
ミルスペックのタフネスGPSスマートウォッチ「Instinct」が「3」にバージョンアップ!

フィールドライフ 編集部
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2018年に登場したガーミンのGPSスマートウォッチ「Instinct」。登山やランニングなど特定のアクティビティに向けたモデルではなく、さまざまなアウトドアシーンや日常生活でオールラウンドに使える汎用性の高さがウリで、いまやガーミンのGPSウォッチラインナップのレギュラーとして定着している。
2022年には「2」へとバージョンアップし、今年1月には3年ぶりのアップデートで「3」が登場。これまでにないカラーディスプレイなども登場し、より選択の幅が広がった。
今回は「Instinct 3 Dual Power」を中心に、アップデートのポイントを徹底的にチェックしていく。 INDEX
文◉泥谷範幸 写真◉後藤武久
Instinct 3が新登場!
アップデートについて触れる前に、まずはInstinctの基本コンセプトを確認しておこう。ガーミンのニュースリリースをたどると、2018年、初代Instinctの発売時に以下のようなコンセプトが記載されている。
『Instinct(インスティンクト)』はアウトドアに便利な機能を搭載し、アメリカ国防総省が定める標準規格であるMIL-STD-810(耐熱、耐衝撃、耐防水)をクリアした頑丈さを誇りながら、本格スマートウォッチとしての機能も充実させたタフネスGPSアウトドアウォッチです。
つまり、GPSウォッチをベースに、ミルスペックのタフネス性能、さらにスマホと連動したSNS・メールの通知、心拍センサーを活かした健康管理など、スマートウォッチ機能が付与されているのが、Instinctの大きな特長だ。
さらに、登山・ハイキング、 ランニング、バイク、スイミング、カヤック、スキー、SUPなど、さまざまなアクティビティに対応するスポーツアプリを機器内に内蔵しており、幅広いアウトドアシーンで活用できる。
価格もガーミンの各アクティビティに特化したモデルに比べると比較的手頃。特定のアクティビティ向けでなく、アウトドアでオールマイティに使えるGPSスマートウォッチがほしい、という人にピッタリなモデルといえる。
そのInstinctが今年1月に「3」となり3つのモデルが登場する。
ひとつめはこれまでの「Instinct 2 Dual Power」を進化させた「Instinct 3 Dual Power」。ソーラー充電などの基本性能はそのまま、ソフト面、ハード面ともさまざまな部分がアップデートされ、さらに使いやすくなっている。
3になって新たに加えられたモデルが、カラーディスプレイの「Instinct 3 AMOLED」。
有機ELディスプレイであるAMOLEDディスプレイを搭載しており、モノクロのInstinct 3 Dual Powerよりも鮮やか、高精細なのが大きな特長。ただし、ソーラー充電モデルではなく、バッテリー消費もInstinct 3 Dual Powerに比べると速い。
さらに、より手頃な価格のベーシックモデルの「Instinct E」もラインナップ加えられた。上記の2モデルに対して一部の機能などは省かれているものの、基本性能は変わらないので価格重視であればこちらも捨てがたい。
今回はアウトドアユースにフォーカスし、バッテリーのもちなど3モデルの中で一番アクティビティで使いやすいInstinct 3 Dual Powerについて、従来モデルと比較しつつポイントを紹介してこう。
「Instinct 3 Dual Power」の詳細はこちら
ソーラー充電の効率がアップし、さらにバッテリーもちが向上
アクティビティでログを取得する際などに気になるのが、バッテリーのもち。とくに登山など複数日にわたって位置情報を取得する場合、後半に残量が減ってくると切れないかどうか気になり、気持ちの余裕もなくなってくる。
位置情報を取得するGPSモードにおけるInstinct 3 Dual Power、Instinct 2 Dual Powerのバッテリーもちは以下の通り。
- Instinct 3 Dual Power 約40時間+90時間※
- Instinct 2 Dual Power 約30時間+18時間※
※ともにソーラー充電:50,000ルクスの条件下での使用を想定
上部の電池マークの右に「39h」の表記が見えるように、GPSモードで基本約40時、Instinct 2 Dual Powerに比べて約10時間稼働が長くなった。さらにソーラー充電による稼働時間のプラス効果も5倍程度アップしている。
ディスプレイの外周、黒い部分がソーラーパネル。今回のアップデートで充電機能が改良され、先代の2に比べると吸収率と充電効率が大幅に向上した。
Instinct 3 Dual Powerであれば数日間の登山であっても、停滞時に停止状態しておけばバッテリー残量のみで3~4日程度使えるようになり、さらにソーラー充電も加わると大幅に稼働時間が延びる。
40時間プラスアルファの稼働時間なら、トレイルランニングの100~160km程度のロングレースでも使えるだろう(制限時間が極端に長い大会を除く)。
