ミズノ(Mizuno)最新ゴルフクラブ|ゴルフギアブランド図鑑
EVEN 編集部
- 2021年04月30日
INDEX
ミズノ(Mizuno)ってどんなブランド?
感性に響く道具の本質ミズノアイアンに世界が惚れた
日本国内において最も長い歴史を持つゴルフブランドが「ミズノ」である。それだけにトッププレーヤーとの関係性は深く、樋口久子、中島常幸、岡本綾子など多くのスタッフプレーヤーとの共同作業の末に、多くのノウハウを確立、唯一無二ともいえる本物のゴルフ道具を作り出してきた。
“本物のゴルフ道具”。その本質を我々よりも正しく見抜き、リスペクトしているのが世界で戦うトッププレーヤーである。デビュー当時のタイガー・ウッズ、世界ナンバーワンを獲ったルーク・ドナルド、メジャー6勝のレジェンド、ニック・ファルド。最近では契約フリーとなったブルックス・ケプカやジェイソン・デイなど。あえてミズノアイアンを選択するトッププレーヤーは枚挙にいとまがない。何かが、他のブランドのアイアンとは違うのである。
ミズノファンの間で“聖地”と呼ばれるミズノ養老工場へ行くと、熟練のアイアン職人が研磨機に向かい、手作業でアイアンヘッドを仕上げる光景を見ることができる。プレーヤーのニーズに合わせ、最高のパフォーマンスを発揮する形状に整えているのである。長きにわたるトッププレーヤーとの研鑽が、“ニーズに応える”ための技術的な引き出しとなって蓄積され、それが製品開発にもフィードバックされている。世界に認められるミズノの強みの一つであろう。
感性に響く道具の源グレインフローフォージドHD製法
打てばわかるミズノアイアンの特別感は、その心地よい打球感にあるといわれる。それは手に伝わるフィールでもあり、鼓膜を震わすサウンドでもある。とにかく、その特別なフィーリングはボールを打った瞬間に打球結果をプレーヤーに感じさせてくれる独特のものだ。
他社との違いは、まず素材にある。一般的に軟鉄といわれるS 25Cにおいても製鉄メーカーと共同開発したミズノアイアン専用のマテリアル。この丸棒をグレインフローフォージドHD製法というこれも独自のネック/ヘッド一体の鍛造方法で精密に成形していく。その結果がヘッドの振動をクリアにし、独特のフィールとサウンドを生み出すのである。
近年では、クロムモリブデン鋼を用いたやさしい本格アイアンや世界戦略モデル「STドライバー」などの評価もうなぎ上りだが、共通するのはプレーヤーを満足させるフィーリング、感度の良さだ。ミスに対するやさしさ、大きな飛距離性能を発揮するのは当たり前。ミズノのゴルフクラブの本質、優位性は感性に響く“道具感”の中にこそある。
「YORO」で磨かれた伝統のグレインフローフォージド
1本の軟鉄の丸棒をネックからフェースまで一体成型することで、打感の生命線ともいえる鍛流線が途切れないグレイン・フロー・フォージドHD製法は同社の強み。岐阜県内の製造拠点ミズノテクニクス(通称養老工場)で、高い技能を有するクラフトマンたちの手で仕上げらえるヘッド形状とともにミズノを象徴する技術だ。
開発拠点の一つにして、全国から寄せられるカスタムクラブフィッティングのオーダーに特注で対応。工房でもある養老工場。ツアー並みのサポート態勢を整えるミズノの誇りだ。
世界中で愛される代名詞「MPシリーズ」
同社のクラフトマンがマスターヘッドを削るなど、「MizunoPro」シリーズに替わるまで、名器と謳われる形状を継承してきたミズノの顔といえばMPシリーズのアイアン。米欧ツアー同時賞金王の偉業を達成したルーク・ドナルドも愛した形。
ミズノ(Mizuno)の最新クラブ
JPX series
ヘッド素材、製法、ロフト設定が異なるラインナップからゴルファーが求める飛距離や寛容性によってモデルを選べる。「JPX HOTMETAL PRO」というモデルも数量限定発売。現在は3モデルでの展開となっている。
JPX921 TOUR
ヘッド素材にクロモリを使った鍛造アイアン。フェースの高い反発性能と、やわらかい打感を両立している意欲作。クロモリ鍛造のアイアンを作る技術は、今のところミズノしか持っていない。
6本セット132,000円(税抜120,000円)
JPX921 FORGED
単一素材の軟鉄鍛造アイアンで、メジャーチャンプが愛用していたモデルの最新版。ツアーでの要望を受けて、従来モデルよりもショートアイアンが小ぶりになり操作性も向上している。
6本セット125,400円(税抜114,000円)
JPX921 HOT METAL
原英莉花プロが使用し、国内女子メジャーを2勝したアイアン。ヘッドはクロモリの鋳造。シームレスカップフェース構造とストロングロフトによって、シリーズでもっとも簡単に飛ばせる。
