【RIDE & FIELD】アウトドア好きの自転車での遊び方にフォーカス!風に誘われ春探し。 南房総バイクパッキング
フィールドライフ 編集部
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ほんの十数年前までは日本であまりなじみのなかったバイクパッキングというワード。
旅に必要な装備をバイクに積み、旅ライドを楽しむこのスタイルがいま注目されている。
そんなバイクパッキングの一例を小雀陣ニさんに紹介してもらった。
編集◉PEAKS
文◉今坂純也(DIRT SKIP)
写真◉宇佐美博之
小雀陣二さん
アウトドアに関する撮影をサポートし、各メディアで手軽で簡単なアウトドア料理を紹介。アウトドアですごす楽しさや重要性を伝える活動を行なう。『キャンプ料理の王様【新装版】』(小社刊)をはじめ、著書 や連載も多数担当している。
いつものMTBを使ってさっと出かける手軽さがいい
〝バイクパッキング〞とはここ数年で急激に日本でも注目を集め始めたアクティビティ。その単語の意味だけを考えると、「旅に必要な荷物をバイク(自転車)に積むスタイル」だが、日本では「荷物を積むときにバッグを固定するラック(キャリア)を使わず、バイクにそのまま荷物をくくりつけて旅するスタイル」ととらえられている。しかし、旅に必要な荷物を積むスタイルは、バイクがこの世に誕生してすぐに行なわれてきた。その後、バッグをバイクに積むためのラックは、バイク各部に配された〝ダボ穴〞と呼ばれるラック取り付け穴などへ固定されるようになった。いわゆる〝ランドナー(フランス語の小旅行を意味するランドネに由来)〞といわれるタイプのバイクがその方式だ。
ランドナーもある意味バイクパッキングのスタイルのひとつだが、近年になって、ラックを介さずそのままバイクに付けられるバッグが多く販売されるようになってきた。今回小雀さんのスタイルとして紹介するのは、このラックを付けない〝ラックレススタイル〞のバイクパッキング。いま日本で「バイクパッキング」というと、ほぼこのスタイルを指している。
フェリーで一気に南房総へGO!
「’90年代に入ってすぐのころ、兄が高価なマウンテンバイクを買うというので僕もいっしょに店について行ったんです。買う気はなかったのに、10万円のマウンテンバイクをその場で買っちゃった(笑)。そのころからマウンテンバイクが大好きですね。その後、〝自転車沼〞にどっぷりハマった僕はさまざまなパーツを替え、走れる場所までクルマにバイクを積んで行ってトレイルや常設コースなどで楽しみました。マウンテンバイクによるスポーツライドに魅了されたんです。フロントにさえサスペンションのない前後リジッドのマウンテンバイクライドは、ダートでものすごく暴れる感じが逆に楽しかった。その後は前後にサスペンションのあるバイクも買ったりしたけど、なんだか楽しくなかった。できるだけシンプルなバイクがよかったんですね。だから、いつも乗っているバイクにラックを付けないで旅を楽しめる現代のバイクパッキングは僕にピッタリ。当時、海外の雑誌で見たこのスタイルがカッコよく見えたというのもあるけど」と小雀さん。
彼の乗るセブンサイクルズは1997年に設立されたアメリカンブランド。ブランド創設時からフレームに高価な素材であるチタンを採用し、小雀さんはシリーズのなかでもっともシンプルなストレートチューブ(パイプの厚みが均一)を使うソラSというモデルを駆っている。セブンサイクルズのフレームは、自分の好みに合わせたフルカスタムオーダーができることでその筋の人に有名なのだ。「26、29、27.5インチ……とホイールサイズは時代とともに変化し、僕が付けているのは27.5インチ。初めて乗った26インチと比べると、ハンドリングはクイックすぎずダルすぎず。そして、このチタンフレームはペダルを漕ぐとスゥ〜と滑らかに進む。フロントはシマノのXTRでシングルギヤ、リアも同じくシマノのデオーレXTで11速。今日のルートには内陸部に激坂もあり、ゆったり旅をするにはちょうどいいギヤ」と言う。
今回のルートは、東京湾フェリーを使って神奈川県横須賀市の久里浜港を出港して千葉県富津市の金谷港へ一気にワープ。金谷港から宿泊地である江見吉浦へ時計回りに走り、翌日は北上して金谷港へ戻る約100㎞。1日の走行距離は約50㎞のため、マウンテンバイクでも十分楽しめる!
海沿いの快走ルートはサイコー!
フェリーを降り、金谷港近くのコンビニで軽く腹ごしらえをした小雀さんは、時速16〜18㎞のペースで海沿いを走る。このルートはバイクライドで気になる「向かい風」も受けず、路面もきれいに舗装されていて走りやすい!
