BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

「履くだけで体幹強化」20万足売れたスニーカーの技術が、ゴルフシューズに転用された理由

株式会社アメイズプラス代表取締役 山田忠和

ゴルファーのために活躍するゴルフ界の匠から、それぞれの仕事に賭けた誇り高き言葉を頂く連載企画。
今回は、新たなゴルフシューズをプロデュースするプレジデントが登場。※本誌連載タクミのカクゲンより。

ヘルスケアブランド発のゴルフシューズ

ビューティブランド「ビーアクシス」から『バランスコアターフ』というゴルフシューズが新発売される。ヘルスケア関連の製品を扱ってきたビーアクシスは、ゴルフ業界では無名の新人に等しい。だが、闇雲に名乗りを挙げたわけではない。

バランスコアターフの祖は『バランスコアスニーカー』。履くだけで体幹トレーニングの効果が得られるという製品の信憑性は、まず販売実績によって語られる。
2020年登場の初号から2年後に発売された『バランスコアスニーカー2』は、2024年の楽天リアルタイムランキングで総合1位を獲得。また、同年末に第3弾が追加された後、2025年1月20日までのシリーズ累計販売数は20万足に達した。

大ヒット商品となったのは、第一に第三者機関で立証された科学的な数値が大きい。資料によれば、履くだけで筋肉活動量が内転筋112%、大腿四頭筋116%、前脛骨筋121%にアップするという。加えて、ヘルスケア関連ながら、比較的攻めたデザインも人気の理由と思われる。

このシューズの肝は、特許取得済みのインソールだ。複雑な立体形状によって重心が自然と内側にかかり、体幹強化に必要な筋肉部位の刺激を促すそうだ。

そうした特性によって、延べ20万人の愛用者を生み出してきたビーアクシスが、4月にゴルフシューズの予約販売を開始する。独自の内側荷重インソールや、外観デザインはシリーズを踏襲。ただしソール部分の素材を変え、手で持った印象はあえて重さを感じる設計に改めた。また、バランスコアターフに合わせ、ゴルフコースを歩く際の負担を軽減するアーチバランスインソールも販売する。

すぐつくる!

「バランスコアターフは、ゴルフ事業を立ち上げた私たちにとって、新たな野望の第一歩です」
山田忠和は、特に気負うでもなく、そう言った。彼は、ビーアクシスを始めとする約20のブランドを有するアメイズプラスの代表取締役であり、バランスコアスニーカーの発案者でもある。その信条は、会社のミッションとして明文化された「欲しい!をつくる」よりもストレートに、「すぐつくる!」の実践だった。

アメイズプラス社内の多目的ルームに展示された、ヘルスケア関連のヒット商品の数々。
各ブランドのアイテムは、自社通販サイトの「amepla」で購入できる。

日本のフットジョイと認められるようなメーカーに

練習場の新築で狼煙を上げたゴルフ事業の野望

4月に予約販売が始まる『バランスコアターフ』を前に語る山田が着ているのは、ゴルフ事業の一環として始める「BEAXIS」アパレルのサンプルだ。

「パタゴニアの創業者が著した『社員をサーフィンに行かせよう』という本に感化されたんです。サーファーは波が良いタイミングで海へ行きたい。そうでない時には一生懸命仕事をすれば良い。自分もサーフィンをしていましたから、そんな自由な働き方に憧れたんですよね」

これが独立の理由。前職の同僚だった山本良磨と共同代表になり、山田が36歳になる2008年1月にアメイズプラスを設立した。自由を志した新天地で挑んだのは、先にも触れた「すぐつくる」。独自の発想で新商品を開発し、まずは製造卸業を目指した。

「商社時代から商品企画をやっていましたし、いくつかのヒット商品を出したので、何かをつくって売ることには自信がありました。最初に手掛けたのは、後のビーアクシスにつながるヘルスケア関連です。前職での縁があった業種から始めたのは、とにかく売上をつくらねばという一心でした」

