人気の地クラブを石井が試打る!
フクダトモオ
- 2024年06月20日
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TREND_06 人気の地クラブを石井が試打る! 古き良き顔でミート率1.5
YouTubeチャンネルの「試打ラボしだるTV」で多くのギアをインプレッションしている〝試打職人〞石井良介に、パーツブランドの注目ドライバーを試打してもらった。
※EVEN7月号掲載「パーツブランドのシン・流行」より抜粋
石井良介
トラックマンを使った試打やレッスンで人気のPGAティーチングプロ。自身のYouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」は総再生回数1億回を突破した。
大手メーカーよりも個性がある
「試打ラボしだるTV」でおなじみの石井良介は、年間に数百本のゴルフクラブを試打しているが、そのほとんどは大手メーカーのクラブ。地クラブのドライバーについては、「あまり打ったことがないので楽しみです」と話してくれた。
今回は複数のゴルフ工房や中古ショップから調査した人気の地クラブドライバー8本を用意して、石井に打ってもらった。「全体的な印象としては、懐かしい顔(形状)をしていますね。ヘッド体積が460㎤のモデルでも投影面積が抑えられているので小さく見えます。印象としては2010年代の『ツアーステージ』や『タイトリスト』を彷彿させる古き良き時代の顔です。ベテランゴルファーは、最近の高慣性モーメント系の超大型ヘッドより構えやすいかもしれません」
飛距離性能や打感に関しては次のように話す。「トラックマンで計測するとミート率が1.5近く出ていたので、大手メーカーの最新ドライバーにも決して負けてはいません。高慣性モーメント系ではないので、ミスヒットに強いというよりはボールを操る操作性の高さを感じました」
BALDO GT2
トップアマからの評価が高い
競技ゴルファーやトップアマからの評価が高いバルド。『GT2』は460㎤のディープヘッド。「見た目以上につかまりが良くてドローが打ちやすい。顔、飛距離、寛容性のバランスが良い」(石井)
問い合わせ:エヴァンジェリスト ジャパンプロダクト (079-269-8572)
Masda golf FBL
7年振りの新ドライバー「グリップが良い」
マスダゴルフが新作ドライバーを発売するのは7年振り。「顔、形状が素晴らしいし、マスダのスリックフィットグリップは本当に握りやすい。グリップパーツも優秀です」(石井)
問い合わせ:マスダゴルフ (047-406-5140)
続いて全体的な特徴について。「地クラブは大手メーカーより個性があります。その中で、最も大手メーカーのドライバーに近い印象だったのが『バルド』と『ロマロ』です。良い意味でクセがなくて完成度が高い。幅広いゴルファーにマッチすると思います。顔と打感が最も良かったのが『マスダゴルフ』。深みがあって締まった打球音は玄人好みで、様々なボールを打つイメージを出しやすい顔なので、アスリート好みの1本です。最もつかまりが良かったのは『ドゥーカス』です。慣性モーメントもやや大きめで、寛容性も高い。これはスライサーやアベレージゴルファーでも使えると思います。ヘッドスピードが遅くても飛ぶと思ったのが『カムイ』。フェースのたわみが大きいのでシニアゴルファーの飛距離アップには最適。楽に振って飛ばせるドライバーです」
KAMUI TP11
窒素ガスの効果でヘッドをたわみやすくした
『TP-11』ではカムイの特徴でもあるヘッド内部に窒素ガスを入れるテクノロジーによって、ヘッドのたわみを最大化。「柔らかい打感なのに、ボールスピードが出てミート率が高かったです」(石井)
問い合わせ:カムイ (0766-24-5622)
DOCUS RELOADED + NEO
チタンフェースの裏側にカーボンシートを装着
画期的なテクノロジーに挑戦しつづけるドゥーカス。新ドライバーではチタンフェースの裏側にカーボンシートを装着している。「打球音がマイルドなのに、フェースに乗って操作できる感覚があります」(石井)
問い合わせ:HARAKEN (0280-23-4099)
世界初となる3Dプリンターヘッドも誕生
トラックマンで計測して、最も飛距離が出ていたドライバーはどれだったのか?「今回はヘッドスピード43m/s前後で打ちましたが、トラックマンで最も飛距離が出ていたのは『エミリッドバハマ』と『JBEAM』です。どちらもボールスピードが速くて、スピンを抑えているので棒球で飛ぶ感覚がありました。ドローボールで飛ばしたい人は『プロシード』も飛ぶと思います。『プロシード』は低スピンでありながら、つかまりが良いという大手メーカーのドライバーにはあまりないタイプだったのが印象的でした」
ROMARO BR08
一体成型ヘッドでも中央部だけ軟らかく
3Dプリンターによる一体成型で作られた『BR08』。ヘッド中央部を軟らかくしたことで、大きくたわむ構造になっている。「打感が良いのにボールスピードが速い。幅広いゴルファーが使えるドライバーです」(石井)
問い合わせ:ジャスティック (06-4701-9080)
JBEAM JBLAST X
ドラコンプロが開発に携わる
ドラコンチャンピオンの山崎泰宏選手が開発に携わる老舗メーカー。『J BLAST X』はソールにある溝が空気抵抗を減らしてスピードアップを実現。「飛距離性能はトップクラス。弾き感が強烈です」(石井)
問い合わせ:ジェージーイー (0120-36-7050)
JUSTICK PROCEED DOUBLE-R 450 MAX
過去最大の重心距離でドローバイアス設計に
同社のシリーズとしては過去最大の重心距離でドローバイアス設計にした『ダブルR-450 MAX』。「中・上級者でドローボールを持ち球にしている人と相性が良い。打球音も静かでアスリート好み」(石井)
問い合わせ:ジャスティック (06-4701-9080)
GRANDPRIX EMILLID BAHAMA
高弾道&低スピンの「棒球」で飛ぶ!
