焚き火の薪について知ろう!木材の種類や必要な道具をまとめて解説
FUNQスタッフ
- 2023年03月15日
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キャンプに欠かせない焚き火。
焚き火に必要不可欠な薪にはさまざまな種類があり、焚き付けに向いている木や火持ちが良い木など、木の種類によって特徴が分かれています。しかし、焚き火にはどのような木の種類が適しているのかわからない…といった方は多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、焚き火初心者の方にもわかりやすいように、木材の種類から選び方までをご紹介。自身のキャンプスタイルに合った最適な薪を見つけることができます。焚き火でワンランク上のキャンプを楽しむためにも、ぜひ参考にしてください。
薪は「2種類」に分類される
見た目はどれも同じような薪ですが、焚き火で利用される薪は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類に分けられています。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、詳しく紹介していきます!
焚き付けにぴったりな【針葉樹】
針葉樹は日本で販売されている薪の7、8割を占めていて、日本全国どこでも手に入る木材です。
比較的柔らかく粘りがあるので、燃えやすいのが特長。さらに、火力も強いので「焚き付け材」としても多く使用されています。コスト面で考えても、広葉樹よりも低価格なのがメリットです。
下記にて3種類、針葉樹の木材について解説していきます!
杉(スギ)
軽く柔らかいスギは、斧や鉈で薪が割りやすくなっています。持ち運びがしやすく、火つきが良いので焚き付けにはぴったりな木材です。また、安価で手に入りやすいのもポイント。
ただ、火持ちは長くないため、長時間薪を燃やす場合は避けたほうが良いでしょう。
松(マツ)
油分を多く含むマツは、焚き付けとして非常に重宝されており、燃焼時間も多少長くなっています。
また、マツヤニが多く含まれている箇所は着火剤としての効果が得られるので、パワフルな火力が出ます。ただし、その分煤(スス)が多く発生するので注意しましょう。
桧(ヒノキ)
ヒノキ風呂でも知られている高級建築材・ヒノキは、乾燥が速く、火つきがとても良いのが特長です。
火持ちはあまり良くありませんが、ヒノキ独特の香りを楽しむために愛用している人も多いです。火つきの良さ以外にも香りまで楽しみたい方におすすめの木材です。
燃焼時間の長い【広葉樹】
広葉樹は組織が密で比重が重いのが特徴で、火つきは悪いですが1度燃えると火持ちが良いのが大きなメリット。針葉樹と比べると値段は少々高めですが、火持ちが良い分、ゆっくりと焚き火を楽しみたい人には適しています。
油分やヤニが少なく、煙も少なめ。焚き火料理をする際には広葉樹がおすすめです。
下記にて3種類、広葉樹の木材について解説していきます!
楢(ナラ)
ナラは「どんぐりの木」としてよく知られており、雑木林でよく見かけるポピュラーな木です。
火力が高いので火持ちが良く、焚き付けさえしてしまえば、太めのナラの薪を投入することで長時間燃焼させることが可能。さらに煙の量も抑えられるといったメリットもあります。
椚(クヌギ)
密度が非常に高いクヌギは、「最高級の薪」といわれています。
少々重みがあるものの、火持ちが良く、燃焼時間が長いので薪をつぎ足す回数を減らすことが可能です。また、クワガタが好む樹木としても有名です。
樫(カシ)
火力が強く火持ちが良いことから「薪の王様」ともいわれているカシは、非常に硬いという特徴があり、薪割りの際に力が必要になりますが、火持ちが良いので薪の消費を抑えることができます。
欅(ケヤキ)
硬くて高い比重を持つケヤキは火持ちが良く、燃焼時間が長いことから、薪ストーブや暖炉での使用されることが多いです。
お香を炊いたような独特の香りがするのが特徴で、かなり硬めの木材です。薪割りにはコツや慣れが必要となりますので、女性のソロキャンプには不向きかもしれません。
桜(サクラ)
燃えると甘い香りがするサクラは、燻製材としても愛用されています。ナラやカシと比べると火持ちは多少劣りますが、香りの良さは一番人気があるかもしれません。
スモークチップなどで、燻製料理を楽しむことができる優秀な木材で有名です!
薪を選ぶときのポイントとは
「良質な薪」の特徴は、「水分量」と「乾燥」。伐採された生木の水分は約50%とされていますが、良質な薪の水分量は15~20%です。
しかし、購入の際にお店に並んでいる薪の水分量が何%かなんて見分けることはできませんよね。そこで「良質な薪」のもう1つの特徴である「乾燥」で見分ける方法をチェックしてみましょう!
