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石井良介が2024年秋モデルのアイアンを一斉試打

アスリートモデルも+5ヤードの“ちょい飛び系”に

アイアンはインドアや練習場ではなく、ゴルフコースで芝の上から打たないとわからない!今回は令和の試打職人・石井良介氏にラウンド試打で最新アイアンを打ってもらった。

石井良介

トラックマンを使った試打やレッスンで人気のPGAティーチングプロ。自身のYouTubeチャンネル「試打ラボ しだるTV」は総再生回数1億回を突破。

今回の取材前に練習場で打ったことがあるアイアンもあると語っていた石井良介だが、コースで打つとまったく印象が違うモデルがあったとのこと。「一番驚いたのは『Ai200』です。練習場では打球音が反響しやすいので音が甲高く、弾き系の打感で寛容性があり、飛距離も出たのでアベレージ向けのアイアンかと思っていました。しかし、芝の上から打つと完全なアスリートモデル。打球音が締まっていて打感もソフト。そして、飛ぶ。アスリートモデルとして飛距離性能が高いアイアンだと思いました。自分自身のセッティングに入れることも検討しています」

最新アイアンでは、全体的にアスリートモデルの飛距離性能が上がってきていると指摘した。「飛び系アイアンの飛距離が1〜2番手くらい飛ぶのは周知のことですが、最新モデルはバリバリのツアーモデルも飛距離が伸びています。5年前のモデルと比較すると5ヤード以上は飛距離が違います。トップ選手が試合で使っている『241CB』や『P7CB』『P770』でも想像以上にボールスピードが速くて、飛距離が出ていました。少しヘッドサイズが大きめの『242CB+』や『JPXホットメタルプロ』になると、一般的なアスリートアイアンより10ヤード以上は飛んでいます」

アスリートモデルの飛距離が伸びてきた要因は?「飛び系アイアンほど極端にストロングロフト化されたわけではありませんが、アスリートモデルのアイアンも5年前に比べると1、2度はロフトが立っています。その影響でスピン量が減りました。トラックマンで計測すると、以前は『番手×1000回転』が理想的だと言われていました。しかし、今は『番手×900回転』くらいがスタンダードになってきています。スピン量が減ったぶんだけ、ボール初速が出るようになったのです」

ただし、単純にロフトを立たせて飛ぶようになっただけではない。「最新モデルは『Ai200』や『P770』のように中空構造にして、内部に最新テクノロジーを搭載していたり、『JPX925ホットメタルプロ』のようにフェースを薄くして反発性能を高めたモデルもあります。ロフトが立っても、ボールの高さや最高到達点は以前の7番アイアンとほとんど同じです。低スピンでも高弾道ボールが打てることがアスリートアイアンの進化だと思います」

中・上級者のベテランゴルファーで「最近、少し飛距離が落ちてきた」と悩む方にとって、〝プラス5ヤード〞のアスリートアイアンは最高の武器になるだろう。

CALLAWAY APEX Ai200

全部門の平均点が高い。打感が柔らかいのに飛ぶし、カッコイイのにミスに強い。
ベテランアスリートが好きなバランス型。
ロフト(°):30(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 211,200円、単品(#4、AW)1本 35,200円
問い合わせ:キャロウェイゴルフ お客様ダイヤル (0120-300-147)

BRIDGESTONE GOLF 241CB

ヘッドスピードが速いアスリートと相性がイイ抜け感。ボールが食いつく打感で、日本メーカーらしい軟鉄鍛造。
ロフト(°):32(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37、37.25(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 145,200円、単品(#4 ※特注)1本 24,200円
問い合わせ:ブリヂストンスポーツ お客様コールセンター (0120-116613)

BRIDGESTONE GOLF 242CB+

ミッドサイズのアスリートモデルで1番手アップの飛距離を求めるタイプにオススメ。『241CB』より初速が出ます。
ロフト(°):31(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37.25、37.5(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 145,200円、単品(#4 ※特注)1本 24,200円
問い合わせ:ブリヂストンスポーツ お客様コールセンター (0120-116613)

TAYLORMADE GOLF P7CB

とにかく打感が柔らかい!フェースにボールが乗っている時間が長いので、スピン量も多かったです。
ロフト(°):33(#7)
ライ角(°):62.5(#7)
クラブ長さ(inch):37(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 148,500円、単品(#3、#4、#5)1本 29,700円
問い合わせ:テーラーメイド ゴルフ カスタマーサービスコール (0570-019-079)

TAYLORMADE GOLF P770

中空構造とは思えない打感で、空洞感が一切ない。見た目以上に芯が広いので球筋が安定していました。
ロフト(°):33(#7)
ライ角(°):62.5(#7)
クラブ長さ(inch):37(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 159,500円、単品(#3、#4、#5)1本 31,900円
問い合わせ:テーラーメイド ゴルフ カスタマーサービスコール (0570-019-079)

MIZUNO JPX 925 HOTMETAL PRO

飛距離性能が高いセミアスリートモデル。薄い当たりでも飛距離が出てくれるので、タテ距離のバラツキが少ないです。
ロフト(°):28(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37.25(#7)
価格:5本(#6~9、PW)セット 115,500円、単品(#5、GW、SW)1本 23,100円
問い合わせ:ミズノお客様相談センター (0120-320-799)

今年のアベレージ系は打感・抜けがツアーテイスト

アスリートモデルに続いて石井に打ってもらったのが、寛容性の高いアベレージモデルだ。このクラスのアイアンにも今年は大きな進化があった。

ワイドソールが減ってきた!?

