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オーデマ ピゲの『ロイヤル オーク』、不変のスタイルをもつ傑作時計を知っているか?

歴史と伝統を重んじる高級時計の世界には、いくつかの“傑作”がある。その一角である「オーデマ ピゲ」の『ロイヤル オ-ク』が50周年を迎えた。入手困難といわれるこの時計の誕生秘話と、その進化に迫る。

デザイナーの勘違いから始まった稀代の傑作

1972年。つまり50年前のゴルフはどういうものだったか? 日本では青木功、尾崎将司、中嶋常幸のいわゆるAON時代が到来し、マスターズではジャック・ニクラスが優勝。当時のドライバーはパーシモン製で、ゴルフボールは糸巻きが主流。スイング理論も飛距離も現代のゴルフとは全く異なっていた。そんな“大昔”に生まれたにもかかわらず、今もスタイルを変えることなく受け継がれ、しかもステイタス性を失わない異色の高級時計がある。「オーデマ ピゲ」の『ロイヤル オーク』だ。

オーデマ ピゲはスイスのル・ブラッシュという小さな町で創業した

この時計のプロジェクトは、1970年にイタリアのディストリビューターから「革新的なステンレススティール製ウォッチ」の製作を打診されたことがきっかけとなる。イタリアは時計界におけるトレンドセッターで、ヴィンテージウォッチやカラーダイヤルなどをいち早く見出してきた実績があった。そんな彼らの審美眼に応えるため、オーデマ ピゲでは凄腕のジェラルド・ジェンタにデザインを依頼することにする。

ロイヤル オークの成功をきっかけに、時計デザイナーの第一人者となったジェラルド・ジェンタは、“時計界のピカソ“と呼ばれた。2011年死去

ここで運命のいたずらが起きた。ジェラルド・ジェンタは依頼内容を「革新的な“防水”ウォッチ」と聞き間違えたのだ。そしてそれが結果として、傑作を生みだす伏線となった。防水性能を高めるためには、ケースは大きく堅牢になる。さらに防水というコンセプトを生かすため、彼が幼少期に見た潜水士のヘルメットの力強い形状をイメージした八角形のケースやビスを配したベゼルを考案した。当時のトレンドは、フェミニンで小ぶりなサイズだが、ジェンタのスケッチは完全に正反対。つまり全く意図せぬスケッチが上がってきたということだ。こういう状況なら、普通なら商品化されることはない。

しかし、当時のCEOであったジョルジュ・ゴレイはその独創性に惹かれて社内の反対を押し切り、この時計の開発プロジェクトが1970年の4月にスタートするのだった。

ジェラルド・ジェンタは、このスケッチを一日で書き上げたという。完成した初代モデルと比較しても、ほとんど変更はナシ。それだけ完成度が高かったのだ

勘違いから生まれた時計『ロイヤル オーク』だが、その独創性ゆえに、時計製造はとても困難だった。ジェンタが考案した平面構造のキレのあるケースやブレスレット、そして特徴的な八角形ベゼルを、硬いステンレススティール素材で作ることは当時の技術では不可能だったのだ。そこでプロトタイプは加工しやすいホワイトゴールドで製作してディテールを詰めつつ、ステンレススティールの加工技術の開発を急いだ。

美しい外装を実現するための技術開発を行い、薄型と防水を両立するケース構造を特許取得して、遂に『ロイヤル オーク』は1972年4月15日に発売された。極めて手の込んだ外装のおかげで、ゴールドケースのドレスウォッチより高価だったことも話題となったが、立体的な造形美と上質な仕上げが評価され、のちに“ラグジュアリースポーツウォッチ”と呼ばれることになる。

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発売当時の広告にも、平面を生かしたケースやベゼルを強調したビジュアルを使った
平面はヘアライン仕上げで、斜面はポリッシュ仕上げ。その全ては職人の手仕事から生まれる
工場は近代化したが、職人の手仕事を尊ぶ姿勢は不変

ロイヤル オーク

1972年にデビューした初代モデル。「ロイヤル オ-ク」という名称は、鋼鉄で装甲した英国海軍の戦艦ロイヤル オークや英国王チャールズ二世が戦闘中に樫の木の身を隠したという逸話に由来している。39mmというケース径は、当時は異例の大型サイズであったため“ジャンボ”と呼ばれていた。