山本と二人で、最低5商品はつくれるだけの資本金と借入金をかき集めてアメイズプラスを始動。「元は女性サーファー向けにつくったアイブローが爆発的ヒット」を遂げ、2年目で1億円を売り上げるほど会社は成長した。
それから18期目で年商61億円。その間の山田は、自社ECサイトで商品販売する仕組みと、複数のブランディングを確立しながら、数多くの売れ筋をプロデュースしてきた。たとえば、くせ毛を整えるブラシや肩甲骨剥がし器。グッドデザイン賞を受賞したファブリックトランポリン等々。

しかし山田にも、乗れる波と乗れない波がある。

「バランスコアスニーカーの内側荷重インソールは、実はオーストラリアの有名プロサーファーとタイアップでつくった『サーフインソール』の発展版なんです。サーフィンに下半身の筋力が必要なことは自分がよく知っていましたから、靴を履くだけで鍛えられるならと。それで外部機関を通じて開発し、特許を取りましたが、これはあまり売れなかった」

履いて歩くだけで体幹を鍛えられると話題の『バランスコア』シリーズ。右上のホワイトが『バランスコアスニーカー2』で、右下のブラックが新たなロゴを追加した『バランスコアスニーカー3』。左下のホワイトは、新ロゴとワイヤーダイヤル式レースを採用したゴルフシューズ『バランスコアターフ』だ。

それでもタダでは転ばないというか、つくり続けることを諦めない山田は、ビーアクシスのブランドでオリジナルソールを装着したシューズを企画した。それがバランスコアスニーカーだった。
「これも初代はとんとん。そのまま放ってはおけないのでリデザインをかけて2を出したら、驚くほど売れました。ブラッシュアップで第2弾に火が点くというのは、ウチのジンクスなんです。だから商品開発はやめられません」
そのバランスコアスニーカーの成功を受けて登場するのが、『バランスコアターフ』というゴルフシューズだ。ではなぜゴルフだったのか? この答えも極めてシンプル。彼が趣味の域を逸脱するほどにゴルフが好きだから。

「ゴルフを始めたのは、アメイズプラスの設立から1年後くらいです。周囲とのお付き合いでクラブをそろえてみたものの、すぐに目標が欲しくなったんですね。それで会員になったクラブのチャンピオンを目指しました。部活のように毎日練習して。その甲斐あって、数年前にメンバーコースでクラチャンを獲れたんです」

それがアマチュアゴルファーとしてのピークと感じたらしい。だが、ここでも性分が出た。スコアアップにつながった弾道計測器のトラックマンに惚れ込み、昨年の夏、トラックマンを3基設置したインドアスタジオを会社と自宅の中間につくってしまった。打席に必要な高さを設けるため、新築ビルを建てるという冒険も込みで。

「それがアメイズプラスのゴルフ事業の始まりです。アパレルもやります。ただし、ベースはあくまでシューズ。日本のフットジョイと認められるようなゴルフシューズメーカーになれたら、カッコ良いですよね」
狼煙を上げたゴルフ事業の具体的な目標をたずねてみた。

「定量として、まずは10億円。この規模に届けば、市場で認知されるブランドになります。定性は、顧客も私も欲しくなるものをつくること。社員には常に言っていますが、これからはより強く、皆もすぐつくれ!と号令をかけます」

波乗りも好きな山田が憧れているというサーフ&ターフの生活。その醍醐味を仕事で味わおうとするのは、「欲しい!をつくる」を掲げた彼の、当然の帰結だったかもしれない。

購入した土地に新築ビルを建てたインドアゴルフスタジオは3階建て。2階はシャフトブランドの『ワクチンコンポ』製品の試打もできる一般貸出用。3階はラウンジ仕立てで、社員が自由に使える福利厚生的な施設としている。

SHARE

PROFILE

EVEN 編集部

EVEN 編集部

スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

EVEN 編集部の記事一覧

スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

EVEN 編集部の記事一覧

No more pages to load