女子ツアー開幕戦で首位発進の渡邉彩香がパターの長さを変更した理由
フクダトモオ
- 2023年03月03日
34インチを長めに握るパッティングスタイルへと変更
国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で首位スタートを決めた渡邉彩香が、初日のラウンド終了後に「パターが良かったですね。思ったところに思った強さで打つというのをオフに徹底してやっていたんですけど、それが上手くできたかなと思います」とコメントした。
昨シーズンまでは短めのパターをさらに短く握るパッティングスタイルだったが、開幕戦では従来より1インチほど長い34インチのパターをグリップエンドいっぱいのところで握るように変えて、ボール位置も少し中寄り(右寄り)に置くようにしたという。
「良い打点で打てた」(渡邊)
「今まではボールの上のほうを打って、回転は良いけどいまいち力が伝わり切らないパットが多かったんです。今日は良い打点でヒットできました」(渡邉)
しっかりとスイートスポットでボールをとらえられるようになったことが、芝目の強い琉球ゴルフ倶楽部の高麗グリーン攻略につながったことは間違いないだろう。
パターの長さで何が変わる?
自分に合った長さのパターを選ぶことの重要性について、パッティングコーチの橋本真和は「パターの長さによって変わるのはアドレス時の前傾角度とボールとの距離です。これが自分に合っていないと、エイミングを正しく取ることができません。それがストロークの乱れにもつながります」と話す。
橋本コーチが指導するアマチュアの馬場咲希も、先週行われた米女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」でパターの長さを36インチに変更したそうだ。
「試行錯誤する中で33インチのパターを試したこともありました。長身の選手が短いパターを使うと、前傾姿勢が深くなってボールの位置が目の下よりも体寄りになります。そうするとエイミングが取りづらくなって、自分では正しく構えているつもりでも、実際は狙いからずれてということが起きやすくなるんです。馬場選手の場合は、36インチのパターが最もエイミングが取りやすい長さだったのでしょう」(橋本)
ツアー通算6勝目に向けて
同じく170センチ超の長身選手である渡邉も、パターを長くしたことでエイミングが良くなった可能性はあるだろう。また渡邉はオフシーズンに、手の動きが中心だった打ち方から体全体を使う打ち方へとスイング改造を行った。本人は「楽しみと不安が半々」と語っていたが、これもプラスに作用しているようだ。昨年5月の「ほけんの窓口レディース」以来となる、ツアー通算6勝目に期待がかかる。
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PROFILE
EVEN / EVEN副編集長
フクダトモオ
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。