
ドライバー選び完全攻略! 自分史上最高の一本を手に入れる3ステップ

EVEN 編集部
- 2021年03月24日
ゴルフギアに明るくない人でも近年の「ピン」ブームは実感しているだろう。深低重心で高慣性モーメントのGシリーズドライバーは世界中のツアーからゴルフクラブ市場までを席巻。業界の勢力図を塗り替えたことで、世界的なゴルフクラブのテクノロジー競争と多ヘッド展開にカスタム対応が先鋭化した。我々ユーザーにとって、選択肢が増えることは嬉しい反面、ドライバー選びは以前にも増して複雑化した。新たな製法や素材にテクノロジー、何を判断基準にすればよいかわからないというゴルファーは少なくないはずだ。
今回はクラブコーディネーターの鹿又氏にそんな課題をぶつけてみた。彼の答えは明快だった。「ドライバーに限らず以前よりもゴルフクラブは確実に増えました。YouTubeを始め、情報も得やすくなった今だからこそ、シンプルに考えるのがドライバー選びの近道。ドライバーを4つに分類し、その内、自分の目的に合ったカテゴリーに該当するモデルを効率的に試打する。スペックの数値や印象に捕らわれないため、求める性能に迷わずたどり着ける上、今までにない最高の一本を手にする可能性もありますよ」
監修:鹿又芳典
雑誌やWEB、TVにYouTubeとゴルフ業界でひっぱりだこのクラブコーディネーター。ショップ「マジック」のクラフトマンでもあり、選手やアマチュアのクラブ選びもサポート。
【Step:1】4カテゴリーに分類
「スイングやヘッドスピード、ゴルファーの嗜好に合わせて、毎年様々なモデルがリリースされるドライバー。その中から自分にマッチする1本を探すためには、ターゲットとなるモデルをある程度絞り込むのが先決」と鹿又氏。4つのカテゴリー、それぞれに分けたモデルは、細かい違いはあれど、ゴルファーにもたらす効能は近い。プロユースに3モデルで展開されるモデルが、しっかりこの分類に収まるのが分かる。ドローバイアスが多いのも近年の傾向。
Type:1「アマチュア用モデル」
アマチュアターゲットのモデルは概ねクラブ重量が300g以下の軽量な設計。非力なゴルファーでも振り抜きやすく、しっかり球をつかまえて、高い弾道のビッグキャリーで飛ばせるヘッド。ゼクシオを始め様々なモデルが用意され、選択肢は豊富。
Point
・クラブ重量300g以下
・球のつかまりが良い
・球の打ち出しが高い
オノフ AKA RD5900
T//WORLD GS
オノフ AKA
ヤマハ インプレス UD+2
テーラーメイド SIM GLOIRE
Type:2「プロ用モデル/オートマチック」
プロユースを前提に開発された深重心で、慣性モーメント(MOI)が高く、直進性の高いオートマチックな特性。オフセンターヒットでも初速が落ちにくい特性を備える。投影面積の大きいフルサイズが基本で、クラブ重量は300g前後で、弾道は高めに出やすい。
Point
・クラブ重量300g前後
・プロユースの中で最も寛容性が高い
テーラーメイド SIM2 MAX
キャロウェイ EPIC SPEED
ピン G425 MAX
タイトリスト TSi2
スリクソン ZX5
プロギア RS
ヨネックス EZONE GT 455
ブリヂストンゴルフ TOUR B X
Type:3「プロ用モデル/ドローバイアス」
ヒール側にウエイトを搭載するなど、プロユースのモデルの中で、最も球のつかまりの良い設計。ヘッドシェイプがキレイで、プロや上級者でも違和感を感じずに構えやすい。クラブ重量やヘッド特性的にアマチュアモデルと比較検討できるモデルもある。
Point
・アマチュアモデルに近いスペック
・シェイプがキレイ
・プロ用モデルではつかまりを重視
キャロウェイ EPIC MAX
ピン G425 SFT
テーラーメイド SIM2 MAX-D
ミズノ ST200X
プロギア RS+
Type:4「プロ用モデル/低スピン強弾道」
浅めの重心設計によるスピン量の少ない強弾道はプロユースのハードヒッター向け。305~310gのしっかりした振り感で、打ち出しも低い。フェースに厚みのあるディープフェースで引き締まったシェイプが多く、弾道を打ち分けられる操作性の高いモデルも。
