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【プレイバック・インプレ】ツインの新時代が到来!! パニガーレV2 デビューレポート

ドゥカティツインに新時代到来!
スーパーバイクシリーズはV4 にシフトしていくのか… …そんな心配は杞憂だった
車名に初めてV2 の名を冠し、ドゥカティはツインの歴史を新たにスタートさせようとしている

今回は、本誌「ドゥカティマガジン」で好評を博した「SPECIAL ISSUE」第3弾をお送りする。ドゥカティに新時代を告げるツインモデル「PANIGALE V2」のデビュー試乗会の現地レポートとインプレだ。インプレは本誌編集長小川がつとめ、新時代に突入した当時のドゥカティの最新事情を振り返っていく。

SPECIAL ISSUE PANIGALE V2 乗るほどにワクワクしてくるドゥカティらしさが満載!

試乗日の前日にマドリードからヘレスに移動すると、そこは春のような気候だった。太陽の下であれば半袖でも過ごすことができるほど。この日の日中は自由時間で、夜はドゥカティの本国のメンバーと一緒に夕食をとる。ホテルのロビーとディナー会場ではパニガーレV2が僕らを迎えてくれた。

MotoGPも開催されるヘレスサーキットで試乗! パニガーレV2の国際試乗会はスペインのヘレスサーキットで開催された。ヘレスは旋回中にさまざまな操作を強いられるとてもテクニカルなコースだ

最近は開発メンバーに若者も増えており、そのアイデアは斬新だ。モトGP開発陣が市販車に移動することもあり、お互いの技術を積極的に採用しあっている。「ケイシーはカーボンモノコックフレームを採用したとき、いきなり1・5秒もタイムを詰めてきたんだ。スイングアームも実は両持ちよりも片持ちの方が剛性をコントロールしやすい」……などなどその話は興味深い。

748 スーパーミッドコンセプトはここから始まった。’94年のミラノショーで発表され、’95年からラインナップに加わった748シリーズ。国産600cc4気筒と戦うWSS参戦が目的で、SPは916よりもレーシーなチューンが施されていた

翌日は朝からヘレスに。ピットにズラリと並んだ真っ赤なパニガーレV2は独特のオーラを放つ。

パニガーレV2は、その名の通りパニガーレV4のルックスをオマージュした、ツインエンジンを搭載する最高峰のスーパースポーツだ。V2の名を冠する初めてのドゥカティだが、エンジンはこれまでのLツインだ。Lツインと呼ばれていたのは、前シリンダーが地面に対し平行に近いカタチでフレームに搭載されていた時代からの名残りである。最近は車体設計の自由度を向上させる目的で、前輪とエンジンを近づけるためエンジン搭載角はどんどん起きて、V型に近くなっていったのである。

車名に初めてV2 を採用! 
959パニガーレのLツインがベースだが、車名にV2を冠する初めてのドゥカティとなったパニガーレV2。ユーロ5に対応し、エアダクトやインジェクターを見直すことで959パニガーレから5hpアップを実現した

実は12年に発売された初代パニガーレである1199の時から、このV型と言える搭載角度になっている。突然V2という車名が採用されたことから、そのエンジンや車体構成が変わったと思う方も多いかもしれないが、パニガーレV2のベースは19年モデルの959パニガーレである。当然シリンダーの挟み角は90度で、エンジンやフレーム、ガソリンタンクに大きな変更はない。

パニガーレV4をL4と呼ばない(初代モトGPレプリカであるデスモセディチRRはL4と呼ばれていた)のと同様で、これはドゥカティがツインのスーパースポーツを新しい時代に進めるための覚悟、そしてスーパーバイクのホモロゲマシンがV4時代になった今もツインを大切にしていくという意気込みの現れだ。

そのエンジンは新しい規制であるユーロ5に対応。955㏄という排気量は959パニガーレから変わらないものの、インジェクターやエアの導入口を見直すことで5hpアップの155hpを実現している。916時代を思い出すともはやミドルと呼ぶ排気量やパワーではないものの、最新の技術やパーツ、そして電子制御がそのスペックをより扱いやすいものとしている。時代は大きく動きつつも変わらないドゥカティならではのフィロソフィーが貫かれており、それはこのパニガーレV2にもしっかりと受け継がれている。

