【ツアー3勝目を狙う青木瀬令奈に聞いた】女子プロがキャディに求めることは?
フクダトモオ
- 2022年07月02日
大西翔太コーチ兼キャディと二人三脚でツアーを戦う
神奈川県の戸塚カントリー倶楽部で行われている国内女子ツアー「資生堂レディス」は3日目を終えて、この日4つスコアを伸ばした青木瀬令奈がトータル11アンダーで単独トップに立った。青木のキャディを務めるのは大西翔太コーチ。二人は2015年からコンビを組み、二人三脚でツアーを戦っている。
「ジュニア時代にコーチの妹の(大西)葵と仲良くなって、プロになってからもよく一緒に練習ラウンドをしていました。で、私がなかなか結果が出なかった時期に、葵と会場へ来ていた大西コーチがアドバイスしてくれたことがきっかけです。その時に『コーチをするならキャディもやらせてほしい』と言われたんですよね」(青木)
「けんかをすることもあります(笑)」
それから8年。大西コーチが別の用事でどうしても担げない時以外は、ほぼすべての試合でコンビを組んできた。
「私たちは同学年で、ジュニアの頃から知っていることもあってお互いに何でも言い合える関係です。もちろん、けんかをすることもありますが(笑)。だから長く続けていられるのだと思います。ただ、それは私の場合であって、キャディに求めることは選手や状況によって変わってきます」(青木)
キャディには大きく分けて、帯同キャディとハウスキャディがある。前者は選手の家族や友人、コーチらが務めたり、ツアーキャディを仕事にしているプロキャディが担いだりするケース。後者は、大会を開催するゴルフ場で働いているキャディに依頼するケースで、現在の女子ツアーでは帯同キャディに依頼する選手が圧倒的に多い。
「とにかく励ましてほしい選手がいれば、なるべく話しかけないでほしい選手もいますし、コースマネジメントやパッティングのライン読みを任せたい選手だっています。私たちは役割分担が明確で、距離を歩測したり、打つ番手を決めたり、ラインを読んだりするのはすべて私です。アドバイスは求めますが、任せてしまうことはありません。ただ、風の向きや強さを判断するのはコーチに任せています」(青木)
実際とは逆の風をアドバイス!?
ちなみに、大西コーチは実際に吹いている風をそのまま伝えるのではなく、アレンジしてくることがあるという。
「例えば、奥のピンに突っ込ませたいとコーチが思った時は『ちょっとあげてるね』と言ってしっかり打たせようとしたり、その日のスイングが右に打ち出される傾向の時は『左からの風だね』と言って出球を微調整しようとすることもあります。コーチが他のキャディさんと真逆の風を伝えてくることは珍しくないんです(笑)。そういうアドバイスはコーチだからできることだと思います」(青木)
相性抜群の青木と大西コーチが、昨年6月の「宮里藍 サントリーレディス」以来のツアー通算3勝目を目指す。
資生堂レディスオープンhttps://corp.shiseido.com/golf/jp/index.html
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PROFILE
EVEN / EVEN副編集長
フクダトモオ
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。