6本セット132,000円(税抜120,000円)
MIZUNO PRO series
「ミズノプロ」は、ゴルファー個別のニーズに対応するカスタム専用オーダーモデル。フィッティング対応する店舗のみで取り扱われていて、アイアンは全6モデルがラインナップされている。打感がよりやわらかく感じられる銅下メッキを採用しているのも特徴だ。
Mizuno Pro 920(右)
単一素材の軟鉄鍛造ながら、ダブルポケットキャビティ構造によって大きなスイートエリアを備えるモデル。ヘッド素材にはボロン鋼が添加してあり、フェースの薄肉化と反発性能向上を実現している。
1本20,900円(税抜19,000円)~
Mizuno Pro 120(左)
ツアー選手が求める操作性と打感の良さを備えた本格的なマッスルバック。逆テーパーブレード設計を採用することによって番手別の重心設計を実現。打ちやすさとコントロール性能を向上している。
1本20,900円(税抜19,000円)~
MIZUNO ST series
ウッドに関しても2020年からはグローバル化された商品展開となっている。海外だけで展開されていたSTシリーズが日本でも発売されるようになり、今年に入って新たに2モデルのドライバーが追加投入されている。
現在、STシリーズには全4モデルがラインナップされていて、それぞれ球のつかまり度合いなどが異なるが、特徴的なのはシリーズ全体が飛距離を最優先したヘッド設計になっているところだ。現代のゴルフではプロやアマに関係なく、ドライバーには何よりも飛距離性能が求められている。そんなニーズを受けて、どのモデルを使っても高初速、高打ち出し、低スピンがオートマチックに打てる。その上ミズノらしい打感の良さまで備えているのがSTシリーズの大きな魅力といえる。
実際にPGAツアーでは使用選手が増えている。キース・ミッチェルはソニーオープンにおいて「ST-Z」を使用して326.1ヤードという飛距離を記録。上位フィニッシュして“飛ばせるMIZUNO” を世界に印象づけた。もちろん、アマチュアが使ってもSTシリーズの飛距離性能の恩恵を受けられる。2021年にドライバーを買い替える予定なら、MIZUNOの新生STを候補リストにぜひとも入れておくべきだろう。
WAVEテクノロジーソール
ソールのフェース寄りに配されている波型の溝構造が、インパクト時にフェース周辺のたわみを増大させる。これによってボール初速性能が高められる。
フォージドβチタンフェース
一般的な6-4チタンよりも強度が約17%高く、約8%たわみやすい「フォージドβチタン」をフェース素材として採用。独自の肉厚設計「コアテックフェースデザイン」との相乗効果によって、フェース広範囲で高いボール初速を実現する。
ST-Z
ソールのトゥ側とヒール側の両方にカーボンパーツを配置。余剰重量をヘッド最後部に配置することで深重心化と高慣性モーメント化を実現。打点ブレに強く、直進性能が高められている。
71,500円(税抜65,000円)
ST-X
ソールのトゥ側に大きなカーボンパーツを使用し、ヒール側後方にウェイトを配置することで重心距離を短めに設計。ヘッドをターンさせて球をつかまえたいゴルファーにマッチする。
71,500円(税抜65,000円)
「JPX」と「ST」の真価。世界に発信されるMIZUNOの躍進
ミズノの製品ラインナップが、グローバル化の流れを受けて変わりつつある。アメリカ発信の新生「MIZUNO」の逆輸入がもたらした新たな価値を紐とく。
ミズノがMIZUNOに、MIZUNOからミズノに
2020年10月、ミズノから「J PX 921」シリーズが新発売された。昨シーズン、国内女子ツアーでは原英莉花プロがいち早く最新の「JPX 921 ホットメタル アイアン」を使用し、立て続けにメジャー大会を二連勝。もちろん、ゴルファーたちの間でも原の使用クラブは話題になり、「JPX 921」シリーズは、発売後から好調なセールスを記録中だ。
新しいJPXシリーズには4種類ものアイアンが用意されている。原プロが使用しているのは、もっとも寛容性が高くて飛ばせるタイプ。その他にもヘッド素材や製法、ロフト角が異なる3モデルがあり、本格的なアスリート向けともいえる単一素材の軟鉄鍛造アイアン「JPX921ツアー」までがラインナップされている。おや? そもそもミズノのJPXシリーズはアマチュアのアベレージ向けだったはずだが……。