ドゥカティの試乗会はホスピタリティが充実 
ホテルのロビーとディナー会場にはパニガーレV2が鎮座。テーブルには各自の名前が入ったミニチュアヘルメットが置かれ、お土産に。プロシュートでDUCATIのロゴをあしらうなど、遊び心満載。常にユーザーはもちろん我々も楽しませてくれるのがドゥカティで、それはバイクづくりにも反映されている
ピレリ製スーパーコルサで試乗 OEMタイヤはピレリ製ディアブロロッソコルサⅢで、市街地からサーキットまで楽しめる。リヤの180/60サイズはエアボリュームを稼ぐことができ、とてもスポーティ。今回はレース用のスーパーコルサで試乗した

そのひとつはLツインエンジンだ。独特の爆発間隔はベベル時代から変わらないもので、ドゥカティがいかにこのエンジンを大切にしているかが分かる。もうひとつはこのエンジンをフレームのストレスメンバーとしていることで、これもベベル時代、その後のスチールトレリスフレーム時代になっても変わらなかったドゥカティの手法だ。その考えはモノコックフレームになったいま、より顕著になったといえるだろう。

モノコックフレームがスリムな車体を構成する

エンジンに4本のボルトで締結されるエアボックスも兼ねるモノコックフレーム。4.2kgと軽量で、その幅はシリンダーと同等で超スリム。1199や899パニガーレに採用され、右イラストの金色の部分を変更することで、キャスター角などを変えながらその可能性を模索してきた。エンジンにフレームと片持ちスイングアーム、リヤサスペンションが装着されている車体構成はかなり個性的だ

メインフレームはとてもコンパクトで4・2㎏しかないアルミ鋳造製。それはエアボックスも兼ね、さらにタンクの底面がエアボックスの蓋を兼ねるという合理的なつくりで、車体構成は極めてシンプルだ。新しく採用された片持ちのスイングアームもエンジンにマウントされたアルミのブロックにボルトで締結され、これほどエンジンをフレームの一部と考える車体思想は他のメーカーにはない。フレームはとてもスリムで、その幅はほぼシリンダーと同じくらい。これがアルミツインスパーだとエンジンの周囲をグルリと囲むため、とても大柄な車体になるのだ。

V4ルックとなったスタイリングも洗練されていて、デュアルレイヤーカウルはイタリアンならではの色気を放つ。グラフィックに頼らず、曲面をきちんと繋げていくデザインはまさに隙がなく、さまざまな角度から眺めたくなるし、いつまで見ていても飽きない。

エンジンが始動され、試乗の準備が進む。ブリッピングされるとドゥカティならではの歯切れの良さが伝わってくる。タイヤウォーマーが外され、いよいよコースイン。初めてのヘレスは思っていたよりもコース幅が狭く、バンクしたままシフトアップ&ダウンを強いられ、先の見えない出口に向かってスロットルを全開にしていくテクニカルなコースだ。

こんな時ありがたさを感じるのはシフターで、旋回中のギヤチェンジでも車体に大きな挙動がでないため安心だ。また最初はスポーツモードでスタートしたためスロットルを開けた時の車体の挙動が穏やかで、バイクとコースに慣れやすかった。そこには余裕を持って付き合える優しさがあり、タイヤと身体のウオームアップにも電子制御は役立ってくれた。

これがV4だったらパワーに翻弄され、それどころではないだろう……。200hpオーバーは常に大きな緊張感と隣り合わせだ。

ライディングモードを自分に合わせたい

ライディングモードはレース、スポーツ、ストリートの3種類。すべてで155hpを発揮するが、スロットルレスポンスが変化する。モードに連動してトラクションコントロール、ウイリーコントロール、ABSの介入度が変化し、これらは任意に設定することも可能だ

