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がん患者のQOLを考えるiPhoneアプリ『がんコル』。国立がん研究センターからResearchKit利用で

iPhoneを使って、多くのデータを集める新しい仕組み

以前にもお伝えした( http://blog.sideriver.com/flick/2017/04/apple-watchrese-4913.html )通り、iPhoneには『ReserchKit』という仕組みがある。医療用のデータを集めやすくするためのアプリを、医療従事者の人が開発しやすくするアプリの部品のような仕組みだ。

このReserchKitを使って、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院が『がんコル(QOL)』(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/gan_qol.html)というアプリを開発、リリースした。

cancer center icon のコピー

『がんコル』

価格:無料

https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%8C%E3%82%93%E3%82%B3%E3%83%AB/id1234444324?mt=8

がんといえば、最も恐ろしい病気のように感じるが、同時に現在の日本人の死因のうちの3割を占めており、時期はともかくとして多くの人が関わる病気でもある。

毎年、なんと100万人ががんと診断されており、そのうち1/3が就労世代であるというから、まったく他人事ではないし、実はがんになってから、いかに働くか? いかに生活を維持できるか? また働いてもらうべきか? ということも非常に重要なことである。

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(取材にご対応下さった国立がん研究センターの近藤俊輔博士)

がんになったら、即入院して治療に専念するのが望ましいのは言うまでもないが、そうできる状況にある人ばかりではない。また、入院に専念することばかりがその人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるのか? その人が成し遂げたい仕事があった場合それを継続する方法を考えた方がいいのか? では仕事はどのていど可能なのか? どういったサポートが大切なのか……? などの研究は、意外と進んでいないのだという。

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多くの人が持つiPhoneReserchKitはこういう研究に非常に役に立つ。これまで、毎日、病院から離れて就労している患者にアンケートを取ることなど不可能に近かったのに、このiPhoneReserchKitを使ったアプリを使えば、何百、何千、もしかしたら、何万かそれ以上のデータだって集まる可能性がある。その大量に集まったデータは、過去に為しえなかった研究成果を生み出すかもしれないのだ。

がん患者は、その病気それ自体による肉体的/精神的苦痛に加え、放射線治療、抗がん剤治療、手術……などの治療による苦痛とも戦うことになる。その上で、どの段階においてそのようなQOLを実現可能なのかは、これまできちんと把握された国内のデータはないのだという。

プレゼンティズムとアブセンティズム

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病気で、不調を感じながらも仕事をしている状態をプレゼンティズム、仕事を継続できず休職して治療にあたる状態をアブセンティズムという。これまではおおまかにそういう状態としてしか把握されていなかった、この仕事に向かう患者の苦痛とそのパフォーマンスについて、社会的な理解を高めようという研究なのだ。

アプリでは最初に立ち上げた時に、治療開始日をはじめ、性別、年齢、携わっている仕事など、いくつかのアンケートに答えて、その後、毎日、簡単なその日の状態を記録するアンケートを入力する。

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慣れてくると、1分もかからずに答えられるアンケートだ。

このアンケートは評価軸として、WHO-HPQEQ-5D-5L、日本語版PRO-CTCAEなどの尺度を利用している。

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アンケートに答え続けると、自分の入力したデータの変化をグラフとして見ることができる。

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また、同じぐらいの治療日にある人の統計的なデータと、健常者のデータが表示される。自分の感じている状態が、全体の中でどういう状態にあるかが分かるというわけだ。

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また、薬や点滴の日、診察の日などをスケジュールするカレンダー機能もある。

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がんになっても生活は続く。

もちろん、最初は誰しもショックを受けるし、世をはかなむことになるだろう。しかし、それを受け入れたあとで、どのようにがんと戦っていくのか? 人生の中に取り込んでいくのか? という研究はまだまだ進んでいない。

このアプリはがんに罹患していない人でもデータを入力して(治療を開始した日を入力せずに始めれば罹患していない人としてデータを入力できる)使うことができる。

がん患者と罹患していない人のQOLって?

罹患していなくって、身体のコンディションがよいと感じている人ばかりではないし。仕事のパフォーマンスが100%だと感じている人ばかりではない。むしろ、スティーブ・ジョブズのように人生が無限ではないと感じているからこそ、意義のある日々にしようと努力する人もいるかもしれない。

そんな、QOLを新たに研究するためのアプリだ。みなさんも、ぜひ使って研究データの収集に協力していただきたい。

(出典:「フリック!ニュース」)

(村上タクタ)

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