【乾燥した薪の判断基準】
- 軽い
- 割った断面に細かいヒビがある
- 叩くと「コンコン」と高く澄んだ音が響く
- 色が濃い
ちなみにネットショッピングでも薪の購入が可能ですが、実際にお店に出向くわけではないので商品に触れることができません。薪に関しては、乾燥した良い薪かどうかを自身で判断することのできる実店舗で購入することをおすすめします。
また、万が一質の悪い薪を選んでしまった場合、以下のデメリットがあります。
- 火がなかなかつかない
- 煙やすすが多く発生する
- 火力が上がらない
- (薪ストーブの場合)薪の水分が蒸発しガラスが割れてしまう
ストーブ内が変形する
薪に火をつけたときに、白い煙と「シューシュー」と音が出る場合はしっかり乾燥ができていない証拠なので「質の悪い薪」だと判断できます。
薪選びに失敗しないように、しっかりと乾燥した薪を見極めるための知識を身に付けておきましょう!
薪を扱うときの注意点
薪は扱いに注意が必要なアイテムです。薪の特徴をよく理解した上で、扱い方に関する知識を身に付けましょう。
ここでは、薪を扱いときのポイントを説明していきます!
ポイント1 薪を地面に直置きしない
冬は地面が濡れていることが多く、薪を直置きすると湿ってしまいます。枝にひっかけたり、布の上に置いて濡らさないようにしましょう。代用品としてビニール袋も使えます。
ポイント2 濡れた枝も中は乾いている
焚き付け用の枝が湿っている場合は、小型ナイフで皮を剥きましょう。表面が濡れていても中は乾いています。剥いだ皮も細かくなることで、乾きやすく燃えやすくなります。
ポイント3 燃やす前に薪を乾かす
市販されている薪も完全には乾いていないので、焚き火台の周りに置いて、なるべく乾かしてから投入してください。乾かしている薪に燃え移らないように、つねに見ておくことも大事です。
ポイント4 火の粉から服を守る
化繊の服装は防寒対策になりますが、火にはめっぽう弱いです。ウールのブランケットなどで火の粉対策をすることで、ダウンに穴が開くという悲劇からは免れます。天然素材の服装は比較的、火に強いです。
これはNG 落ち葉は焚き火に入れてはダメ
乾いた葉っぱは良く燃えるので、ついつい燃やしたくなってしまいます。しかし、風が強いと燃えている状態で飛ばされてしまい、火事の原因になってしまうこともあるので注意しましょう。
文◎猪野正哉 Text by Masaya Ino
写真◎猪俣慎吾 Photo by Shingo Inomata
フィールドライフ No.54 2016 冬号
教えてくれた人:焚き火マイスター 猪野正哉
アウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」管理人。焚き火を使ったイベントを開催。他にアウトドア誌などで執筆活動も。夢は日本全国で焚火をすること。
薪を良い状態で保管するコツ
持参した薪が余った場合、必ず持ち帰るのがキャンパーとしてのマナーです。薪が余ったらきちんと持ち帰り、正しく保管をしましょう。
薪を選ぶポイントとして、「しっかりと乾燥している状態」が最適とご説明しましたが、このことから分かる通り、薪を良い状態で保管する条件は「しっかりと乾燥させた状態で保管すること」です。雨などに濡らさないのは当然のことですが、できる限り日当たりが良く風通しの良い場所で保管することを意識しましょう。
湿気の多い場所で保管した場合、虫が発生したり、木が腐ったりしてしまう可能性も。問題なく次回のアウトドアで使用ができるように、保管場所には十分注意しましょう。
薪ラックやスタンドを使用すれば、地面からの湿気を防ぎ、薪の状態が悪くなる心配もありませんよ。
薪はどこで買える?
焚き火で使う薪の入手方法は大きく分けて3つあります。
- 購入する
- 自分で伐採・拾うなどして薪を作る
- 人や団体から譲ってもらう
この中から今回は「購入する」に着目し、薪を購入できる場所を3つほどご紹介します!
