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アイアンのトリセツ2024 進化するアスリートモデル — 内部構造がもたらす新時代の飛びと打感

秋のシーズンインを前に、ニューアイアンの発表・発売が相次いでいる。飛距離性能をまとったアスリートアイアンからシャープな飛び系アイアンまで、最新モデルの潮流と特徴を鹿又芳典氏に分析してもらった。

アスリートモデルはインナー革命がはじまった!

今年の秋に発売されるアイアンはアスリートモデルが充実している。
その最新トレンドを鹿又芳典氏に聞いた。

上:CALLAWAY APEX Ai200 『Ai200』のAiスマートフェースには80台ゴルファーのデータをインプットして、ダウンブロー軌道に最適なフェース設計になっている。女子プロからの評価も高い。 下:CALLAWAY APEX Ai300 グースネックで少しサイズが大きめの『Ai300』は90台ゴルファーをターゲットにしたフェース。スイングスピードが遅い人が打っても、打ち出し角が高くなる構造を採用した。問:キャロウェイゴルフお客様ダイヤル 0120-300-147

 

鍛造フェース、鍛造ボディ、Aiスマートフェースというキャロウェイの技術を結集。ヘッド内部にはウレタン・マイクロスフィアを搭載したことで、ミスヒットした時の打感も向上。

10周年の『APEX』で初の内部構造と素材

9月6日、3メーカーが同じ日にアスリートモデルのアイアンを発売する。キャロウェイの『APEX Ai200/Ai300』、ブリヂストンゴルフの『241CB/242CB+』、そしてテーラーメイドの『P770/P7CB』だ。

「アスリートアイアンは形状や顔といった『外観』を変えないようにしているのが最近の傾向です。プロもアマチュアも人気のアイアンについては『顔はコレで良い』と満足している人が多いからです」(鹿又)

だからこそ、進化を感じにくいという声もある。

「実はそこが誤解されているところで、アイアンは内部構造がすごく進化していて、革命が起きているといっても過言ではありません。初代から10周年を迎える『APEX』シリーズはフェースもボディも鍛造製法にして、フェースにはフェアウェイウッドなどに使っていた反発性能の高いカーペンター455スチールを採用。その上でカップフェース構造にしています。歴代の『APEX』ではカーペンター455スチールでカップフェースにしたことはなかった。それは耐久性の問題をクリアするのが難しかったからです。今回はその壁を超えてきたことに驚きました。Aiスマートフェースも採用していて、フェースの裏面にはAI設計による凹凸があります」(鹿又)

日本ツアーでも使用者が多く、ツアープロからの評価が高い『241CB/242CB+』も形状には大きな変化はないが、内部には新しいテクノロジーを搭載していた。

「特に『241CB』はプロからの要望もあって、シンプルでシャープな外観は大きく変えていません。その上でキャビティ内部の上部を厚く、下部を薄くすることでソフトな打感にしています。『242CB+』はさらに革新的な内部構造になっていて、ヘッド内部にリブ付きインナーポケットをつけたことで余剰重量を確保。ソールにタングステンウェイトを搭載することでミスヒットに強くしています」(鹿又)

ドライバーは外観もデザインも大幅に変更するが、アイアンは内部に革新的な構造を隠すのが最新トレンドになっている。

上:BRIDGESTONE GOLF 241CB 発売前からツアープロが使用しており、女子では吉田優利、男子では堀川未来夢が『241CB』を使っている。堀川がアイアンを変えるのは7年振り。 下:BRIDGESTONE GOLF 242CB+ セミラージサイズの軟鉄キャビティアイアン。インナーポケットの効果によって弾き感もプラスされて、飛距離性能も高くなった。 問:ブリヂストンスポーツお客様コールセンター (0120-116613)
インナーポケット構造によって約20グラムの余剰重量が生まれ、設計の自由度が増した。ソール内部には軟鉄プレートとタングステンを搭載している。
「内部構造の進化によって、良い意味で見た目と打った印象にギャップがあるアイアンが増えました」(鹿又)