GPSスマートウォッチのウィークポイントともいえるバッテリーもちが、これだけ改良されているのは心強い。
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ディスプレイがさらに見やすく
先述のソーラー充電の改良にともないディスプレイの見え方にも変化が。モノクロ半透過メモリインピクセルというディスプレイの構造自体は変わっていないものの、バックライトの改善により、これまでより表示がクリアになっている。
左が2、右が3。写真だと少しわかりにくいかもしれないが、3は2より黒がより締まって感じられ、白色部分の数字や文字が際立っている。
解像度はともに176×176なので数字や文字の精細さは変わらないが、従来よりも視認性が向上した。
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アルミで補強されたベゼル
筐体もアップデート。アメリカ国防総省が定めるMIL規格[MIL-STD-810]準拠のタフネスボディはそのまま、本体とベゼルの間にアルミの補強を加えることで、さらにボディの剛性を向上させている。
光沢のあるオレンジ色のリング部分がアルミ。ベゼル自体はケース本体と同様の非常に強靭な繊維強化プラスチック(FRP)だが、アルミのリングをベゼルと本体の間に挟むことで、より衝撃などに強く、さらに見た目の高級感もアップした。
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LEDフラッシュライトを搭載
3になり加わったのがフラッシュライト機能。これまでも2の大型サイズである「2X」では搭載されていたが、3では通常サイズの「45mm」(従来の2)、大型サイズの「50mm」(従来の2X)の両モデルで標準装備となった。
本体の上部(アナログ時計の12時方向)に埋め込まれているLEDライト。ライト近くには、わかりやすく「TORCH」と刻まれた文字も。
点灯時は2灯の白色LEDが発光。明るさは4段階で調整できる。
赤色LEDにも切り替え可能。眩しさを感じにくいので、周囲に人がいる場合などに便利だ。
4段階の最大レベルで照らした状態。かなり明るく、手元の道具を探したり、足元を照らすくらいなら十分に使える。ただし、ヘッドランプのように夜道を明るく照らすほどではないので、夜間に道を歩くなど行動が伴う場合は別途明るいランプが必要だ。
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マルチバンドGNSSと独自のSatIQに対応
LEDフラッシュライトと同様に「2X」のみに搭載されていたのが、マルチバンドGNSS。これはGPSの2周波数帯(L1信号、L5信号)を利用することで位置情報の精度を上げる機能のこと。
3になり、この機能が「45mm」と「50mm」に標準で搭載された。
「マルチGNSSマルチバンド」を選択すると、GPSの2周波数帯を利用するモードに切り替わる。だが、位置情報精度は上がるものの、バッテリーの消費も速くなる。
これを補うように3で新登場したのがSatIQテクノロジーだ(写真の「自動選択」がこのモード)。状況に合わせて最適な衛星システムと周波数帯を自動で判断、利用するシステム。これにより位置情報の高い精度を維持しつつ、バッテリー消費を最小限に抑えてくれる。
これまでも測位の精度や頻度を落とせばバッテリーを長く持たせることができたが、高い精度でバッテリーも長くもたせてくれるこのSatIQ技術は大きな進歩といえる。
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アウトドアでより頼れるパートナーへと進化
ソフト、ハードのほぼすべての面で改良が図られたといっても過言ではない、今回の3へのアップデート。とくにGPSスマートウォッチの課題ともいえるバッテリーもち、さらにソーラー充電機能の向上は、アウトドアシーンでガンガン使いたいユーザーには非常に心強い。
もともとアウトドアのライト層はもちろん、コア層まで遊びを広く楽しむ人にピッタリなオールラウンダーであったが、基本性能が高まり、これまでよりさらに守備範囲が広くなった。
GPSスマートウォッチのトップランナーの名に恥じないガーミン渾身のモデルは、想像以上に仕上がっている。
Instinct 3 Dual Power
Garmin Instinct 3 Dual Power 45mm
(ガーミン・インスティンクト 3 デュアルパワー)
- 71,800円(税込)
- 本体サイズ:45.0 x 45.0 x 14.9mm
- 重量:52g
- ケース素材:繊維強化ポリマー
- ベゼル素材:繊維強化ポリマー/アルミ
- ガラス素材:Power Glass
- ベルト:シリコン、QuickFitバンド(22mm、別売り)にも交換対応
Instinct のその他おすすめ記事はこちらから。
問い合わせ:ガーミンジャパン
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PROFILE

フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。