再発見「〜全英への道〜 ミズノオープン」のアフターラウンドを体験
水上貴夫
- 2022年07月13日
「わかったと思うな」。
伝説のアマチュアゴルファー、中部銀次郎の言葉だ。少しばかりゴルフにのめり込んだ御仁の多くが知る金言である。実際、この言葉を何度呟いたことか。
5月末、「~全英への道~ ミズノオープン」のアフターラウンドを体験する機会に恵まれた。トーナメント最終日のピンポジションでプレーできる貴重なイベントで、我々が参加できたのはミズノとの取組みによる彼らのご好意のおかげだ。実は2013年と2014年にシューズやボールの試打イベントを兼ねて、同企画に参加したことがある。当時はまだゴルフを始めて数年で、ようやく90台で回れるようになった程度の腕前。プロたちが前日まで試合を行なっていたコースの雰囲気に圧倒されて、当たり前のように軽く100を超えた記憶がある。確か120くらい叩いたっけか。今年はアベレージを80台でキープできている自分がどれだけ成長したのか、腕試しである。
ラウンドの前日はトーナメント最終日を取材。ようやく流行病の規制から解放され、いつもの試合会場の雰囲気を取り戻しつつあることが分かる。それでもギャラリープラザがなかったり、選手との接触が規制されていたりと、まだ完全な状態にはない。そんな中にあっても、プロ達は己のもてる技をふんだんに発揮してスコアを伸ばしあい、ギャラリーはそれを静かに、だが熱く見守る。早く歓声をあげて楽しみたい。ところで、いつもここに来て簡単にパーを取るプロを見ていると、「明日は意外といけるんじゃないか」と考えてしまう。
翌日のセッティングは最終日のピンポジションながらスティンプメーターは「10.5フィート」。1日経ったこともあり、異常な速さではない。ただし、マスター室のスタッフ曰く「最終日は700トンのローラーをかけたから硬いよ」との話。つまり止まらないのだ。とはいえ以前と異なりレギュラーティからのラウンドなので、「もしかしたら80台も狙えるかも」、なんてヨコシマに考えてしまった。だが、やはりそんなに甘くない。とにかくグリーンでボールが止まらない。ウッドやミドルアイアンは勿論、アプローチも止まらない。そして最も厄介なのはラフ。どこも足首まで隠れるような長さで、特にこのコースは膝の高さより伸びたフェスキューが特徴、ここにハマればボールを出すことも困難。プロがよく「バンカーの方が良い」というがはまさにこの事だ。海際の立地ゆえに風も強い。力無いスライスなど打とうものなら軽く流されて地獄のラフへ。気がつけば「ダボです…」しか言っていない。当然スコアも良いワケがなく。ギリギリ90台で収めたものの、スタート時の意気揚々ぶりはどこへやら。やはりプロは凄い、ということを心底実感できた。そう、分かったと思ってはダメなのですね。己の実力を再確認しました。
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