鋳造でも 打感がソフト、鍛造でもミスに強い新設計

アイアンでは「鍛造=打感が良い」、「鋳造=やさしい」という印象があるが、最新アイアンのテクノロジーはその常識を超える次元になっていた。

バックフェースに新サウンドバー

ミズノといえば、日本だけでなく世界的にもフォージドアイアンの評価が高い。昨年発売した『ミズノプロ』は伝統的な鍛造モデルだった。しかし、『JPX925ホットメタル』は鋳造モデルが主役だ。

「昨年の『ミズノプロ』はミズノらしいフォージドアイアンでしたが、今年の『JPX925ホットメタル』はソール下部に空洞部分を作ったり、前作より薄いフェースを採用した鋳造設計です」(鹿又)

あのミズノらしい打感は?

「もちろん『ミズノプロ』の打感とは違います。でも、『JPX925ホットメタル』の鋳造タイプも打感は上質。柔らかいなかに芯を感じるフィーリングで飛距離が出そう。バックフェース部分にサウンドバーを搭載したことで、打球音が締まっている。それが打感の心地よさにつながっています」(鹿又)

上:MIZUNO JPX 925 HOTMETAL HL
『HL』はハイロフトの意味で、7番アイアンのロフトは31度。3モデルの中でも最も重心を低くしているため、打ち出し角が大きい高弾道ボールが打てる。

中:MIZUNO JPX 925 HOTMETAL PRO
飛距離性能が高いセミアスリートモデル。ストレートネックでシャープな形状になっており、操作性が高くスピンコントロールがしやすい。

下:MIZUNO JPX 925 HOTMETAL
最もスタンダードなモデルで、飛距離と寛容性を両立。タングステンをトゥ側に入れたことで、スイートエリアを大幅に拡大している。

問:ミズノお客様相談センター (0120-320-799)

「打感、打球音を知り尽くしているミズノだからこそ、鋳造でも打感のレベルが高い。米国でも『JPXシリーズ』のシェアが伸びています」

マキロイが使った『P7CB』もやさしい

TAYLORMADE GOLF P770
番手別に異なる構造とL型フェースの組み合わせによって、オフセンターヒット時の飛距離やスピン量のバラツキを抑え、寛容性を高めた。
問:テーラーメイド ゴルフ カスタマーサービスコール

TAYLORMADE GOLF P7CB
軽量素材のセラミックコアをヘッド内部に搭載したことで、周辺部分にウェイトを配置。その結果、スイートエリアが拡大し、ミスヒットに強くなった。
問:テーラーメイド ゴルフ カスタマーサービスコール (0570-019-079)

PGAツアーのトッププレーヤーも使用しているテーラーメイドの『Pシリーズ』。打感や操作性に優れているのはもちろんだが、鹿又は新モデルを打ったときの寛容性に驚いていた。

「ツアープロが好むハーフキャビティ形状の『P7CB』ですが、アマチュアゴルファーでも使えるレベルのやさしさがあり、ミスヒットに強い。ソール内部に約11グラムのタングステンを入れたことで、打球が上がりやすいですね」(鹿又)

また、『P770』はマッスルバックのような雰囲気ですが、鹿又のインプレッションは少し違っていました。

「ヘッドサイズはコンパクトですが、打ってみると想像以上にやさしい。軟鉄素材の中空構造なのでシャープに見えますが、内部は非常に複雑。L型フェースを採用し、番手別設計によるタングステンの配置、さらに貫通型のスピードポケットなど、テーラーメイドのテクノロジーが詰まっています」(鹿又)

あのローリー・マキロイが発表前から試合でプロトタイプを使っていた『P7CB』ですが、鹿又はアマチュアでも使えると太鼓判を押しています。

「ドライバーのヘッドスピードが42m/s前後あれば、『P7CB』も『P770』も十分に使いこなせます」

ソールを制するものがアイアンを制す

鹿又は、最新アイアンの性能において重要性を増してきたのが「ソール」だと語る。「ソール」を見極めるポイントは?

