〝出力〟と〝効率〟のバランスが重要!右手先生の飛距離UP術
フクダトモオ
- 2024年08月30日
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1ヤードでも遠くへ飛ばしたい!そんな全ゴルファーの願いを叶えるべく、独自の「右手先生」メソッドが人気の森山錬コーチにレッスンを依頼した。すると、飛距離アップのためには出力と効率のバランスが欠かせないとのこと。そこで、出力を最大限に上げて、効率を高める方法を解説してもらった。右手先生の最新メソッドで、自分史上最大飛距離を実現しよう!
教えてくれるのはこの人 森山 錬
右手の感覚を生かしたゴルフ理論でアマチュアの上達をサポートしている。Instagram(@rengolf_54)のワンポイントレッスンも人気。
ここを変えればもっと飛ばせる!
①飛ばせる構えをつくる
スイング云々の前に飛ばせる準備が整っていなければ飛距離アップは難しい。まずは正しいアドレスとそのルーティンについて知っておこう。
②横→回転→縦が正解!
バックスイングの始動は足から?手から?それとも体から?重いものを遠くへ飛ばす動きを実践すると、正しい動きが見えてくるという。
③切り返しは右手の掌底!
トップから切り返す一瞬でクラブに正しく力を加えると、出力を最大限に高めることができる。ポイントは“右手の掌底”にあった!
④ヘッドを走らせるコツ
ダウンスイングで力が入っていると、ヘッドスピードは減速してしまう。ヘッドを走らせて振り抜くための練習ドリルにチャレンジしよう。
Lesson.1_セットアップ編:飛ばし屋が実践しているアドレス&ワッグルを知る!
スイング前の準備が正しくできていないと、出力と効率を最大化することはできない。まずは飛ばせるセットアップ法とアドレスをマスターしておこう。
アドレスは「右手から」セットしよう!
クラブヘッドをボールにセットする時に右手から入ると、右肩が少し下がった正しいアドレスをつくりやすい。さらに、クラブを振りやすいところに手元が収まりやすく、ボールをたたくイメージもわくので、飛距離アップにつながるという。
飛距離アップの準備を整えよう!
ゴルフスイングにおいて飛距離アップの鍵を握っているポイントは、スイングの出力と効率です。よく「力みはNG」と言われますが、力を入れること自体が悪いわけではなく、正しく力むことができれば出力アップ=飛距離アップにつなげることができます。もうひとつ覚えておいてほしいのが、クラブは出力を増幅させる装置だということです。つまり、クラブを効率良く使うことができれば、自身の出力を最大化させて、さらなる飛距離アップが可能になります。
アマチュアゴルファーの皆さんのスイングを見ていると、ベースの出力はあるのに効率が悪くて飛距離をロスしているケースが多いように感じます。そういう方は、もっと飛ばせるポテンシャルを秘めています。まずは、飛距離アップにつながるセットアップとアドレスを知ることから始めましょう。ここでの力みは絶対にNGです。
右手が左手よりも下になる分、右肩がやや下がるのが正しいアドレス。右ヒジにゆとりもできてボールをたたきやすくなる。肩が平行になると右肩がかぶりやすく、右ヒジも突っ張りやすくなる。
重心を下げる意識は不要
どっしりと構える意識が強いと、尻が下がったカカト重心のアドレスになりやすい。リラックスして、少し立ち気味のイメージで構えるのが正解。構えた時に力を入れて良いのは腹筋だけだ。
ワッグルでヘッドの重さを感じよう
ワッグルの目的のひとつは、ヘッドの重さを感じること。なかなか感じにくいという人にぜひ試してほしいのが、右手→左手→右手とグリップを受け渡しながら左右に揺らす動き。そのまま両手で握って、同じようにクラブを揺らしてみよう。
手をグリップから緩く離して、振りながら握り直す「ミルキング」の動きをワッグルに取り入れると、ヘッドの重さを感じやすくなる。
クラブヘッドを手でヒョイと上げてしまうワッグルは逆効果。実際に打つ時もこの動きが出やすく、ミスショットの原因になる。
Lesson.2_バックスイング編:テークバック〜トップは横→回転→縦が正解!
スイングの始動の順番を間違えると、出力と効率を最大化することはできない。正しいバックスイングのヒントは、重いものを遠くへ飛ばすための動きにある。
インパクトで最大パワーを得るためには?