ミズノのアイアンは、昔から日本のみならず海外でも評価が高かった。タイガー・ウッズがアマチュア時代にミズノの海外モデル「MP-29」と「MP-14」をコンボセットとして使っていたのは有名な話だし、2011年に世界ランク1位になったルーク・ドナルドは、ミズノのアイアンに惚れ込んで長年にわたって契約プロを続けている選手のひとり。そして近年ではクラブ契約がフリーになった選手たちが、こぞってミズノのアイアンをバッグに入れるようにもなっている。とりわけ話題になったのは、ブルックス・ケプカがJPXのツアーアイアンを使用しメジャーを複数回制したしたことだろう。
実は、数年前からJPXはアメリカのMIZUNO USAがクラブ開発を主導するブランドになっている。今ではトッププロを含めた海外でのニーズを取り入れたミズノの新機軸ブランドという位置づけであり、海外ではアベレージ専用ブランドという面影はない。ちなみに今年に入ってからは、ジェイソン・デイやジャスティン・ローズといった選手たちのバッグの中にもミズノのアイアンを目にするようにもなった。何を使ってもいいのならアイアンはミズノを使いたい、そう考えるPGAツアー選手はとても多いのだ。
ツアー選手に引っぱられるように、アメリカやヨーロッパのグローバル市場でもJPXのアイアンは人気が急上昇している。2020年度のアイアン販売シェアは前年を上回り、「JPX 921」が発売されたことで今年はさらにそのシェアを伸ばしそうな勢いだ。
ただし、ミズノの総本家である日本では、これまでは少し事情が異なっていた。ご存じのとおり、国内では「ミズノプロ」というカスタムフィッティングを前提としたフラッグシップブランドを擁しているため、アメリカ発信のJPXは海外ブランド的な立ち位置だったからだ。J PXのツアーアイアンを使いたいのに国内では手に入りづらく、歯がゆい思いをしていたゴルファーも多かったはず。そんな国内ゴルファーの声は、ミズノにも届いていた。2020年からミズノはクラブラインナップを日本と海外で分け隔てなく、グローバルに展開する方向に舵を切った。アメリカで販売されているクラブのほとんどが、今年からは国内の大手量販店で購入できるだけでなく、日本でしか購入できない「ミズノプロ」も引き続き用意されている。つまり、日本のゴルファーだけの特権として豊富なラインナップから自分好みのミズノを選べるようになったのだ。
これまでにないMIZUNOクラフトマンシップは健在!
ミズノといえば、打感にこだわって作られた軟鉄鍛造アイアンのイメージが強い。けれど、アメリカ発信のJPXシリーズが登場したことで、その様相も変わってきている。あまり知られていないが、グローバル市場でもっとも売れているミズノのアイアンはJPXの「ホットメタル」だ。日本のゴルファーにとっては驚くべきことだろうが、海外ではミズノ製アイアンのおよそ40%もの売上を「ホットメタル」が占めている。
最新の「JPX921」にも用意されている「ホットメタル」は、ストロングロフトでフェースの弾きがいい、いわゆる飛び系アイアンに属する。軟鉄鍛造ではなくクロモリの鋳造。従来のミズノにはなかったモデルと言っていい。そもそも「ホットメタル」のようなアイアンが作られたのは、MIZUNO USAが現地のニーズをくみ取り、アメリカからJPXシリーズとして発信したことに端を発している。前述したように、原英莉花プロが使用していることで「JPX921 ホットメタル」は日本でも人気がうなぎ上りだが、いわばこのモデルはMIZUNOが日本に逆輸入され、国内ゴルファーに新たな価値観をもたらし再評価を受けているといっても過言ではない。
そんな「ホットメタル」を筆頭にJPXシリーズが海外で人気なのは、そこにミズノらしいクラフトマンシップと打感に対するこだわりが詰め込まれているからに他ならない。海外のゴルファーだって、日本のゴルファーと同じようにヘッド形状や打感の良さをアイアン選びの一要素と捉えている。実のところJPXシリーズはアメリカ発信といえど、クラブの企画開発を担当しているのは現地駐在の日本人エンジニアだったりする。それもあってミズノの伝統的な良さや打感を良くするテクノロジーは、JPXのアイアンにもしっかりと受け継がれている。
ミズノを手にした選手達
原英莉花
JPX 921 HOT METALを使用して国内メジャー2勝。
ジャスティン・ローズ
オリンピック金メダリスト。サウジインターナショナルからミズノアイアンを使用。
ブルックス・ケプカ
JPXアイアンを使用し全米オープン・全米プロを制覇
ジェイソン・デイ
元世界ランキング1位。今季から契約フリーとなりJPX 921 TOURを使用。
ミズノ(Mizuno)基本情報
問い合わせ:ミズノお客様相談センター(0120-320-799)
ミズノゴルフ公式サイト
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