キャンプ場
最近ではキャンプ場で薪を販売しているところが多くなってきています。
1束あたり500円〜2,000円ほどの価格設定になっており、キャンプ場によってはサイト使用料込みで薪が使い放題のところもあります。
事前に購入して持参する手間が省ける点がメリットですが、キャンプ場によって販売の有無や取り扱っている薪の種類(針葉樹か広葉樹か)が異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。
道の駅
地産品が充実している道の駅でも、薪の販売をしているお店があります。
特にキャンプ場に近隣した道の駅の場合、薪の品揃えがかなり充実しています。キャンプに向かう途中に購入できるため、焚き火に適した薪を手に入れることができますよ。
ホームセンター
キャンプシーズンが近づくと薪の取扱いを始めるホームセンターもあります。特にバーベキュー用品やアウトドア用品を取り扱っているような店舗であれば炭や薪を販売していることが多いです。
相場は500円~1,100円程度ですが、取り扱っている種類はたいてい針葉樹の薪が多くなっています。
ホームセンターで購入するメリットは、品揃えが豊富で店舗スタッフに細かい相談ができることです。また、直接木材に触れて選ぶこともできるのも魅力ですね。
薪割りに最適なアイテム8選
購入した薪は大きいものが多いのでなかなか火がつきません。火をつけるには、まずは「薪割り」の作業が必要になります。
つまり、焚き火をするためには薪以外にも薪を割るための道具を揃える必要があるということ。ここでは、薪割りの際に役立つアイテムを8つ紹介します!
SEIDO 薪割り台
携帯性に優れた薄型キャンプ用薪割り台です。
圧倒的な強度の高さで割れにくく、平滑な面で薪が割やすくなっています。また、耐久性にも優れているので熱い鍋やフライパンを置く敷物としても活用できます。
- サイズ:約22cm×22cm×2.5mm
- 材質:木材
- 重量:約940g
DOD となりのまきちゃんLX1-453
最大30kgまで薪を乗せることができる大容量の薪スタンド。段ボール箱よりもスマートな外観で薪をぬらさずに保管できます。
スタンドの記事部分は薪バッグとして使用できるので、持ち運びも便利です。
- メーカー参考価格:¥7,550(税込)
- サイズ:約66×41×51cm
- 材質:アルミ合金・綿
- 重量:約1.3kg
バイソン ハンドアックス
ドイツのクラフトマンシップが生み出す最高の斧です。
片手でも使えるほどの軽さなのにヘッドのバランスが良く切れ味も抜群。大きい薪には不向きですが、キャンプ場で販売されている薪程度の大きさであれば簡単に割ることができますよ。
- 柄の長さ:360mm
- 刃の重量:600g
- 付属品:簡易カバー
キャプテンスタッグ 箸付鉈
女性でも使えるほどの軽量で持ちやすい鉈。
刃が大きく丈夫なので初心者でも使いやすくなっています。小さな力で薪割りができるため、薪ストーブや焚き火、アウトドアで活躍します!
- メーカー参考価格:¥8,426(税込)
- サイズ:(約)全長365mm、刃渡180mm、柄180mm
- 重量:約755g
- 材質:刃物用炭素鋼、柄:天然木(樫)
ユニフレーム つるばみ鉈
ひとつひとつ手作りの「つるばみ」シリーズの鉈。柄には丈夫な樫材を使用しています。
- メーカー参考価格:¥13,200(税込)
- サイズ:(約)全長35cm、刃長16.5cm、身厚:0.6cm
- 重量:約500g
- 材質:軟鉄+SK-5・カシ
ボーカー マグナム エルクハンター シースナイフ BOM
ドイツを代表する老舗ナイフメーカー、「ボーカー」のハンティングナイフ。
手が小さい女性にも使いやすく、日本人に適したナイフです。薪割りや料理など、アウトドアシーンで幅広く活躍してくれますよ!
- サイズ:(約)全長22.5cm、刃長9.6cm、刀厚4mm
- 重量:約160g
- 材質:ステンレス・ウッド
アソビト 薪ケース
使えば使うほど味の出る、オリジナル防水帆布ケース。
生地は、トラックの幌やテントなど幅広く使用されている綿帆布を採用。ナイロンと比べ素材自体の引き裂き強度が強く、天然素材のため燃えにくくなっているのがポイント。ロウ引き加工により優れた撥水性を持ちます。
大容量になっているため、薪の持ち運びに重宝しますよ!
- サイズ:約40×39×39cm
- 重量:780g
- 素材:綿帆布(パラフィン加工)
- カラー:オリーブ・キャメル
オレゴニアンキャンパー ロガーバケット
薪入れとして使える楕円形のロガーバケット。薪は縦にすると3束分すっぽり入ります!
内側はサッと水洗いが可能なので衛生的。使用していない間はぺたんと畳むことができるので、収納に困ることがないのはとても便利ですよ。
- メーカー参考価格:¥3,520(税込)
- サイズ:55×37×32cm
- 素材:100%600D POLYESTER(ポリエステル)、裏面:PVCコーティング(防水)
- カラー:デザートカモ
薪の知識を深めて焚き火をマスターしよう!
今回は焚き火に必要な薪についての基本的な知識を紹介しました。
ひとことに「薪」といってもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。この記事を参考にご自身に合った最適な薪や薪割りに必要なアイテムを見つけて、より快適なアウトドアライフを楽しんでくださいね!
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