アシンメトリーな車体でオリジナリティを確立

片持ちスイングアームやリヤサスペンションの取り付け方法など、アシンメトリーな車体構成も特徴だ
スーパーミッドに久しぶりに片持ちスイングアームを採用。これは、車体のバランス向上はもちろん、軽量化にも貢献。リヤサスはザックス製だ

2本目からはモードをレースに変更。スロットルレスポンスが変わり、伸びがよい。少しずつペースを上げていくと際立つのは車体とエンジンのバランスの良さだ。ちなみにライディングモードはスロットルを戻していれば走行中でも変更が可能だ。

ホイールベースは、片持ちスイングアームが採用されたことで959パニガーレから5㎜延長され、前後サスペンションの設定変更もあり、ハンドリングは安定方向になっている。

モノコックフレームはどこかソリッドで切れ味の鋭いところがあったが、そこに若干落ち着きが出たことで、新しいパニガーレV2はどこまでも信用できて、常にライダーがコントロールしている実感が強い。スリムでクイックだが、そこに軽薄さは皆無。それは1000㏄近い排気量のバイクとは思えないほどの質量で、だからどこまでも旋回スピードを上げていきたくなる。

ブレーキング時のスタビリティはとても高く、前輪の接地感が常に明確だ。ABSもしっかり機能しているため、後輪が横に振り出すような挙動も出ない。制動力が高いのはもちろんだが、ブレーキをリリースしていった際のコントロール性も高く、曲がるタイミングをみつけやすい。鋭く向きを変え、いかに早くバイクを起こして立ち上がっていくか──そんなテーマを少しずつ自分なりに追求していくのが楽しい。

速さと美しさを両立するイタリアンデザイン!
フロントフォークはφ43mmのショーワ製BPF。リヤはザックス製で車体左側にマウント。前後サスペンションはフルアジャスタブルだ。デュアルレイヤーカウルやテール周りが美しい。シートは959パニガーレより厚みも広さも増している

パワーやトルクが増えたことで、すべてのシーンにおいてサスペンションの反応が良く、スロットルワークだけでバイクのピッチングモーションをつくりやすい。どんなシーンでも理想的な姿勢に導きやすかったのも好印象だ。

立ち上がりは、スーパーミッド史上もっともダイナミックで、155hpが最大限に味わえるポイントだ。しかし、それには最新の電子制御が不可欠で、最終的に僕は完全に電子制御を信頼しきってスロットルを全開にしていた。それでも後輪が大きくスライドしたり、フロントが大きく浮いてくることは無く、パニガーレV2はどこまでも力強く加速していく。

ストレートでは1万1000rpm付近でメーターが激しく点滅するのを目安にシフトアップ。スクリーンに伏せると不等間隔爆発のエキゾーストノートと気持ちのいいパルス感が共鳴し、官能的な加速を味わえる。

ドゥカティだけが市販車で採用するデスモドローミックならではの伸びもストレートなら体感しやすい。このフリクションの少ない加速感はドゥカティのエンジンでしか味わえない世界だ。

WSBのレースはV4が主力になったものの、やはりドゥカティのツインスーパースポーツの魅力は決して色あせない。それどころか今回の細部にいたるバランスの追求が、その魅力をより引き出しているといえるだろう。

パニガーレ959よりもバイクとの一体感を得やすいポジションを実現

959パニガーレからハンドルを少し上げ、シート形状は厚みを増やし後部に20mm延長し、マシンとの一体感を向上。足着き性はそれほど悪くない。ライダーの身長は165cm、体重は65kg

アクラポヴィッチのフルエキゾーストで-7kg、160hpを達成できる!

パニガーレV2はさまざまなパフォーマンスパーツを用意。アクラポヴィッチのフルエキを装着すると160hp、11kg-mを実現!
斜め後ろから見たボディラインも秀逸。マフラーの取り回し方や、片持ちスイングアームの存在感も大きい

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PROFILE

小川 勤

編集長

小川 勤

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

小川 勤の記事一覧

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

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