最近のアベレージモデルは、バックフェースのデザインもシンプルで、まるでツアーモデルのような外観を持つモデルが増えてきている。「デザインだけでなく、打った印象もツアーモデルのテイストを感じるアイアンが増えました。操作性の高いツアーモデルに比べ、アベレージモデルは直進性が高いのが特徴です。それに加えて打感も良くなっています。『Ai200』に比べてヘッドサイズが大きくグースネックの『Ai300』ですが、打感は『Ai200』とほとんど変わらず、鍛造アイアンらしい食いつき感があります。『プロギア 04』は食いつき系ではないものの、クロモリ系フェースと軟鉄ボディの組み合わせで心地よい弾き感があり、飛びそうな芯がある打感です。そして、ミズノの『ホットメタルシリーズ』も鋳造とは思えないくらいソフトで、ミスヒット時でも嫌な感触がありませんでした」

打感だけでなく、石井が芝の上からアイアンを打つとき、綺麗にターフが取れる点にも注目が集まった。「昔のアベレージモデルはフラットに近いワイドソールで、払い打ちの際にナイスショットが打てたので、ほとんどターフは取れませんでした。しかし、最新のアベレージ系は抜けが良く、打ち込んだ際にターフが取れる。これもツアーテイストですね」

「抜けが良いのでターフを飛ばすタイプでも『Ai300』や『プロギア04』は使えます」(石井)

ワイドソールが減った理由については、「昔のアベレージモデルはソール幅を広くすることで、重心を後方にし、慣性モーメントを大きくしていました。しかし、最新モデルは『ホットメタルシリーズ』のようにソール内部に空洞を設けてタングステンを搭載したり、『プロギア 04』のように独特なバックフェース形状(オーバル・キャビティ・デザイン)で慣性モーメントを上げています。そのため、ソール幅を極端に大きくしなくても、ミスヒットに強いのです」

このように、ソールがシャープに見えることで、キャディバッグに入れた際もツアーモデルのような雰囲気を醸し出している。

CALLAWAY APEX Ai300

打感は『Ai200』同様にソフトですし、ミスヒットしたときでも嫌なフィーリングがない。グースネックでつかまりも良かった。
ロフト(°):29(#7)
ライ角(°):62.25(#7)
クラブ長さ(inch):37.25(#7)
価格:6本(#5~9、PW)セット 211,200円
単品(#4、AW)1本 35,200円
問い合わせ:キャロウェイゴルフ お客様ダイヤル (0120-300-147)

PRGR 04

良い意味でクセがなくて、万人向け。飛び系の『03』に比べると約0.75インチ短いので、振りやすい。
ロフト(°):28(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37.25、37(#7)
価格:5本(#7~9、PW、AW)セット 126,500円
単品(#5、#6)1本 25,300円
問い合わせ:プロギアお客様相談室 (0120-81-5600)

MIZUNO JPX 925 HOTMETAL

どちらかと言えば弾き系ですが、打感・打球音は心地よい。反発性能が高いフェースでボールスピードはトップクラスです。
ロフト(°):28(#7)
ライ角(°):61(#7)
クラブ長さ(inch):37.25(#7)
価格:5本(#6~9、PW)セット 115,500円
単品(#5、GW、SW)1本 23,100円
問い合わせ:ミズノお客様相談センター (0120-320-799)

MIZUNO JPX 925 HOTMETAL HL

実はスタンダードより『HL』の方がターゲット層が広い。ソール幅が広いのでダフっても飛びますし、下側ヒットにも強い。
ロフト(°):31(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37.25(#7)
価格:5本(#6~9、PW)セット 121,000円
単品(#5、GW、SW)1本 24,200円
問い合わせ:ミズノお客様相談センター (0120-320-799)

飛び系アイアン第3世代は顔がスマートになった!

2年ぶりにリニューアルされた『インプレス ドライブスター』は、飛び系アイアンのパイオニア的存在。ただし、飛び系アイアンのカテゴリーも年々変わってきている。

『インプレス』は2モデル展開に!

