
ゴルフカメラマンが見た松山英樹のマスターズ優勝

田辺安啓(JJ)
- 2021年05月29日
好きこそものの上手なれ
2020年1月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」2日目を終えた松山選手は、練習場へ直行しました。すでに周囲は薄暗くなっていましたが黙々と球を打ち込み、辺りが真っ暗になったかと思うと今度は練習グリーンへ。電光掲示板の明かりを頼りにひたすらパッティング練習を繰り返す姿は鬼気迫るものがありました。
こうした姿から「練習の虫」とか「努力を惜しまない」 と評されるのでしょうが、マスターズ優勝後の会見で話していた通り、本人は周りが努力と見えることも苦労とは感じていないようです。これぞまさに、好きこそものの上手なれ。「もっと上手くなりたい」、「試合で勝ちたい」という思いに突き動かされているだけなのでしょう。
一方で、莫大な練習量でさえ、一つのピースに過ぎないと私は思います。信頼できるコーチと出会ったこと、日増しに良くなっていったチームの雰囲気、担当ツアーレップとの信頼関係や「スリクソン」の新ドライバーがフィットしたこと、そして調子のピークがマスターズウィークにやってきこと。そうしたピースがピタッとはまった結果が、あのマスターズ優勝だったのだと思います。


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PROFILE

米国ニューヨーク在住のゴルフカメラマン。PGAツアー、LPGAツアーを追いかけ続け、誰よりも近くでアメリカのゴルフを見続けている。