
室蘭ゴルフ倶楽部(北海道)|井上誠一設計コースを巡る

EVEN 編集部
- 2021年09月13日
日本を代表するコース設計家・井上誠一。生涯で手掛けたコースは42、そのうち38コースが現存しているが、いずれもが異彩を放ち、時を経たいまなおナショナルオープンの舞台として競技者の前に立ちはだかる。そこでプレーすれば必ず設計の力を思い知るだろうし、貫かれている美学に気づくことだろう。今回は北海道の室蘭ゴルフ倶楽部を紹介する。
北の大地の隠れた秀作
井上誠一は立地にこだわった設計家で、候補地が気に入らない場合は仕事を引き受けなかったという。自然のあるがままを生かすのが持ち味だったので当然といえば当然だが、だからこそ井上作品はその場所にいるだけで心が躍るし旅の目的地にふさわしい。
北海道では札幌ゴルフ倶楽部が広く知られるが、室蘭ゴルフ倶楽部も北の大地らしいスケールの大きさで狙い目だ。名シェイパーのペングレースの元で働き、実際に現場で汗を流した井上は図面を引くだけでなく、造成をトータルに指揮することができる設計家だったが、室蘭では限られた予算の中で傑作をものにしている。すなわちバンカーの数を抑え、自然のままの大きな傾斜を生かして18ホールを構成したのである。豪雨による増水に備えて池をグリーンから離すなど、細やかな配慮がされているのは表に出ない話ではあるが、それゆえに時を経ても色褪せないのだろう。
室蘭ゴルフ倶楽部
緩やかな傾斜を生かしながら、柏の樹林でセパレートされた戦略性が要求されるコース。春から夏の山背風、秋の北西風が強い季節には、弾道の高低を打ち分ける技術も要求される。
【data】
住所:北海道室蘭市崎守町293-1
TEL:0143-59-4641
https://muroran-golf.com/
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EVEN 編集部
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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