地クラブユーザーから「飛ぶ!」と評判の『エミリッドバハマ』。セミシャローヘッドの『CV9』はやさしさとかっこよさを両立。「スピン量が2000回転前後に抑えられていて飛距離性能が高いです」(石井)
問い合わせ:グランプリ (089-994-1112)
試打を終えた感想を聞くと、「どちらかといえば大手メーカーは万人向けに作られているので、誰が打っても80点くらいのドライバーが多いですが、地クラブはハマれば100点というくらい開発と設計は攻めていると思いました」と話してくれた。
地クラブの開発で話題になったのは「ロマロ」だ。今回試打した『BR08』と『ザ・ファースト』のドライバーは世界で初めて金属の3Dプリンターで開発。発表直後には世界中から取材依頼があったそうだ。大手メーカーに先駆けて画期的なテクノロジーを採用できるのもパーツメーカーの魅力である。
鹿又芳典&石井良介が注目する個性派パーツブランド
鹿又芳典
プロも信頼するカリスマフィッターとして多くのゴルフメディアで活躍。店長兼クラフトマンを務めるゴルフショップ「マジック」では多くのパーツブランドを取り扱っている。
Muziik
『オンザスクリューシリーズ』がロングセラーになっている「ムジーク」。最新モデルの『BLACK XSPIRE』はムジーク初のマルチコンポジットドライバーで、寛容性と飛距離性能を高次元で融合している。
問い合わせ:ムジーク (03-5980-8562)
福山ゴルフ
創業60年を超える日本最古のゴルフメーカー。地元・広島の競技ゴルファーからも長く愛されている。アイアンではネック部分に少し凹みがある『B.B.グラインド』を全モデルに搭載。接地面積が少なく抜けが良い。
問い合わせ:福山ゴルフ (084-921-2939)
METAL FACTORY
斬新なクリアメタル仕上げが特徴の『A10 STR』。トゥ側に軽量カーボン、ヒール側にステンレスを使用して、約10倍の重量差をつけることでヘッド挙動の安定化を実現。ブラックカラーのヘッドもあり。
問い合わせ:朝日ゴルフ (078-793-8400)
RAZZLE DAZZLE
国内生産の軟鉄一体鍛造によるウェッジが人気の「ラズルダズル」。最新モデルの『CS-07W』は3タイプのソール形状があり、56度以上のロフトはバックフェース上部を肉厚にしてスピン性能を高めた。
問い合わせ:AZAS GOLF (048-797-8971)
WACCINE COMPO
高性能シャフト『ワクチンコンポ』が大ヒットし、そのシャフトの性能を最大限に引き出すヘッドパーツを開発。『WAC LS-02』は空気抵抗を抑えることでヘッドスピードを約5%もアップ!
問い合わせ:グラビティー (0800-111-1848)
MYSTERY
地クラブ界の老舗ブランド「ミステリー」。ヘッドのバリエーションが豊富で、ルール適合モデルだけではなく高反発でヘッド体積が435㎤の『CF-435HC』なども人気がある。
問い合わせ:和宏エンタープライズ (06-6390-6131)
FUSO DREAM
有名研磨職人達が集う「フソウドリーム」。最新ドライバーの『KS2』は余計な装飾を排除したシンプルなデザイン。上下方向の慣性モーメントを重視した設計によりバックスピンを抑えている。
問い合わせ:扶桑電機工業 (03-6712-4118)
A GRIND
ツアーでプロのクラブを担当していた赤穂勇介氏が2013年に立ち上げたブランド。10周年記念モデルとしてハーフキャビティに近い中空構造の『DCDフォージドアイアン』を発売。
問い合わせ:A DESIGN GOLF (080-1405-4148)
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PROFILE
EVEN / EVEN副編集長
フクダトモオ
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。