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ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で話題の軍艦島をゴルフ雑誌の編集者がリポート

俳優の神木隆之介が主演を務めるTBS系日曜劇場ドラマ「海に眠るダイヤモンド」が22日に最終回を迎えた。予備知識ゼロでたまたま第1回放送を見て、舞台が長崎県の端島、通称「軍艦島」だったことから最終回まで視聴した。というのも昨年、取材で軍艦島上陸ツアーに参加し、現地で見た景色がとても印象深かったのだ。

まず軍艦島デジタルミュージアムへ

我々が利用したのは「軍艦島コンシェルジュ」が行っている軍艦島上陸ツアーだ。利用には事前の予約が必要で、昨年9月の時点では前日でも空きがあったが、現在はドラマの影響もあって予約しづらい状況が続いているようだ。

当日はまず、乗船場所の常盤桟橋から近い「軍艦島デジタルミュージアム」へ。1F受付で乗船チケットを発券したら、まずミュージアム内を散策するのがおすすめ。これがなかなか見応えのある施設で、じっくり見学すると1時間ほどかかる。ので、乗船時間に余裕をもってミュージアムを目指すべし。

当時の建物を再現した模型はかなり精巧なつくり。こちらは日本最古のコンクリート造りのアパート、30号棟だ。内部の吹き抜け空間も再現されている。

全長30mのスクリーンに約3000枚の写真を投影するプロジェクションマッピングは圧巻。他にも炭鉱の坑道の内部を再現したり、1/150のジオラマで島の日常を再現するプロジェクションマッピングが楽しめる。

なかなか面白かったのが専用のゴーグルを装着して、軍艦島の立入禁止区域に仮想上陸するコンテンツ。ドローンなどで撮影した2021年の島の様子をVR体験できる。

ジュピター号でいざ出航

ミュージアム見学を済ませたら、徒歩で常磐桟橋へ移動する。所要時間は徒歩2〜3分で、近くにはちゃんぽんと皿うどん発祥のお店「四海樓」があるので、ツアーの前後に立ち寄ることをお勧めしたい。

前置きが長くなったが、こちらのジュピター号でいざ端島へ。ちなみに、ツアーにはいくつかのプランがあり、それぞれ料金が異なる。スタンダードプランは1Fフロアの自由席で、プレミアムプランは2階船内中央指定席で各種サービスがつく。そして、船内からも景色がよく見える2階窓側の指定席がスーパープレミアムプランだ。我々はスタンダードを利用したが、島へ上陸後の動き方はどのプランも共通。

船に揺られることおよそ40分。端島が見えてきた! 島が近づいてくると1F後方デッキへの移動許可が出るので、船上から写真を撮るならこのタイミングで。中央やや右手に見える建物は学校だ。

ぐるっと北側に回り込みむと、南北約480m、東西約160mの狭い島にこれでもかと建物が密集しているのがよくわかる。最盛期の1960年頃には島の人口が5000人を超え、人口密度は当時の東京区部の約9倍だったそうだ。

この角度から見ると、たしかに軍艦っぽいフォルムだ。ちなみに端島へ上陸するには、風速が秒速5メートル以下、波高0.5メートル以下といった厳格な基準があり、実際に上陸できるのは年間100日程度なんだそう。

ドルフィン桟橋から上陸!

この日は晴天で波も穏やか、無事上陸できることになった。何度かツアーに参加しているのに一度も上陸できない人もいるらしいので、我々が運が良かった。

こちらのドルフィン桟橋は、堤防がない沖合に杭を打ち込んで作られた係留施設だ。現在の桟橋は3代目で、初代と2代目は台風で流失してしまったんだとか。

上陸後はガイドの指示に従って全員で移動し、決まった場所で説明を聞く。第1見学広場で目に付いたのは、右下に見えるドミノのように並んだ巨大な柱。これは石炭などを運搬するベルトコンベアの台座だ。正面奥には、船上からも確認できた小中学校が見える。

第2見学広場に向かう途中で見られるのが、世界遺産の登録対象になっている「天川の護岸」だ。明治期に作られた石積み工法が独特の景観を生み出している。この護岸が波にもまれながらも島を守り続けていたと思うと感慨深い。

第2見学広場では赤レンガの建造物が目に飛び込んでくる。これは採炭場へのケージを昇降させる巻揚機を設置していた捲座跡なんだそう。高台には灯台や給水タンクも見える。

急速に老朽化が進む軍艦島

上陸ツアーはいよいよクライマックスへ。見学ルートの最奥部に当たる第3見学広場に到着だ。

今にも崩れそうな右側の建物が、日本最古の鉄筋コンクリート造りの7階建てアパート「30号棟」だ。中央に吹き抜けがあってかなりモダンな造りだったらしいが、その当時の面影はすでにない。錆びた鉄筋がむき出しになった箇所も多く、いつ崩れてもおかしくない状況とのこと。

こちらは30号棟の前にあった公営プールの跡地。ビーチがなく、遊泳も禁止だった端島の島民にとって憩いの場所だったことが想像できる。上陸からここまでおよそ45分。見学が終了したら。ドルフィン桟橋へとUターンして、ジュピター号で常磐桟橋へ戻ればツアーは終了だ。

さすがの迫力と想像以上の老朽化に驚かされっぱなしだったが、そこばかりがクローズアップされるのはかつての島民たちにとって本意ではないだろう。そこには島民たちの暮らしがあった。個人的にも「海に眠るダイヤモンド」を見て、あらためて端島を訪れたい気持ちが強くなった。ゴルフ雑誌「EVEN」で長崎ゴルフプレー&軍艦島上陸ツアーを企画したら、参加したい方いますかね?笑

軍艦島コンシェルジュ https://www.gunkanjima-concierge.com/

長崎県の絶景ゴルフリポート記事はこちら

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PROFILE

フクダトモオ

EVEN / EVEN副編集長

フクダトモオ

1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。

フクダトモオの記事一覧

1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。

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