スリクソンのV字ソールがキッカケ

PRGR 04

卵型のオーバル・キャビティ・デザインを採用した『04』。ヒールからセンターにかけてソール幅を徐々に広くしている。性能としては、飛び系の『03』と寛容性の『05』を融合したタイプ。 問:プロギアお客様相談室 (0120-81-5600)

「もちろん、昔からアイアンにおいて『ソール』は重要なパーツでした。アイアンはフェースがボールに当たる前に、ソールが芝(地面)に接触します。だから、ソール形状が抜け感やダフリの強さなどに影響します。プロゴルファーはアイアンのテストをする前に必ずソールをチェックしています」(鹿又)

最近のアイアンにおいて、さらにソール形状が重視されるようになった理由について、鹿又はこう語る。「私はスリクソンがきっかけだと思っています。独特のV字型ソール(ツアーVTソール)の抜け感はプロゴルファーからも評価され、『スリクソンZX5 MkⅡ』は大ヒットしました。V字になっていることで、ダウンブローに打ち込む人でも引っかかりにくいのが最大の利点です。ソールの性能でいえば、ソール幅が狭いほど抜けが良く、広いとダフリに強く寛容性が高い。例えば『241CB』と『242CB+』を比較すると、後者のほうが少し広くなっています。『JPX925ホットメタル』の3モデルを見ても、『HL』は最もワイドソールです」

さらに、ソールがフラットかラウンドなのかによっても性能が異なる。

「秋モデルのアイアンで個人的に注目しているのがプロギアの『04』です。ゆるやかなラウンドをつけつつ、センター部分は広くしています。アドレス時にシャープに見えながらも、重心を低くしているのが絶妙です。ソール形状としてはフラットな方が色々な軌道で打ちやすく、テクニックのある人には球筋を打ち分けやすい」(鹿又)

最新のソール形状のトレンドとして、グラインド(削り)が入っている点にも注目すべきだと鹿又は指摘する。

「ツアープロの意見を取り入れ、『241CB』はリーディングエッジとトレーリングエッジを削り、抜けを良くしつつ、ターフを取りやすいソールになっています。また、『JPXホットメタルシリーズ』もソール幅は広めですが、後方を削ることでラフからの抜けが良くなっています」(鹿又)

改めて各メーカーの最新アイアンのソールを見比べると、個性も違い、細かいグラインドが入っている。アイアンは内部構造やソールといった見えない部分にこそ進化があった。

「今年大ヒットした『Xフォージドスター』も、トライレベルソールという3段ソールでした」

241CB
プロからのフィードバックを参考に、リーディングエッジとトレーリングエッジの両方を削ったことで、「入り・抜け」の両方が向上した。

242CB+
『241CB』に比べて、ソール幅が広くラウンド形状になっているのが『242CB+』。あらゆるミスに強いオールラウンドタイプ。

Ai200
シャープなソール幅で、リーディングエッジを削った『Ai200』。ダウンブローで打つことを想定したソール・バンス設計になっている。

Ai300
『Ai200』と比較すると、グースネックになっており、ソール幅もわずかに広い。後方部分を削ることで、地面との接地面積を少なくしている。

P7CB
ほとんどフラットに見えるが、わずかに丸みを帯びたキャンバーソールデザインを採用。ターフを豪快に取っても抜けが良い。

P770
ソールにはテーラーメイド独自のスピードポケットを搭載。ソール形状はツアータイプだが、内部構造で寛容性を高めている。

JPX 925 HOT METAL
ソール幅はやや広めで、ダフリミスに強い。前作よりもトレーリングエッジ側を広く削っている。

JPX 925 HOT METAL HL
ロフトを大きくした『HL』はワイドソールタイプ。重心を低く、深くすることで打球を上げやすくしている。

JPX 925 HOT METAL PRO
セミアスリートゴルファーをターゲットにした『プロ』は、ソール幅を狭くして、抜けの良さや操作性を重視した形状となっている。

 

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EVEN 編集部

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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