ほどなくして今回の最初の目的地、関の犬岩の入り口に到着。入り口にバイクを停め、長年の侵食で削り取られた狭い渓谷を200mほど歩くと、目の前になんとなく犬に見える奇岩が……。
「歩いてきたルート側から見ると犬の両耳に見える部分があるけれど、どこから見るのが正しいのかな?」と小雀さん。じつは、逆側から見れば2匹の犬の形が見えるみたいだった……。
関の犬岩をあとにし、山々に囲まれた棚田のある大山千枚田へ。大山千枚田はまだ季節が早くて田んぼに水が張られているところは少なかったけど、おそらく時期になれば壮観な眺めになることは間違いなさそうだった。次の目的地、里のMUJIみんなみの里でランチをとり、その後に待ち受けていたのは超激坂!荷物を積んだ小雀さんのバイクは重いけど、軽くペダルを回せるギヤをもつマウンテンバイク。取材班は、バイクは軽いけど軽いギヤのないロードバイク&車体の重いシティバイク。だれが一番辛いかわからないけれど、みんなでヒイヒイうめきながら進む。
バイクに乗って漕げないほどの激坂にかなり撃沈し、疲れてのんびり走っているといつの間にか宿泊地である江見吉浦に到着した。翌日も快晴! 前日と比べるとかなり平坦で、金谷港手前5㎞ほどだけ少し向かい風+クルマ通りの多い道だったが、今回のルートは初・中級者向きバイクパッキングルートとしてかなりおすすめ。金谷港そばでは南房総のおいしい海鮮料理も堪能できるから、メシの時間も考慮に入れつつ走ると楽しいライドになるルートだ!
小雀さんのバイクパッキングギアはこちら!
この装備なら2泊3日だって余裕!
フォックスの32Floatフォークは旧エアサスモデル。ホイールはマヴィックのクロスライドでタイヤは同モデルのパルス 650B×2.10。ハンドル・ステム・ピラー・ペダルはレースフェイス、シートはSDGのベルエア。そしてこだわりのクリスキングのヘッドパーツで組んだバイク。
- グレゴリー/ドリフト14。ここに
- パナレーサーのミニフロアポンプ
- ゴールゼロのソーラーパネルとモバイルバッテリー
- キャリーザサンのランタン
- SOTO / ST-301バーナー、CB缶ほか
- 補給食
- 常備薬と財布
- お風呂セット
- 着替えを入れる。
- 取り付けるバッグはすべてブラックバーン。トップチューブバッグにはパンク修理キットと予備のチューブ、ゴー
ルゼロのミニランタンとスナップオンのアーレンキー。 - シートバッグにはトイレセット、ダクトテープ
- テンマクデザインと自身のコラボテント(廃版)
- ファーストエイドキット
- ハイドラパック/シーカー3Lを収納。
- フレームバッグにREIのフライパン(サイズ違いで2枚。廃盤)
- 調理器具と調味料を入れる。
- フロントバッグにはマウンテンハードウェア/ファントム28F/-2℃の寝袋
- サーマレストの自動膨張式マット
- 着替え用アンダーウエア
- ザ・ノース・フェイスのレインウエア
- パタゴニアのダウン上下。
- 寒いときに羽織るセブンメッシュの化繊綿ジャケット。
- ベルのヘルメット
- ティフォージのサングラス
- アデプトのグローブ
今回の立ち寄りスポット
SPOT 1
関の犬岩。奇岩を正面から見て犬の形に見えない……とがっかりして帰ってしまう人もいるようだが、じつは奇岩の後ろに回ると2匹の犬が。
SPOT 2
里のMUJIみんなみの里。無印良品の商品に加え、農作物や物産品販売も行なう総合交流ターミナル。カフェでランチも食べられる。
SPOT 3
江見吉浦海辺のキャンプ場。外房の海の真横にあり、歩いて数秒で海へ。レンタルにサウナテント一式、手ぶらでキャンプセットもある。
SPOT 4
吉井農村公園・水車小屋。老朽化で2012年まで停止していたが、2015年に復活した水車小屋。3月下旬から4月上旬まで周りの桜はきれいだ。
ACCESS
健脚自慢の人は陸路を走って南房総へアプローチするのもあり。クルマにバイクを載せて行くなら、東京湾フェリーを使うほうが旅としては楽しいだろう。横須賀市の久里浜港から富津市の金谷港まで約40分。
ADVICE
激坂はほとんどなく、マウンテンバイクに限らずロードバイク、シティサイクルでも走破可能。時計回りに走ると、海岸沿いの道は海側を走れて気持ちいいし、追い風に乗ってぐんぐん車速が伸びるのも最高。
RIDE &FIELDキャンペーン!
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#RIDEANDFIELD
今回のプレゼントは首からかけられるシマノロゴ入りライト。キャンプの際などに手元を照らしながら作業がしやすくて便利ですよ!
企画協力◎シマノセールス https://bike.shimano.com
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編集◉PEAKS
文◉今坂純也(DIRT SKIP) Text by Junya Imasaka
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。