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『ビモータ×ドゥカティ』色褪せない人生のベストハンドリングマシン-bimota db1-

ビモータがドゥカティのエンジンを搭載した第1号車、それがdb1だ。ハンドメイドで仕上げられた意欲作で、世界中に衝撃を与えたビモータを“ハンドリングマジシャン”とイメージづけた傑作車である。

ドゥカティマガジンで特集掲載し好評を博した『Handing Memories』。今回は『bimota db1』をお届けしよう。約30年前の車両をカスタムショップのTIOの技術で完全復活。伝説のハンドリングを現代に蘇らせた。

人生のベストハンドリングマシン bimotadb1

ビモータdb1のデビューは85年。ドゥカティの750F1パンタのエンジンを独自のパイプフレームに搭載し、前後16インチのラジアルタイヤを履き、一体式のフルカウルを纏っていた。同時期のドゥカティはパンタ。しかし、パンタは難しい……と言われ、それは僕が後にパンタに乗った時も 同じ印象だった。まるで前輪がすくわれるようにリーンし、とても難しかった。ドゥカティはスパルタン……916、初代モンスターなどを経験した後に乗ったパンタが僕の中でそれを決定づけた。それ以来、旧いドカに抵抗を感じていたのも事実で、db1にもドキドキして挑んだのを思い出す。

僕が初めてdb1に乗ったのは98年。跨った瞬間に小ささに驚き、走り出してひとつめのコーナーで地面が急接近してきたのに怖さのないハンドリングに感動した。緊張は一瞬で払拭された。あのパンタエンジンとは思えない異質の素直さで、曲がり始めた瞬間から前後輪がどんどんグリップを増していき、しかもニュートラルな感覚はそれまでのバイクから味わったことのない世界だった。

そんな馬鹿な……何度もそう思いつつもバイクのコーナリングの面白さに気が付いていく自分がいたのだ。400㏄でもこんな風に思ったことはなく、750㏄のしかも外車の中でも敷居の高いビモータからそんな洗礼を受けるとは夢にも思わなかった。そのインパクトの大きさは何となく想像していただけることと思う。

しかし、当時でもデビューから13年も経っており、それから気がつけば約20年が経過。僕はバイクに乗り続けているが、実はあの時の感動を忘れられずにいた。そして、キャリアを重ねたいま、db1に乗ってみたいという思いが日々強くなり、今回TIO代表の川瀬さんに試乗をリクエストしたのだ。20年前、僕は大型免許を取って間もないビギナー、というよりただの小僧であり、もしかしたら年上の女性に翻弄されていただけなのかもしれないから……。

ビモータとしては初の純イタリア製のマシン。フルカバードボディも斬新だが、カウルを外した時の美しさにもこだわるのがビモータなのだ。ストリップは、いま見ても旧さを感じない

今回の再会は、初恋の彼女に出会うような思い……会わない方が良かったと思うのか、昔話に花が咲く程度か、それとも昔のように再び熱く盛り上がれるのか……。 僕の中でさまざまな思いが巡る。

しかし、再会したdb1の美貌は健在だった。とてもコンパクトで押し引きも軽く、足着き性も抜群だ。色褪せるばかりか、とても素敵に歳を重ねている。

その小ささはやはり750㏄の感覚でなく、レプリカ時代の2ストロークを思わせるほどの軽さで、なぜいまのバイクにこのコンパクトさや軽さがないのか不思議になるほど。誕生から30年以上経過しているが旧さはない。

趣味性に溢れるディテールばかりで、アルミ鍛造のステップや削り出しのトップブリッジは思わず愛でたくなる美しさ。フルカウルのボディの下には合理的なトレリスフレームが宿り、750F1パンタと同じエンジンを搭載する。

フロントディスクはTIOオリジナルのステンレスに変更。ステップはアルミ鍛造。アルミ削り出しのトップブリッジなど、ビモータらしいディテールが満載だ

走り出すと、とても軽いし、それはやはり750㏄の次元ではない。30年も前にこのハンドリングを生み出していたビモータの凄さに驚く。そしてそのハンドリングはとても素直だ。ブレーキをリリ ースしていくと自然と前後輪のグリップが増えていく路面にタイヤ が吸い付くような感覚が安心感に繋がる。今回の車両は、当時と変わらない16インチだが、銘柄はゴ ールデンタイヤで、さすがにグリップ自体は低く、少し攻めるとスライドが止まらない……。

しかし、そのハンドリングの良さは十分に堪能できた。結論から言うとdb1はまったく色褪せていなかった。ブレーキをリリースし、リーンしていく過程の素直さと気持ちよさといったらない。僕の人生のベストハンドリングマシンとして揺らぐことはなかった。

約20年前に感じたハンドリングはいまも色褪せない。誰もがコーナリングを楽しめるように……そんなビモータの思いは健在だ

改めてdb1に再会して思った。いまこそ、こういったパワーなどのスペック、そしてレースとは関係のない、純粋にコーナリングを 楽しめるバイクを切望したい。

そうすることで、スポーツライディングに目覚めるライダーは増えるし、将来パニガーレなどのハイスペックなバイクに乗るライダーも育むはずだ。また、年配のライダーがバイクを長く乗る理由にも繋がると思う。パワーよりも軽さ、そして誰もが楽しめるハンドリングの追求を現在の技術とアイデアで形にしてほしい。

ドゥカティにはdb1のエンジンとほとんど変わらない、スクランブラーの803㏄空冷Lツインが、いまもあるのだから……。

現在も16インチタイヤを手に入れることはできるが、銘柄は少なくなってしまうのは仕方のないところ。いまも攻めたいなら17インチにするしかない

これほどシンプルで美しく、合理的なトレリスフレームは見たことない

合理的な応力分散を図れるトレリスフレーム。 1カ所に3~4点溶接する技法は量産車では成し得ないハンドメイドの証。作業効率は落ちるがハンドリングのために妥協しなかった

-Column-ハンドリングって何? その答えが少しだけ見えた

db1を目の前にした時の第一印象は「小さい」でした。もっと大きくてライディングフォームもキツいのだろうと想像していたのです。 走り出した途端にdb1と一体になれているよう な感覚が。手中で操れている乗らされていない。 自分のモンスター696よりも素直なハンドリングで、ウワサで聞いていた「最高に乗りやすいバ イク」というのが本当だと実感しました。 自分の感覚が信じられなくなるくらい、曲がりたい時に、イメージ通りのタイミングで心地よく曲がっていく。ライダーの気持ちを感じ取りながら走ってくれているようで、こんな体験は初めてでした。しかも30年も前にこんな極上のバイクが完成していたなんて……なんだか嬉し悔しい気持ちになりました。

写真右:250㏄クラスかと思うほど、想像以上にコンパクトな車体。シート下も細く、身長160㎝の私の両足がほぼべったり着くほどでした 写真左:いつも編集部(主に私)からの無理なお願いを叶えてくれるTIOの川瀬さん。バイクに向き合う時の目は鋭いけれど、その奥からバイクへの愛情が感じ取れます

 

 

 

 

 

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PROFILE

小川 勤

RIDERS CLUB編集長

小川 勤

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

小川 勤の記事一覧

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

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