
宮里優作×青木瀬令奈|【スペシャル対談 後編 】ツアー開幕直前の沖縄でじっくりと語り合ってもらいました

フクダトモオ
- 2025年05月22日
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ツアー開幕直前の沖縄でじっくりと語り合ってもらいました
ともに選手からの人望も厚く、ツアーを牽引する存在でもある宮里優作と青木瀬令奈がファッションのことやお互いのこと、ツアーのことをとことん語り合うスペシャルトークの後編をお届けします。
宮里藍の優勝で変わったジュニアゴルファーの環境

編集部 お二人はともに「リシャール・ミル ファミリー」の一員という共通点がありますね。
宮里 初めて瀬令奈ちゃんときちんと話したのも「リシャール・ミル」の発表会の時だったよね。それまではファミリーの中で、日本人のプロゴルファーは僕一人だったので単純にうれしかったのを覚えています。
青木 私からすると、宮里3兄妹の皆さんは人としても、ゴルファーとしても神なわけです。まさにゴルフに愛された兄妹だなと。
宮里 恥ずかしい(笑)
編集部 交流はなかったんですね。
宮里 そうですね。年齢や地域が近いとジュニアの大会で顔を合わせたりすることがありますし、コーチが同じだと一緒に練習することもありますが、それ以外だとなかなか。
青木 私がゴルフを始めたのは2000年ごろで、まだ(宮里)藍さんが初優勝する前だったのですが、当時はまだジュニアがゴルフをすることへの理解が今ほどなかったと思うんです。なんで子どもがゴルフ場にいるの? みたいな。その状況が、藍さんが優勝してからかなり変わりましたよね。ジュニアクラブを販売するメーカーが増えたり、ジュニア料金を導入するゴルフ場が増えたり、ジュニアゴルファーに対する理解がかなり深まっていったと思います。そんな藍さんのお兄様ですから、最初は緊張しました(笑)
宮里 本当に恥ずかしい(笑)。その後、オフシーズンの合宿を一緒にやってから交流が深まった感じです。同じくリシャール・ミル ファミリーである成田美寿々プロや大西翔太コーチも一緒に、ラウンドや練習をがっつりやりましたね。
青木 学びたいことはたくさんあるけれど、最初は何を聞いて良いかがわからなかったのが正直なところです。自分が悩んでいることって、優作さんは気にしたことあるのかなって。特に技術面はかなり違いますからね。私はスピンバックとか、フライヤーとかほとんど気にしないゴルフをしているので(笑)。
宮里 まあ、スイングなんかはそれぞれコーチがいたりしますし、求められていないのに教えることはできませんから、ただ、選手としてフィーリングの部分で共感できるところを話せるのは、男子も女子も共通ですよね。質問してもらったことで、逆に僕のほうが勉強になることも少なくないですし。
青木 昨シーズンは、足の怪我で3週連続でお休みさせてもらったことがありましたが、大きい怪我をするのが初めてだったので、けっこうビビっていたんです。やってきたことが間違っていたのかなって。そんな時に、優作さんご自身も怪我をした経験がある中で、いろいろアドバイスをいただいて、前を向いて進むことができました。
宮里 やっぱりファミリーなので、悩んでいる時も、上手くいっている時も、近くにいられたら良いですよね。
プロゴルファーとチャリティはセット

編集部 リシャール・ミルといえば、男子ツアーの新規大会「リシャール・ミル チャリティトーナメント2025」を今年7月31日〜8月3日に、主催しますね。
宮里 2022年、2023年と女子ツアーでヨネックスさんと一緒にトーナメントを開催していますが、男子は初めてですからね。めちゃくちゃうれしいのと同時に、ちょっと緊張しています。どうやって成功させようかなと。もちろん、良いプレーを見せるのは当たり前なんですけど、能登カントリークラブで開催する以上は、チャリティを含めて我々プロゴルファーができることをしっかり考えていかないといけませんからね。
青木 事前登録をすれば観戦が無料になるんですよね。そして、本戦前のプロアマと指定練習日には、「リシャール・ミル チャリティペアマッチ2025」を行うことが決まっていて、私と(成田)美寿々を含めた女子プロ16名が参加します。ちょうど女子ツアーのトーナメントがない週なので、私と美寿々は本選期間中も現地に残って、ジュニアレッスン会などイベントのお手伝いをさせていただく予定です。なるべく多くの人に足を運んでもらいたいですね。
編集部 大会期間中に集められた寄付金は、リシャールミルジャパン財団を通して石川県に支援金として寄付されるそうですね。リシャール・ミルはとにかくチャリティに積極的です。
宮里 チャリティって普段から常に意識するのは難しいですよね。一人でやれることにも限界がありますし。チャリティをやりたいけど、どうしたら良いかわからないという選手もけっこういるみたいです。プロゴルファーにとって、ジュニア育成とチャリティはセットだと僕は思っているんです。常にそういう気持ちでプロ生活を過ごしてほしい。PGAツアーの選手なんかは、そのへんがしっかりしていますよね。
青木 海外の選手は「チャリティはやるべき使命だ」という気持ちで活動している選手が多い印象ですね。それはリシャール・ミルも同じで、「ラグジュアリーブランドの使命だ」という意識で活動されているんです。それが日本でもどんどん当たり前になっていくと良いですよね。
宮里 今度の男子ツアーの大会によって、日本のゴルフ界のチャリティ意識がさらに上がっていったらうれしいですし、微力ながら自分も貢献できるようにしたいですね。
編集部 では最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
宮里 新しい宮里優作を見せたいと思っています。クラブ契約もフリーになり、ウェアも変わって、心機一転、優勝を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。
青木 私も今シーズンは、ストレートドローの球筋に戻したりと目に見える変化がありましたし、足の怪我からどれだけ立て直せるかという新しいチャレンジの年になると思います。例年通り、複数回優勝を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。
編集部 お二人とも今シーズンの活躍を期待しています。そして、本誌の連載も引き続きよろしくお願いします。開幕前のお忙しいタイミングに、ありがとうございました!
リシャール・ミル チャリティトーナメント 2025開催!
男子ツアーの新規大会「リシャール・ミル チャリティトーナメント」が、能登半島地震の被災地支援やジュニアゴルファー育成などを目的に開催決定!
記者会見には、リシャールミルジャパンの川﨑圭太代表取締役や選手会副会長の堀川未来夢、阿久津未来也らが出席。
本戦直前の7月29〜30日には、男女プロ各16人が出場する「リシャール・ミル チャリティペアマッチ」を行うことも発表された。
開催日程 2025年7月31日〜8月3日
開催コース 能登カントリークラブ(石川県)
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PROFILE

EVEN / EVEN編集長
フクダトモオ
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て『EVEN』編集部へ。186センチの長身で、自称“青山のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。2025年4月に『EVEN』編集長に就任。
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て『EVEN』編集部へ。186センチの長身で、自称“青山のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。2025年4月に『EVEN』編集長に就任。