フィールドのプロが推薦する春夏ハイキングコース4選
フィールドライフ 編集部
- 2019年04月15日
3月31日に発行したアウトドアフリーマガジン「フィールドライフNo.63 2019 春号」はもう、お手に取っていただけましたか? 今号の特集は「日本全国ハイキング旅」。特集内では、フィールドに精通したプロガイド 12名に教えてもらった、春夏のハイキングにおすすめのコースを紹介しています。ここでは、誌面に掲載している12コースのなかから4コースをピックアップしました。
COURSE1 新緑と残雪を楽しむ東京発着日帰りハイク(長野県/飯縄山)
標高1,917mの飯縄山は、長野県北部に連なる「北信五岳」のひとつで、新幹線を利用すれば東京から日帰りで楽しめる山。古くから山岳信仰が根付き、山頂の飯 縄神社には神仏習合の神様「飯縄大権現」が祀られていま す。おもな登山口は飯縄登山口、戸隠神社中社、戸隠キャ ンプ場の3つ。おすすめは西登山道と呼ばれる戸隠神社中 社から登るコースです。参拝後に歩き始め、古の修験者た ちに思いを馳せながら山頂へ。春は樹林帯の新緑と残雪と のコントラストが美しく、清々しい気持ちになります。
山頂付近。晴れた日には、妙高連峰、北アルプス、草津白根山、浅間山、八ヶ岳と長野県内の主要な山々を見渡せる
左)萱ノ宮を過ぎると視界が開ける。奥に聳えるのが飯縄山。下右)飯縄山山頂。山頂から約10分ほどの飯縄神社には、戦国武将たちからあつい信仰を集めていた戦勝の神様が祀られている
【行程】
戸隠神社中社〜萱ノ宮〜飯縄神社〜飯縄山〜飯縄神社〜萱ノ宮〜戸隠神社中社
【距離】
約11㎞
【時間】
約4時間30分
【紹介者プロフィール】
山岳ガイド/山岳遍路家 廣田勇介
バックカントリースノーボードガイド、山岳写真家、執筆家と豊富な経験を活かしてマルチに活躍。小社発行『ランドネ』にて「神様百名山を旅する」を連載し、 関連したツアーを開催中。https://www.yuske.net/
COURSE2 家族&犬連れOK! カルデラの山上湖を見下ろす古道ハイク(山梨県/蛾ヶ岳)
富士山の北西に位置する四尾連湖は、富士山本宮浅間大社に祀られている神様・木花咲耶姫が子どもを授かったという伝説の残る湖。この湖を起点に、富士講の道 をたどりながら蛾ヶ岳山頂までを往復するコースです。山頂からは、眼下の四尾連湖や甲府盆地の街並み、天気が良ければ富士山や八ヶ岳を見渡せます。登山道は歩きやすいので、家族や犬を連れて歩けるのが魅力的。登山口下にある四尾連湖水明荘では、有料駐車場を利用すればハイキン グマップを無料でもらえます。テラスで休憩もできますよ。
四尾連湖上空から東方向を一望。標高1,279mの蛾ヶ岳山頂は、四尾連湖から1時の 方角にそびえ、そのすぐ右隣に富士山が見える
左)蛾ヶ岳へと続く尾根道。整備され て歩きやすい。下右)湖水明荘のテラスでは軽食販売があり、登山前後の利用に便利
【行程】
水明荘有料駐車場〜蛾ヶ岳〜水明荘有料駐車場
【距離】
約6㎞
【時間】
約4時間
【紹介者プロフィール】
ひといき荘アウトドアサービス代表 藤井憲一郎
八ヶ岳や南アルプスを中心に、日帰り登山やカヤックのツアーを開催しているネイチャーガイド。犬連れのアウトドアツアーなど、ユニークなツアーを多数開催。冬のスノーシューも大人気。https://www.hitoiki.in/
COURSE3 奇岩、展望、カレーうどん。贅沢三昧なロープウェイハイク(三重県・滋賀県/御在所岳)
三重県と滋賀県にまたがる標高1,212mの御在所岳は、東海・近畿地方の人々にとっては関東の高尾山と同じくらいに身近な山です。山頂までロープウェイでアクセスできるので、体力に自信のない人でも気軽に山頂へたどり着くことができます。おすすめは、往路は中道登山道を通って山頂まで歩き、復路はロープウェイに乗って下るというハイキングプラン。登山中、地蔵岩などの奇岩や山頂からの展望を楽しみ、展望レストランで休憩。下山後は、麓の湯の山温泉でひと汗流すことができます。
奇岩や巨岩が御在所岳の特徴。クライマーも多く訪れている
豚の角煮がトッピングされた、展望レストランの名物グルメ・御在所カレーうどん
ロープウェイを使えば、麓の湯の山温泉から山頂の山上公園まで一気にアクセスできる
【行程】
湯の山温泉バス停〜中道登山口〜裏道分岐〜御在所岳〜ロープウェイ山上公園駅〜湯の山温泉バス停
【距離】
約5㎞
【時間】
約3時間30分
【紹介者プロフィール】
リズムワークス代表 旭 立太
北・南アルプス、両白山地、鈴鹿山脈で活動する山岳ガイド。バリエーション、一般縦走、沢登りなど幅広く対応。11月〜5月はバックカントリーでのスノーボードツアーを多数開催。http://www.ne.jp/asahi/rhythm/works/index.html
COURSE4 関西屈指の秘境を歩く東大台一周ハイク(奈良県・三重県/大台ヶ原)
奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原は台地形状の山岳地帯で、春の新緑から秋の紅葉まで、多種多様な生態系や自然風景を楽しむことができます。大台ヶ原ビジターセンターを起点に西大台と東大台のふたつのルートがあります。おすすめなのは、大台ヶ原の最高峰で展望の良い「日出ヶ岳」、スリル満点の絶景「大蛇嵓」、渓谷の美しさを堪能できる「シオカラ谷吊り橋」など見所が満載な東大台コース。初心者でも歩きやすいのが魅力です。日本屈指の多雨地域で、雨でも幽玄な森歩きを楽しめます。
正木峠側から眺めた日出ヶ岳。5月〜6月にかけて、シャクナゲやシロヤシオのトンネルを楽しめる
大蛇嵓を見下ろす展望スポット
笹の平原が広がる開けた空間に、「牛石」と呼ばれる巨石が横たわる牛石ヶ原。野生の鹿を見かけることができる
【行程】
大台ヶ原ビジターセンター〜日出ヶ岳〜牛石ヶ原〜シオカラ谷つり橋〜大台ヶ原ビジターセンター
【距離】
約9㎞
【時間】
約5時間
【紹介者プロフィール】
山楽部代表 水本俊輔
奈良山岳自然ガイド協会理事をつとめる登山ガイド。 夏は富士山、春秋冬は大峰山系や台高山系などを案内している。山岳写真家としても活躍し、地学・天文学の知識も豊富にもつ。https://www.sekaiisan-sangakubu.com/
歩いてみたいコースは見つかりましたか?「フィールドライフNo.63 2019 春号」の特集では、ここで紹介した4コースのほか、全国の魅力的なコースをいくつも取り上げています。まだ読んでないという方は、ぜひお近くのアウトドアショップなどで入手してチェックしてみてくださいね。店舗での入手が難しい方には、年間購読や「Amazon Kindleストア」や「楽天Kobo」で無料配布している電子版がおすすめです。
桜前線も北上してきて、いよいよシーズンの到来です。行先を定めたら、さっそくハイキングシューズを用意して、新緑で彩られたトレイルを歩きに行きましょう!
文◎松元麻希 Text by Maki Matsumoto
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。