スイングのインパクトで最大のパワーを得る動きは、重いものを遠くへ飛ばす動きに通じる。重いものを遠くへ飛ばすためには、始動から効率良く体を使っていく必要がある。
スイングのインパクトで最大のパワーを得る動きは、重いものを遠くへ飛ばす動きに通じる。重いものを遠くへ飛ばすためには、始動から効率良く体を使っていく必要がある。
惰性の力を利用してテークバックを開始
飛ばないゴルファーの多くは、自分の力でクラブをトップまで上げようとしがちです。バックスイングでは、いわゆる惰性の力でテークバックを開始して、自分の力をなるべく使わずにクラブをトップまで上げていきましょう。
足踏みワッグルなどを活用して左に体重を乗せてから右へと動き出すと、スムーズな横の動きでテークバックを始動することができます。そこから体を回していけば、惰性の力でクラブは自然とトップまで上がっていきます。重いものを両手で抱えるように持ち、勢いよく振る動きを実践してみると、この動きを体感することができます。
この時、腹筋に力を入れて体の軸をブレさないことも大切です。
回転や縦からスタートするのはNG
体を回す動きから始動すると、トップで手元が低くなったり、横振りのフラットなスイングになったりするリスクが高まる。(上)いきなり縦にクラブを上げようとすると、体が十分に回らなかったり、リバースピボットの形になってミスが出やすくなる。(下)
左→右の順に横の動きからスタートしよう
① 静止した状態から動き出すのではなく、小刻みに左右の足を踏み込む足踏みワッグルをしながら始動するとスムーズだ。
② テークバックとは逆方向の左にいったん踏み込むことで、右へと振り上げていく助走をつけてやると横から始動しやすい。
③ いったん左に踏み込んだ反動を利用して、右へ動き出す。この時、スエーの動きにならないように軸をキープすることが大切。
④ いったん横に動いてから、体を回し、クラブを上げていく。これらがシームレスに行われることが理想的なバックスイングだ。
Lesson.3_切り返し編:タメの意識は不要!右手は掌底のイメージをもつ
スイング中に力を最大限に入れるのが、トップから切り返す瞬間だ。右手の“掌底”によって出力を上げることで、ヘッドスピードが加速していく。
タメをつくろうとして手元を引き寄せるのはNG
切り返しでタメを作ろうとして手元を引き寄せる動きをすると、スイングアークが小さくなってヘッドが加速しない。むしろ、手元を遠ざけるようにクラブを引くイメージで切り返すと、スイングアークが大きくなって飛距離アップにつながる。
右手首のヒンジをキープして大きなアークで振り下ろそう
タメをつくろうとする意識がなかったとしても、切り返しからダウンスイングで力を入れ続けてしまうと×の形になりやすいので注意しよう。
切り返しで出力最大!遠心力でクラブヘッドを走らせる!
手元を体から離すように振り下ろすと、効率良くヘッドを加速させられる。
切り返しでクラブに力を与えるには、右手の掌底によって体から手元を離すように切り返すイメージがおすすめ。そうするとクラブに遠心力が働いてヘッドが加速するので、インパクトまで力を入れ続ける必要はない。
ダウンスイング、力を出し続けるのはNG
ヘッドスピードを上げて飛距離をアップするには、トップから切り返す瞬間にしっかりとクラブへ力を伝える必要があります。ここで十分に力を伝えることができていないと、出力不足で飛距離が伸びません。また、切り返しからダウンスイングにかけて力を出し続けてしまうのもNGです。そうすると手元と体が近くなって、一見するとタメができているようにも感じますが、実際にはヘッドが加速していかないのです。
切り返しではタメの意識や力を入れ続ける意識は不要です。イメージとしては、右手を掌底するようにクラブを後方へ引っ張る動き。この瞬間に最大の出力をかけることで、スイングアークが大きくなって、効率良くヘッドを加速させられます。
遠心力を最大限に活用して、ヘッドスピードを高めましょう!
スイングのエネルギーをクラブが増幅させてくれる。
ボールを遠くへ飛ばすためには、シャフトがしなり戻る力を利用する必要がある。バックスイングからトップまでに加速したクラブを切り返す瞬間に最大の出力を与えれば、そのエネルギーをクラブが増幅して飛ばしのパワーに変えてくれる。
Lesson.4_練習ドリル編:出力と効率を最大化する練習方法を知ろう。
飛ばしのポイントを理解したら、あとは練習で体に覚え込ませるのみ!出力と効率を最大化するために、おすすめの練習ドリルを紹介しよう。
Drill.1 水平素振り
正しいスイングを体感するための一番の近道
直立した状態でクラブを持って胸の高さで水平にクラブを振ると、スムーズにヘッドを加速させられることがわかるはず。このまま前傾をして同じように振れば、それが正しいスイングプレーンだ。
軸が左右に傾いてしまうと水平にクラブを振れなくなってしまう。実際のスイングも同じで、軸が傾くと正しい軌道でクラブを振れなくなる。
Drill.2 逆さ持ちドリル
軽いモノを速く振る練習でヘッドスピードアップ!
軽いものを速く振ろうとすると力だけでは難しいことがわかる。クラブのヘッド側を持ち、ビュン!と音が鳴るように振るとヘッドが加速するポイントがつかめ、ヘッドスピードアップが期待できる。
Drill.3 左足1本ドリル
飛ばせるインパクトを身につけよう
しっかりと左足を踏み込みながらインパクトを迎えることでヘッドスピードが最大化する。どうしても右足に体重が残ってしまう人は、右足をつま先立ちして、左足1本で立って打つドリルに取り組もう。
ドラコンホールなどここ一発の飛びが必要な時は、スタンスを通常より広くするのがおすすめ。左足とボールの位置はそのままに、右足を1足分ほど右へ移動して構えよう。
森山錬プロのゴルフスタジオ「フタコゴルフクラブ」がオープン
今回レッスンをしてくれた森山錬プロが新たにゴルフスタジオ「フタコゴルフクラブ」をオープンした。
約600平方メートルという広大な敷地には4つの打席があり、高性能な計測器、アプローチやパッティング専用の練習グリーン、ゆっくりくつろげるリビングスペース等が揃う。
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PROFILE
EVEN / EVEN副編集長
フクダトモオ
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。
1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。