オーデマ ピゲの歴史とゴルフとの友好な関わり

オーデマ ピゲの創業は1875年。初期から優れた時計製造で評判となり、1889年のパリ万博でも好評を得る。“世界三大時計ブランド”の一角であり、いまなお創業者ファミリーが経営に携わる稀有なブランドだ。現在のCEOであるフランソワ-アンリ・ベナミアスは、もともとフランスでプロゴルファーとして活動していた。そのためゴルフ界とのつながりも深く、人気ゴルファーをアンバサダーに迎えている。

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50年の時を経てもなお色褪せない魅力を持つロイヤル オーク

1972年に発売された『ロイヤル オーク』はその後、ゴールドモデルやレディスモデルなどファミリーを増やしながら、今年で50周年を迎えた。それでも受け継がれてきたスタイルは変わらず、今年の新作たちは随所に進化が施されている。しかしこれは驚くべきことでもある。この50年の間に、時計に対する嗜好や役割は大きく変化した。特に携帯電話とスマートウォッチの誕生によって、腕時計の“時刻を知るための道具”という役割は終えたともいえるだろう。それでもなお高級時計の人気に陰りがないのは、これだけデジタル化した時代でさえも、いまだに人の手で作られるという温かみに価値を見出す人が少なくないからだ。

最先端の時計が生まれるル・ロックルの工房

事実、50周年を迎えた『ロイヤル オーク』は、あまりにも人気が高すぎて店頭に並ぶこともないまま、予約者の元へと納品されるという。しかも50年前と同じく、細部の仕上げは手作業に頼る部分が大きく、ケースとブレスレットを製造するだけでも約5時間かかり、さらに162もの工程がある仕上げ作業にも同等の時間がかかる。つまり一つの時計の外装パーツを仕上げるだけでも、10時間以上必要となるので増産は不可能。さらにダイヤルの「タペストリー」と呼ばれる装飾も凝っており、光をきれいに反射させるために精巧な台形型になっているだけでなく、ダイヤルの中央に行くほど間隔が狭くなっている。これは古いマシンを使って一筋ずつ職人が彫り込んでおり、やはり増産はできないのだ。

ムーブメントの組み立ても手作業だ

結局のところ『ロイヤル オーク』は、現代の技術を駆使してもやはり驚くほど手の込んだ時計であるため生産本数を増やすことができず、常に品薄状態になってしまう。そのためこの伝説的なマスターピースを手に入れたいと願うなら、誕生の背景に思いを馳せつつその日が来るのを待つしかないのである。

しかしそれでも十分に価値はあるだろう。長年受け継がれるものには、それだけの価値がある。ゴルフだって道具やルールは変わっても、狙った場所にボールを運ぶ喜びや友人たちとコミュニケーションを楽しむといった価値が変わらないのと同様だ。

むしろ激しく変化する時代だからこそ、変わらぬモノを手に入れたい。「オーデマ ピゲ」の『ロイヤル オーク』は、そんな気持ちに応える時計だ。

着実な熟成を重ねながら、時代を超えていく

ケースとブレスレットをつなぐラグの斜面(ベヴェリング)が広がったことで、メリハリの利いた輝きになっている
平面はヘアラインで、斜面はポリッシュ。この仕上げの違いによって立体感を引き出し、メリハリのある輝きを作るのだ
ブレスレットの着用感を高めるため、先端に行くほど薄くするデザインに変更。それに合わせてラグ部分も台形のデザインとなった
搭載するキャリバーは、シースルーバックから鑑賞可能。50周年を記念する特別なローターを使用する

※進化したのは“ジャンボ”エクストラ シン以外の新作

50周年を迎えたロイヤル オークの新作

ロイヤル オーク
“ジャンボ”エクストラ シン

初代と同じく39mmケースを採用しており、秒針もない。搭載するムーブメントは、薄型設計の自社製キャリバー7121で、ケースの厚みは8mmしかない。自動巻き、SSケース、ケース径39mm。ブティック限定。3,850,000円(オーデマ ピゲ ジャパン)

『ロイヤル オーク』の歩みを学ぶ特別展示を開催中

簡単には手に入れることができない『ロイヤル オーク』だからこそ、まずはその歴史や変遷を深く学んでおきたい。「オーデマ ピゲ ブティック 銀座」(東京都中央区銀座6-5-13)の地下1階では、コレクターが所有する希少モデルを展示するイベント『こんなロイヤル オーク、見たことない』を開催中(2022年12月末終了予定)だ。
問い合わせ:03-6830-0789

イベントの詳細はこちら

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EVEN 編集部

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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