【DUCATI モンスター】異端児からスタンダードへ!

異端児からスタンダードへ!

ときにドゥカティは、バイクをカテゴリーごと創出する。例えば90年代前半に先進性を纏って生まれたモンスターは、ドゥカティになくてはならない“顔”のひとつに昇華している。

登場から25年以上も経過し、今なお大人気のモンスターシリーズの歴史を振り返る。ネイキッドバイクの枠におさまることがなく、異端児とよばれ続けるうちに、いつのまに「モンスター」というひとつのジャンルにまでなったのだ。今回はそんな歴代モンスターの主要モデルを紹介していく。

現代でも十分に通用する走りを追求した機能美 1993年 M900

スーパーバイク851/888用をベースとするトラスフレームに、スーパースポーツ譲りの904㏄空冷2バルブLツインエンジンを搭載。当初はキャブレター燃料供給方式だったが、’00年型でインジェクション化。同時に、タコメーターの追加やエンジンの熟成なども施された。

本社併設ミュージアムにはタンクモチーフの展示エリアがある

モンスターの個性を強調するアイテムといえば、大きくてグラマラスな燃料タンク。形状こそ変遷をたどり続けるが、存在感の大きさは不変だ。本社併設のミュージアムには、歴代モンスターの燃料タンクをモチーフとしたオブジェが壁に並べられ、説明がなくてもそれがモンスターのモノであると分かる。

初代モンスターがデビューした90年代前半、主要メーカーが手がけるネイキッドの多くは、普遍的あるいは懐古的なスタイルを貫いていた。一方で当時のドゥカティは、カウル付きのロードスポーツ系を中心とするメーカーだった。

だから、ネイキッドスタイルでありながら倒立フロントフォークやシングルシートカウルを備え、スーパーバイク851/888と同一のトレリスフレームにスーパースポーツ由来のエンジンを搭載してデビューしたM900は、ネイキッド市場とドゥカティラインナップ両方にとって、異端だった。

ミゲール・アンジェル・ガルーツィ

初代モンスターのデザインを担当したのはミゲール・A・ガルーツィ。1959年にアルゼンチンで生まれ、米国でデザインを学び、カジバやアプリリア、モト・グッツィなどを渡り歩いた彼が、ドゥカティに残した大きなレガシーがモンスターだ。

しかし初代モンスターは、なにも異端児たることを狙ったモデルではない。一切の過剰を取り除いて、視覚的にもコンパクト化を追求しながらスポーツ性を追求した結果、このカタチになった。当時、デザインを担当したミゲール・A・ガルーツィはこう語っている。
「必要なのはシート、燃料タンク、エンジン、タイヤ、そしてハンドル。それだけだ」

そしてモンスターは、市場ではスポーティなネイキッドとして位置づけられた。その後、多くのブランドが模倣。近年はストリートファイターというカテゴリーにも派生したが、先駆者であるモンスターは、安易な迎合などしない。

なぜなら、モンスターそのものが、ひとつのカテゴリーとして確立されているからである。

剛性に優れるST系トラスフレームに 2002年 M900

STシリーズ用をベースとした、剛性の高いラージフレームに変更。Sはビキニカウルとシングルシートカバーを標準装備し、スイングアームがアルミ製

DSエンジン新搭載のスタンダード 2003年 M1000S

水冷S4系とは異なる元祖モンスターを色濃く継承した車体に、ムルティストラーダ譲りとなるデュアルスパークの992㏄空冷2バルブエンジンを積む

過激なS4Rの弟分として登場 2005年 S2R800

モンスターS4Rの兄弟モデルで、同じく片持ちスイングアームと右2本出しマフラーを備えるが、エンジンは803㏄空冷2バルブで、サスもベーシックだ

スポーツ装備強化で空冷系の頂点に 2006年 S2R1000

S4Rと同様の片持ちスイングアームやマルケジーニ製ホイール、樹脂製燃料タンクなどを備えたハイエンド。ショーワ製のフロントサスペンションはフルアジャスタブルだ

ドカ入門用としても大活躍したミドル 2008年 696

次世代的なデザインが与えられた、完全新設計モデルとして登場。80馬力の扱いやすい空冷2バルブエンジンと約100万円の価格で、入門用としても人気に

これまでの伝統に先進性をプラス 2009年 1100

S2R用をベースとしながらクランクケースから新設計した1078㏄空冷2バルブエンジンを、現代的ショートフレームに搭載。Sは前後サスがオーリンズ製

現行型につながる水冷エンジン仕様 2013年 1200

新たな旗艦として車体から新作。テスタストレッタ 11°DSエンジンを使い、水冷復活モデルともなった。ライディングモードなど、電子制御技術も充実化

 

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DUCATI Magazine 編集部

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情熱を意味する真っ赤なボディで駆け抜ける、イタリアを代表するバイク「ドゥカティ」。世界のレースシーンで培った技術、ストーリーを凝縮した専門マガジン。

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