Point
・クラブ重量305g以上
・操作性が高い
・打ち出し角は低め
テーラーメイド SIM2
キャロウェイ EPIC MAX LS
ピン G425 LST
タイトリスト TSi3
スリクソン ZX7
ミズノ ST200
プロギア RS-F 5
ヨネックス EZONE GT 435
【Step:2】自分の求めるドライバー像を絞る
マイドライバーの不満とは求めるドライバー像の裏返し。これにより試打すべきドライバーが明確になる。
クラブへの不満から欲しい理想像を描く
ドライバーを傾向毎に分類したら、今度は自分の欲しいドライバーを明確にするのが次のステップと鹿又氏。「自分の求めるドライバー像がブレてしまっては、いつまでも答えが絞れません。今使っているドライバーの何が不満か考えましょう。飛距離と安定性と振りやすさ。多くの場合この3つの内のいずれかに関わることです。その問題を解決できる特性を持つカテゴリーを重点的に試打するのがドライバー探しの近道です」
マイクラブの重さ、長さを把握した上で……
●「キャリー不足」→「弾道を上げたい」
⇒Type:1「アマチュア用モデル」、Type:2「プロ用モデル/オートマチック」
●「ランが欲しい」→「強弾道」
⇒Type:4「プロ用モデル/低スピン強弾道」
マイクラブの重さ、長さを把握した上で……
●「球が曲がる」→「オフセンターに強い」
⇒Type:1「アマチュア用モデル」、Type:2「プロ用モデル/オートマチック」
●「フェースが開く」→「スクエアに当たる」
⇒Type:1「アマチュア用モデル」、Type:3「プロ用モデル/ドローバイアス」
マイクラブの重さ、長さを把握した上で……
●「今よりクラブを軽くor重く」
⇒Type:1「アマチュア用モデル」+カスタムシャフト
打ち比べるカテゴリーを絞ることで、効率的に探せる
飛んで曲がらないはドライバーは理想だが、飛ばない理由、曲がる理由は人それぞれだ。マイドライバーの抱える問題をとらえ、買い換えの目的を明確化することで理想像がわかる。
【Step:3】打ち比べ、見極めの4つのポイント
欲しいドライバーの傾向をつかめたら、あとはひたすら試打あるのみ。絞り込んだとはいえ、どういったポイントで各モデルの見極めを行うべきかいくつかのポイントを鹿又氏に聞いてみた。
「同じような特性を持つドライバーどうしでも、当然それぞれに違いがあります。自分に適切なクラブというのは不思議と一打目から良いショットが打てるもの。候補となるクラブをはじから1球ずつ打ち、弾道がまっすぐからやや左に出るものを合格として絞り込みましょう。弾道計測器が設置されている場合は、飛距離のデータより、打ち出し角が13~15度になるものを選ぶのがコツ。先入観を持たずに試打しましょう」
出球がまっすぐから左に出る
自分のタイミングで振って、出球がまっすぐ飛ぶということは、そのヘッドの特性が自分のスイングに合っている何よりの証拠。「まっすぐ飛ぶのはインパクトでフェースがスクエアになっている証。やや左に出る程度のつかまりもOK」
純正シャフトでヘッドは選ぶ
カスタムシャフトよりもまずは純正シャフトを試すのがセオリーと鹿又氏。「クラブ性能はヘッドにかかる比重の方がはるかに大きい。ヘッドの素性を見極めるためにもまずは純正からで」
FP、ライ角もチェック
ライ角やFPといったスペックの効能は意外と大きいと鹿又氏。「球のつかまりに大きく影響する要素なので見極めの判断材料にしましょう」
10.5 °での打ち出し角を見る
「低スピンボールと低重心ヘッドの普及で、アマチュアはキャリー不足になりがち。試打の際は弾道計測器を使って適正な打ち出し角になるものを探しましょう。ロフトは球がつかまって上がる10.5から試しましょう」
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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