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『Apple Card』アップルのサービスがすべてのお金を管理する……5分で分かるアップル発表会

Apple Cardと3つのサブスクリプション

「なんだ、ハードの発表はないのね!」と言う方もいらっしゃるだろうが、CPUが何だとか、メモリーがいくつだとかはもうウェブサイトに掲載しておけばいいと考えているのかもしれない。実際に、先週のiPad Air 10.5インチとiPad mini 第5世代の発表はそんな扱いだった。

そんなことよりも重大な発表を、アップルは1時間50分たっぷり使って、自社の聖地であるSteve Jobs Theaterで行ったのだ。

発表されたのは、Apple Cardと、3つのサブスクリプションサービスだ。

雑誌のサブスクリプションサービスであるApple News+、ゲームのサブスクApple Arcade、そして、Appleが独自に番組を作りテレビ放送局、映画ブランドなどを総合したような存在になるApple TV +。

3つのサブスクリプションサービスについてはこちら
https://www.ei-publishing.co.jp/articles/detail/flick-482372/

本稿では、Apple Cardがいかに衝撃的な発表かについて解説しよう。

支払いから、管理まで、すべてApple Payで

一見、単にアップルが物理カードを作ったというニュースに見えるのだが、ここにはもっと深い戦略がある。

話は最初ちょっと逸れるのだが、実は先だって、QRコード決済の企画でPayPayやKyashに取材に行ったり、別途Moneytreeに取材に行った。

QRコード決済など電子マネーは今後、どんどん普及する。さらにMoneytreeを使ってみて、銀行、カード、電子マネーの動きはひとつのアプリですべて把握できると感じた。現金を使わずに、電子マネーですべての決済を行えば、Moneytreeひとつのアプリでお金の動きがすべて分かるのだ。

では、このMoneytree自身が、銀行、クレジットカード、QRコード決済サービスを兼ねたらどうだろう? ひとつのアプリが我々の使うお金のすべてを支配することになる。Moneytree社にそれはできないのかと聞いたら、我々は明細のデータは表示できるようにするが決済はしないと言っていた。しかし、アップルはもともとApple Payで決済をやっているのだから、上から下まで全部扱うことだってできる。いきなり飛躍した論理に思えるかもしれないが、アップルが目指すのはここだと思う。

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つまり、すべてのお金はApple Payが管理するということだ。

そのためにSuicaのような決済システムを、ロンドン、モスクワ、北京、上海、広州、ポートランド、シカゴ、ニューヨークなど、他の国の鉄道にも導入するという(もしかしたら、本当にSuicaの技術を使うのかもしれない。Suica……というかFeliCaの決済速度は世界一だ。そしてiPhoneはそれに対応している)。

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また、まるでQRコード決済のように、キャッシュバックも始めるという。Apple Payで決済すると2%。Apple Storeなどの決済に使うと3%。ちゃんとお得にもなる。

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チタン製の物理カード、Apple Card

さらにApple Cardという物理カードまで出す。このカードを使うと1%キャッシュバック。チタン製。さらにカード番号や決済ごとに変化し、使用期限はない。Apple PayのNFC決済の端末は、すべての店にあるわけではないが、アメリカならクレジットカードの決済端末はほぼすべての店にある。つまり、アメリカならすべての店でApple Payが使えるようになる。そんな構造を構築したのだ。

日本や中国だと、QRコード決済みたいな仕組みを使わないと、すべての決済をカバーできないが、アメリカならNFCとカードでほぼ全部カバー可能だ。

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さらに、Apple Payは支出のデータも管理して、グラフ化までしてくれる。

これって、日本的には、Moneytreeや、Zaim、Money Forwardがサポートしている家計簿サービスなのだが、アップルが上手くマーケットができたサービスに対して、上から被せてくるのはよくある話。支出のカテゴリーをマシンラーニングで行うというところまで当ててきている。

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こうなると、支出のすべてをアップルに把握されるのではないかと心配になる方もいるかとは思うが、そこは暗号化されて端末のセキュリティチップに格納されるという。つまり、アップルがあなたの購買情報を分析したり、ビジネスとして売却したりすることはないということだ(アップルとしてはここをGAFAの残り3社とは違うポイントとして、最近アピールしている)。これこそ、デバイスからソフトウェア、サービスまでを作っているアップルの強みである。

いわば、iPhoneが個人のお金の動きまで管理する。もちろん、セキュリティ上アップルが把握しているわけではない。あなたのお金は安全で秘密を守ったまま、iPhoneで管理できる。

また、iPhoneがひとつの業界を飲み込んだわけである。もう、サイフは要らない。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年4月号 Vol.90』

(村上タクタ)

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