリーズの歴史を振り返る。ネイキッドバイクの枠におさまることがなく、異端児とよばれ続けるうちに、いつのまに「モンスター」というひとつのジャンルにまでなったのだ。今回はそんな歴代モンスターの主要モデルを紹介していく。
現代でも十分に通用する走りを追求した機能美 1993年 M900

本社併設ミュージアムにはタンクモチーフの展示エリアがある

初代モンスターがデビューした90年代前半、主要メーカーが手がけるネイキッドの多くは、普遍的あるいは懐古的なスタイルを貫いていた。一方で当時のドゥカティは、カウル付きのロードスポーツ系を中心とするメーカーだった。
だから、ネイキッドスタイルでありながら倒立フロントフォークやシングルシートカウルを備え、スーパーバイク851/888と同一のトレリスフレームにスーパースポーツ由来のエンジンを搭載してデビューしたM900は、ネイキッド市場とドゥカティラインナップ両方にとって、異端だった。
ミゲール・アンジェル・ガルーツィ

しかし初代モンスターは、なにも異端児たることを狙ったモデルではない。一切の過剰を取り除いて、視覚的にもコンパクト化を追求しながらスポーツ性を追求した結果、このカタチになった。当時、デザインを担当したミゲール・A・ガルーツィはこう語っている。
「必要なのはシート、燃料タンク、エンジン、タイヤ、そしてハンドル。それだけだ」
そしてモンスターは、市場ではスポーティなネイキッドとして位置づけられた。その後、多くのブランドが模倣。近年はストリートファイターというカテゴリーにも派生したが、先駆者であるモンスターは、安易な迎合などしない。
なぜなら、モンスターそのものが、ひとつのカテゴリーとして確立されているからである。
剛性に優れるST系トラスフレームに 2002年 M900

DSエンジン新搭載のスタンダード 2003年 M1000S

過激なS4Rの弟分として登場 2005年 S2R800

スポーツ装備強化で空冷系の頂点に 2006年 S2R1000

ドカ入門用としても大活躍したミドル 2008年 696

これまでの伝統に先進性をプラス 2009年 1100

現行型につながる水冷エンジン仕様 2013年 1200

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情熱を意味する真っ赤なボディで駆け抜ける、イタリアを代表するバイク「ドゥカティ」。世界のレースシーンで培った技術、ストーリーを凝縮した専門マガジン。