BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

耐水のiPhoneを水に浸けてはイケナイ本当の理由

そもそも、保証されていない

7以降のiPhoneは耐水だということになっている。

しかし、水に浸けるのはお勧めしない。

最大の理由は水没時で故障した場合は、保障の対象外になるからだ(iPhone や iPod の液体による損傷は保証対象外 https://support.apple.com/ja-jp/HT204104)。

ちなみに、iPhone 7〜iPhone X、XRまではIP67(水深1mで最大30分の耐水性能)、XSとXS MaxはIP68(水深2mで最大30分の耐水性能)となっている。

これは、決してこの状態でポケットに入れて圧をかけたり、振り回したり、ショックを与えたりしていいというわけではない。水の中に入れても、そっとしていればなんとか壊れずに済む……という程度の性能だ。

さらにそもそものiPhoneの『動作時環境温度』は0〜35℃となっているから、お風呂や温泉のような環境は温度的にも保障されていないことになる。パッキンの性状が熱で変わるかもしれない。また、通常保障されるのは『真水』であって、海水などはまた別であることが多いことにも注意したい。

電子機器の防水性能を保証するのは難しい

商品として『耐水です』と謳ってるのに、保障されないというのはどうなんだという気もするが、耐水性の品質保証というのは実に難しいものなのだ。

写真02

実は、筆者は某社のダイビングにも使えるというデジカメを海水浴に持っていって浸水して壊したことがある。

水が入るのは一瞬。気が付いたらディスプレイ内部に水が入って、電源が入らなくなっていた。一瞬のことで数万円する電子機器が動作しなくなるのだからビックリだ。

修理に出そうとしたが、『年に1度はすべての防水パッキンを交換していただかないと防水性能は維持できません』ということで、修理は不可だった。パッキンが捩れていた、経年変化で固くなっていた、微細な砂粒が挟まっていた、圧力がかかってボディが曲がっていた、本体に小さなヒビが入っていた……など、いずれの場合でも水は進入することがあるという。

そして、一般的な(純水でない)水の場合、回路がショートし、電子部品が破損することになる。また回路に錆が発生するのも故障の原因にある。

昔のカメラは、海などに落ちたら、真水に浸けて修理工場に持って行く(水から上げると錆が進行するから)べきだと言われていた。水から上げた方が錆が進行するから。しかし、通電する電子部品が多い現在の電子機器では、水に浸かったらショートが発生するだろうから修復は難しそうだ。

写真03

防水性能を支えているのは、薄いパッキン

分解してみると、いかに防水性というのがデリケートなものなのかよくわかる。iPhoneの場合も、ご覧のように細い微細なパッキンが入ってるだけだ(写真はiPhone 7)この細いパッキンに、あなたの大事な写真やメッセージなどのデータが入ったiPhoneの命を預けるというのはあまりにリスキーだろう。

iPhoneはご存じのように、ガラスパネルと、アルミ、もしくはステンレスのボディを組み合わせて作られている。それぞれの部品の間は薄いパッキンなどで密閉性が保たれている。またスピーカー部分は音質を低下させない程度の薄いフィルムなどで耐水性を確保している。耐水性を確保するために、普段の使い勝手や音質などの感覚性能を低下させるわけにはいかないから、それらはあくまで最低限の仕様となっている。

写真04

日常使用していると、ポケットに入れて曲げ圧力がかかったり、落とした衝撃で本体が(一瞬だけ)たわんで衝撃を受け止めたりしている。ガラスや金属、バッテリーなどの部品の剛性や弾性は違うから、力を受けた瞬間、それぞれが違うたわみ方をしている。素材のたわみ方の違いを吸収しているのは、間にあるパッキンなどの部品だが、そういった日常使用で受ける衝撃を経て耐水性能が保持されているかどうかは、誰も保障できないところだ。

万が一、水がかかってしまった時に助かる可能性が高い、レベルだと考えた方がいい

写真05

ホームボタンをFace IDにすることで省略したり、コネクター部分を少なくしたり、電源やボリュームのボタン部分もボディを貫通する部分をピンだけにするなどして耐水性能を高めているiPhoneだが、それでもやはり世界で販売される数億台のiPhoneの耐水性を保障することは困難だろう。

水中で大きな力が加わって(たとえばポケットの中などで)本体がたわんだ瞬間に浸水したiPhoneまで保証していては、保証にかかるコストがかかり過ぎる。世界中、いろんな環境で、いろんな人がiPhoneを使うのだ。

というわけで、iPhoneの耐水性能はあくまでオマケレベル、万が一、誰かにジュースをこぼされた時、雨に降られて着ている服ごと濡れた場合などでも安心……という程度にしておいた方がいい。

海水浴やお風呂での使用は保証外だし、そうでなくても意図的に水に浸けるような使い方はやめた方がいい。

ちなみに、Apple WatchはSeries 2以降は50mの防水性能を持っており(初代はIPX7)、海水での水泳にも使えるとされている。今後iPhoneの防水性能が向上して、こういうことも可能性もなくはない。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年11月号 Vol.87』

(村上タクタ)

SHARE

PROFILE

FUNQ

趣味の時代に読むメディア

FUNQ

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

FUNQの記事一覧

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

FUNQの記事一覧

No more pages to load