HIBARI GOLFの奇跡:クラブハウス改修で生まれ変わるゴルフ場と絶景サウナの魅力
水上貴夫
- 2025年01月04日
ゴルフ場運営コースコンサルタント新井博氏が改修を手がけたコースを紹介する連載。
合理的で先進的かつダイナミックなその手法を微に入り細に穿ってお伝えする。
クラブハウス改修
ゴルフ場運営コンサルタント新井博氏が再生を手がけたコースを紹介するこの連載。前々月より新井氏自らが代表を務める「HIBARI GOLF」をご紹介。前2回は「オペレーション」と「コースコンディション」を取り上げたが、今月はクラブハウス改修をピックアップする。
新井博氏
長年に亘るコースメンテナンス業務の経験を生かし、ゴルフ場運営コンサルティング会社「PFJ」設立。アメリカで学んだ理論や技術と日本人の持つきめ細かさを融合した独自のコース管理哲学で国内30コース以上を手掛け高い評価を受ける。
「HIBARI GOLF」
新井氏がこのゴルフ場のオーナーとなった2020年当時、あらゆる施設が破損と劣化だらけだった。「経年劣化と手入れの少なさで、どこもかしこもひどい状態でした。ボロボロのものを見ると気分まで沈みますよね。ですから、そういった箇所の改修から始めました」と語り、まず駐車場のペンキ塗りから開始したという。もちろんDIYで、自分たちでできることは全て行った。さらに、フロント周辺の塗装や板張り、カフェテラスの柵も自前で改修を進めた。
印象的なクラブハウス前の白い壁に描かれた華やかなイラストは、知人のオリンピアン・坪井保奈美さんとスタッフが描いたもので、ゴルフ場の発展とともに描き足されていくという。ちなみに、この取材の後、新たに1/3が描かれている。
一方、クラブハウス内の設備も大幅に刷新した。フリーの休憩所をカフェスペースに改装し、軽食やコーヒーを提供するようにしたほか、大型モニターで海外ツアーの試合を放映するようにした。
「コーヒーを片手にコースに向かってもらったり、海外ツアーを観ながらゆっくり過ごしてもらったり、ゴルフの楽しみ方を異なるスタンスで提供したいのです」。さらに、プロショップスペースも充実させた。「NAKED GOLF」や「KBS」といった新しいブランドのほか、今最も面白い展開を見せる「マーティーゴルフ」に大きなスペースを用意。同ブランドのほぼ全てのアイテムが揃う一大ショップとなっている。
さて、このクラブハウス改修の最大の目玉は、なんといってもサウナ施設の新規オープンだ。クラブハウスの使われていないスペースが数多くあったことに目を付けた新井氏は、サウナ事業展開を即決。「昨今のブームもあってサウナ人口は2000万人といわれています。ここを掘り起こさない手はない。しかもこのロケーションのサウナ施設は、全国を探してもなかなかないと思います。わざわざ来る価値がある、と考えました」と語る。
確かに、雲雀丘の高台から見下ろす大阪の街は昼夜を問わず絶景。こんなサウナは他にない。新井氏の自信を裏付けるように口コミで噂が広がり、予約も順調に増えているという。流石である。「HIBARI GOLF」のリニューアルは、今のところノーミスの大成功である。
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