人工知能があなたの真の好みの日本酒を掘り起こす『BAR YUMMY SAKE』

あなたの知らないあなたの好みが分かる

10種類の日本酒をテイスティング、簡単な質問に答えるだけで人工知能が12種類のオノマトペ(擬音)で表現されるあなた好みのお酒をアドバイスしてくれる『BAR YUMMY SAKE』を体験してきた。

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結論から言うと、結果は非常に興味深かった。日本酒に限らずあらゆる飲食、音楽、アートなど、趣味嗜好に関するものについては、今後人工知能によるレコメンドがどんどん有効になってくるだろう。

日本酒、お好きですか?

筆者は日本酒が好きな方だと思うが、日本酒の価値は決して正当に評価されていると思わない。

一級酒、二級酒など、旧来の日本酒の分類が味の評価ではなく酒税法上の区別だったことの悪影響はもちろんだが、その後の精米歩合を中心とした分類軸も、酒好きにとってはあまり役に立つものだとはいえない。

ワインであれば、さまざまな評価軸、評価方法が確立されており、安価なテーブルワインから数百万円の値をつける非常に高価なものまでを我々は豊富な情報に基づいて選択できる。しかし、日本酒はそうではない。

逆に醸造所にとっても、手間をかけ、コストをかけて美味しい上質な日本酒を作っても、ワインのように正当な評価を受け、十分に価値に見合った値付けをすることは難しいという問題がある。獺祭、而今など、一部ブランドを確立した日本酒もあるが、まだまだ多くの人が自分の好みを認識して日本酒を選ぶという状態にはなっていない。

『辛口』『甘口』『端麗』『フルーティ』『精米歩合』『純米』『吟醸』『原酒』……などの言葉から、なんとか自分好みのお酒を見つけようとしてもなかなか難しいのが現実なのだ。

未来日本酒店のYummy  Sakeはそんな日本酒に、新しい楽しみ方を提案していた。

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ちなみに筆者は5月30日に渋谷のGALLERY X BY PARCOのプレス向けイベントで体験した。同会場では今週末6月3日までの5日間、一般向けのイベントを行うそうだが、予約サイトによると、すでに予約でいっぱいでキャンセル待ちの状態となっている(https://coubic.com/yummysake/166503)。ちなみに、2500円(予約した場合は2000円)という価格設定。

その後は、6月18日から『未来日本酒店DAIKANYAMA』『未来日本酒店KICHIJOJI』でYummy Sakeを体験できるようになるとのこと(https://yummysake.jp/venue/)。

暗闇で、10種類の日本酒をテイスティング

では、今回の体験会の様子をお伝えしよう。

まずは音と周囲からの干渉を遮断するデバイス『WEAR SPACE』を装着。ノイズキャンセルヘッドフォンにより周囲の周りの人と話したりできなくなるので、自分の感覚に集中できるようになるし、人の意見にも惑わされにくい(写真はストロボを焚いているが、実際にはもっと暗い)。

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その状態で、WEAR SPACEに接続したスマホを立ち上げ、所定のサイトに接続すると音声と画面で、質問が始まる。目の前にある番号の振られた10種類のお酒を飲むたびに、どのぐらい好みなのかを5段階のハートの数で評価し、提案される『フワフワ』『ビュンビュン』『シャラシャラ』などのオノマトペからひとつを選択していく。

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最後に自分の味覚についていくつかの質問に答えると、12種類のオノマトペタイプから、どのタイプの日本酒が合うかが提案され、そのタイプの日本酒と、それに合ったおつまみが提供される。

エンターテイメントとしても、相性診断としても面白い

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日本酒を評価する一般的な用語で、『すっきりした味わい』と言われても、現在のところ、その言葉からイメージする味は、現状では人によって違うと思う。こうした『感覚』について、多数のデータで評価し、データ化していくという手法は非常に興味深いと。

『人工知能』が利用されているかどうかは分からないが(現状、データ解析にディープラーニングは使っていないが、開発には利用している部分もある……というようなお話だった。直接エンジニアの方には聞いてないので詳細は分からない)、多くの人の好みに関する意見を集積して活用するアルゴリズムになっているという。ある味を好きな人と近い評価をしていれば、ある味が好きな可能性は高いと思う。

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ちなみに、私は『アワアワ』タイプと評価され、甘酸っぱい発泡タイプの日本酒と、青森産りんごのセミドライアップルが提供された。

『スッキリした端麗なものが好きだと思っていたのに……違うな』と、思ったのだが、飲んでみると好みの味で、ドライアップルともマッチしていた。自分の真の好み? 新たな好みを掘り起こしてもらったような気分だ。

「ちょっと他のも味見していい? 僕はこういうのが好きかと思ってたんだけど」「あ、僕と同じタイプだね、味の好みが合うのかも」……などと、話はとても盛り上がるし、エンターテイメントとしても興味深かった。

実際、テスト運用した限りでは、夫婦、恋人同士などでは、半数ぐらいが同じオノマトペに分類されるという。まだまだデータ量は少ないので、どのぐらい信憑性のある話かは分からないが、会話のキッカケとしては面白そうだ。また、テイスティングし終わった状態であるていどアルコールが入っているので、飲み会の導入として行えば、宴会もスムーズに盛り上がりそう。

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(お話をうかがった、未来日本酒店代表取締役CEOの山本祐也さん)

ちなみに、もちろんこの各タイプのお酒は販売されているし、自分のオノマトペの缶バッチを購入して、自分の好みをお店の人に伝えることもできる。

私も、未来日本酒店の代官山や吉祥寺で運用が始まったら、誰か誘ってあらためて行ってみようと思う。

(村上タクタ)

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