すっかり一般ゴルファーにも定着した飛び系アイアンというフレーズ。そのはじまりは、2014年に発売された「ヤマハ」の『インプレスUD+2』だった。同モデルが大ヒットしたことにより、飛び系アイアンという新カテゴリーが生まれた。あの大ブームから約10年。今年9月には『インプレスドライブスターシリーズ』の新モデルが発売。この飛び系アイアンについて石井良介は進化の過程があったと振り返る。「初代の『インプレスUD+2』は本当に2番手アップの飛距離を叶えてくれる革新的なアイアンでした。他社からも続々とストロングロフトのアイアンが発売されるようになりましたが、当時の飛び系アイアンはシニアゴルファーがターゲット。そしてユーティリティに近い弾道でした。徐々にアベレージゴルファーが扱えるようになってきたのが『ピン』の『G710』(2020年発売)くらいから。私は第2世代の飛び系アイアンと呼んでいますが、中空構造にするモデルも増えてアイアンの弾道に近くなり、コンボセットとして飛び系アイアンを1本だけ入れるゴルファーも増えました。そして、今年の新『インプレスドライブスター』を打った時に、第3世代に突入したと思いました」

第3世代の飛び系アイアンは何が変わったのか?「一番の違いは形状、顔です。以前の飛び系アイアンは構えた時にバックフェースが見えていて、ボッテリした印象がありました。しかし、新モデルの『インプレスドライブスタータイプS』はオーソドックスなアイアンと変わらない顔で、バックフェースも全く見えません。今年の春に発売された『245MAX』や『G730』も同じタイプです。特に『G730』はアスリートゴルファーにとっても違和感のない形状です。スマートな顔になっても飛距離性能は2番手以上。『インプレスドライブスタータイプD』にいたってはプラス2.5番手ほど飛んでいました」

「顔が良くなったので、アスリートゴルファーでもユーティリティ代わりに飛び系アイアンを使えます」(石井)

また、9月上旬に発売される『オノフRB-247M』はニュータイプの飛び系として注目度が高いモデルだ。7番アイアンのロフトは30.5度。このモデルについて発売前に試打をした鹿又芳典氏に話を聞いた。「構えた印象はオノフの『KURO』に近い。でも『KURO』より飛距離が出ていてロフト以上に強い打球が打てる。ロフト30度でも飛ばせる次世代のスコアリング・飛び系アイアンという印象でした」

飛び系アイアンは形状・打感に抵抗があるゴルファーも多かったが、第3世代の飛び系アイアンはそんな弱点も克服しているようだ。

圧倒的な飛距離性能とシャープな見た目のバランスに優れたモデルが増えたことで、飛び系アイアンのカテゴリーはますます注目を集めそうだ。

ONOFF LABOSPEC RB-247M

青いオノフは、『KURO』の形状に『AKA』の寛容性を融合。ストロングロフトの飛び系ではないが、ロフト以上に飛ぶ。
ロフト(°):30.5(#7)
ライ角(°):61.5(#7)
クラブ長さ(inch):37(#7)
価格:5本(#6~9、PW)セット 137,500円~
単品(#5)1本 27,500円~
問い合わせ:グローブライドお客様センター 0120-506-204

PING G730

ロフトを立てていてもパワースペック構造によって高弾道ボールが打てる。ランではなく、キャリーで飛ばせる飛び系です。
ロフト(°):26.5(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37(#7)
価格:単品(#5~9、PW、UW、50、56)1本 28,600円~
※カスタムフィッティングにより個々に調整
問い合わせ:ピンゴルフジャパン 048-437-6501

PRGR 03

ロングセラーになった『03』は “顔が良い飛び系” の先駆け。中弾道のライナー系で強い打球が打ちやすい。
ロフト(°):26(#7)
ライ角(°):61(#7)
クラブ長さ(inch):38、37.75(#7)
価格:5本(#7~9、PW、AW)セット 132,000円
単品(#5、#6)1本 26,400円
問い合わせ:プロギアお客様相談室 0120-81-5600

YAMAHA INPRES DRIVESTAR TYPE/D

『UD+2』と比較すると、はるかに構えやすく、アイアンの球筋をイメージできる。私が打つと4番アイアンの飛距離でした。
ロフト(°):25(#7)
ライ角(°):61.75(#7)
クラブ長さ(inch):38(#7)
価格:4本(#7~9、PW)セット 123,200円
単品(#5、#6)1本 30,800円
問い合わせ:ヤマハゴルフお客様ダイヤル 0120-808-562

YAMAHA INPRES DRIVESTAR TYPE/S

7番アイアンのロフトは『タイプD』と同じ25度ですが、『タイプS』は完全なアイアン形状。トップラインもシャープです。
ロフト(°):25(#7)
ライ角(°):61.75(#7)
クラブ長さ(inch):38、37.75(#7)
価格:4本(#7~9、PW)セット 123,200円
単品(#5、#6)1本 30,800円
問い合わせ:ヤマハゴルフお客様ダイヤル (0120-808-562)

BRIDGESTONE GOLF 245MAX

飛び系アイアンで、ここまで打感が柔らかいアイアンは初めてでした。フェースの裏側に入れたカーボンが効いています。
ロフト(°):27(#7)
ライ角(°):62(#7)
クラブ長さ(inch):37.7(#7)
価格:5本(#7~9、P1、P2)セット 154,000円
単品(AW、SW)1本 30,800円
問い合わせ:ブリヂストンスポーツお客様コールセンター (0120-116-613)

 

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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