
「自分に合ったパターを」トゥーロンの揺るぎないカスタム哲学

EVEN 編集部
- 2021年03月19日
オデッセイに合流した「トゥーロン」の躍進が止まらない。そこには創設者の一貫した思いがある。
創設者であるトゥーロン氏はいわゆる"カチャカチャ"を生み出した人物
なぜトゥーロンの支持が広がっているのか。創設者であるトゥーロン氏を度々取材してきたギアライターの高梨祥明氏は次のように分析する。
ショーン・トゥーロン氏は、前職で着脱可能なウェイトシステム、可変シャフトスリーブなど、いわゆる"カチャカチャ"を生み出した人物。テーラーメイドに入社後、抜群の営業成績をあげ、93年に一度退社し『ZEVO(ジーボ)』というゴルフブランドを立ち上げます。その特徴はフィッティング販売。複数のヘッド、ライ・ロフト角を変えられるホーゼル、脱着可能なシャフトを試打会場に持ち込み、その場で組んで打たせることで、最適スペックを探すというスタイルでした。当時彼はそのきっかけをこう語っていました。
「大学時代にティーチングプロとして女性やビギナーを教え始めた時に、なぜ、みんなで同じようなクラブを使うんだろう? と思ったんだ。合わないクラブが変則スイングを作っていた。本当は自分に合ったクラブを見つけるべきでしょう?」(ショーン氏・談/09年)
その思いがフィッティングブランド設立、そして3ヘッドサイズドライバー、可変ウェイト、可変スリーブといったアイデアの原点となった。人に道具を合わせる。このことが最も重要なのがパターだ。それは、ショーン氏が15年にテーラーメイドを離れ、新たなパターブランド『トゥーロンデザイン』を設立したことからもわかる。
「ヘッドの種類はブレードからマレットまで幅広く用意。それぞれにベントからショートスラントなど、ストロークタイプに合わせてチョイスできる。ヘッド重量もソールプレートで調節できる仕組みだ。シャフトやグリップも選べるし、刻印のカラーもカスタムできる。クールだろ!?」ブランド立ち上げ当初、彼はこう言いながら目を輝かせていた。
もちろんオデッセイの傘下に入らなくても一定の成功を収めただろうが、彼は再びメジャーブランドで手腕を発揮する道を選んだ。その心持ちは、おそらくZEVOの時と同じだろう。「メジャーブランドには優秀な人材が集まる。あらゆる分野の専門家が同じ目標に向かい知恵を絞るから、結果を大きく変える革新的なテクノロジーが生まれる」(ショーン氏)
ショーン氏のアイデアと精鋭揃いのオデッセイR&Dチームとの融合、これが現在のブランドの好調さを生み出す要因になっている。
トゥーロンにはオデッセイにはない独自の形状も
精緻かつ多様なヘッド
ヘッドはすべて精密な削り出しでブレードからマレットまで複数の選択肢を用意。ウェイトの調整機能まで備える分、重量の公差もごくわずか。
調整機能
独立後に立ち上げたパターブランド「トゥーロン デザイン」。当時からソールの交換用ウェイトなど各種調整機能を備えていた。
WEBからオーダー可能「トゥーロン ガレージ カスタムパター」
オンライン上からパターをカスタムオーダーできる「トゥーロン ガレージ」が日本でも先日スタート。カスタムメニューは主に下に挙げたもので、パターヘッドの仕上げは米国本社内にある工房で行なわれる。
高梨氏がカスタムオーダーしたのが『トゥーロン ガレージ ラスベガス』。「軽量のアルミソールプレートを選択して大正解!」
ショーン・トゥーロン(SEAN TOULON)
テーラーメイドで副社長まで登り詰めた後、独立。「トゥーロン デザイン」を立ち上げる。現在はキャロウェイゴルフの役員。
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EVEN 編集部
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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